競輪界の「頂点」
「S級S班」…それは、全国に2,500名いる競輪選手の中で、わずか9名にしか与えられない「最強」の称号。
1年間の激闘を勝ち抜き、誰よりもタイトルを手に入れ、賞金を稼いだ選ばれし9名であり、彼らには12月30日に行われるKEIRINグランプリにて1億円を奪い合う権利が与えられる。
今回は、そんな競輪界の「頂点」S級S班について解説しよう。初心者は、まずはこのS級S班9名を覚えるところから始めると良い。
S級S班の歴史
このS級S班制度は、2007年のKEIRINグランプリから採用された。
KEIRINグランプリの出場資格自体は変わらないものの、グランプリ出場選手は「S級S班」の称号を背負ってレースに挑むことになった。
制度開始時点では18名であり、その内の上位9名がKEIRINグランプリに出場できる形だった。2012年に現行の9名となり、S級S班全員がKEIRINグランプリに出場できるようになる。
S級S班の特徴
S級S班の特徴や優遇措置としては、以下のものが挙げられる。
☆事前に「あっせん計画」を提出し、自分の希望通りのレースに出場するようあっせんを調整することができる。
☆G1・G2のビッグレースに優先して出場でき、なおかつシード番組がある場合は優先してシードされる。
☆基本的にG3以上の開催にのみ出場する。
☆レースに出場する際はS級S班専用のユニフォームを着用する。また、前年のKEIRINグランプリ覇者には特別にユニフォームが用意され、全てのレースを1番車で出走できる特典がある。
☆公共交通機関を利用する際に特別料金が支給される。
まさに、最強の者にのみ許された特典である。
ビッグレースについてはこちらも参照⇒
2024年のS級S班
それでは、2024年現在のS級S班9名を一気に紹介しよう。
☆松浦悠士(広島・98期)…昨年、KEIRINグランプリを制覇し初の賞金王に。今年も清水とのゴールデンコンビで競輪界を席巻する。
☆深谷知広(静岡・96期)…6年ぶりにS級S班に返り咲いた「平成の怪物」。今年は10年ぶりのG1制覇へ向かって邁進する。
☆眞杉匠(栃木・113期)…昨年オールスターをラインの力で制すと、競輪祭は一転単騎で優勝。関東の新エースとして今年も躍動する。
☆古性優作(大阪・100期)…2021年にG1初制覇を果たすと、同年初出場で一気にグランプリ制覇まで成し遂げた最強の自在型。2023年はG1を3勝するなど、その強さにはさらに磨きがかかっている。
☆山口拳矢(岐阜・117期)…昨年日本選手権で親子G1制覇を果たした競輪界の最強2世選手。単騎での強さは折り紙付き。
☆新山響平(青森・107期)…どんな展開でも逃げまくる「先行日本一」の男。G1を先行で勝つことが最大の目標。
☆佐藤慎太郎(福島・78期)…2019年、43歳にしてKEIRINグランプリ優勝(歴代2位の最高齢優勝記録)を遂げた「中年の星」。安定感抜群のレースもさることながら、豪快なキャラクターでも人気を博す。
☆脇本雄太(福井・94期)
…一昨年グランプリを制し、史上初の獲得賞金3億円を達成した競輪界最速最強の男。圧倒的なスピードで別線を粉砕する。
☆清水裕友(山口・105期)…松浦とのコンビで競輪界を席巻する若武者。今年は自分の番とばかりに暴れまわりたい。
まとめ
全ての競輪選手は、毎年グランプリ出場を目標に日々練習を重ねる。その中で激しい競争があり、グランプリ出場に相応しい力を持った強者が数十名生き残る。
その強者達がさらにふるいにかけられ、最終的に勝ち残った9名のみが、最強の称号を得ることができる。
強者の中の強者である彼らには、常に責任と結果が求められるのだ。
S級S班について簡単にまとめた動画はこちら⇒
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