ミッドナイトケイリンとは?
一般的に公営競技は、9時~16時30分の「日中開催」と、15時~20時30分の「ナイター開催」の二つで行われ、一部の場では8時30分~13時の「モーニング開催」が行われている。
しかし、競輪にはもう一つの開催形態がある。それが、20時30分~23時30分に行われる「ミッドナイトケイリン」だ。
今回は、競輪ファンの間ではすっかりおなじみとなっているミッドナイト競輪について解説しよう。
勝負はアフター5ならぬアフター8で
ミッドナイト競輪は一開催が7レースないし9レースで行われ、7レース制の際は1レースの発走が21時07分か21時01分、最終レースの発走が23時19分か23時13分。9レース制の際は1レースが20時50分か20時40分、最終レースが23時30分か23時20分となる。
ミッドナイト競輪の始まりは10年前の2010年にさかのぼる。当時、競輪は売り上げの減少が続いており、人気回復のための起爆剤となるアイデアを模索していた。そんな折、JKAの職員が食事の席で思いついた
『21時過ぎに、携帯で車券が買えれば面白いのではないか?』
という案が大ウケ。実現へ向けたプロジェクトが始まった。
しかし、深夜に競輪を行うとなると、真冬は気温が下がりすぎてレースが厳しくなる上、住宅地の真ん中にある競輪場だと打鐘の音が迷惑になるかもしれない。
競技した結果、天候の影響を受けず、打鐘の音が外に響かないドーム型競輪場である小倉競輪場と前橋競輪場が開催候補地として挙げられた。
そして2011年1月14日、小倉競輪場で記念すべき第1回のミッドナイト競輪が行われる。当時は試験的な開催として、7レース制2日間開催で行われ、初日の予選を勝った7選手によって2日目の決勝が争われる開催形態だった。
第1回開催の売り上げは好調で、目標売上金額を大きく上回る結果となった。これを受けて小倉競輪場は来年以降も開催を続ける意向を示したうえ、他の施行者もこぞって開催地に立候補。続々とミッドナイトケイリンの輪が広がった結果、初開催から9年間で22の競輪場がミッドナイトケイリンを行うようになった。
現在では開催も3日間となり、ガールズケイリンも併せて開催されるように。単発的に行われていた開催も今や毎日行われるようになり、競輪界の売り上げの核として大きな役目を果たしている。
ミッドナイトケイリンの特徴
ミッドナイトケイリンの開催時間は先程書いたとおり、概ね20時30分~23時30分の間で行われる。開催時間が短いため、レースとレースの間隔が狭く、スピーディーに競輪が楽しめるのが大きな特徴だ(その分、締め切り時間には注意が必要)。
行われるレースは全てA級戦か、ガールズケイリンとなっている。黎明期にはS級戦が行われていたこともあったが、今は行われていない。また、現在の状況に関わらず、常時7車立てで行われているのも大きな特徴である。
そして、ミッドナイトケイリン最大の特徴が、「競輪場に観客を入れず、電話・インターネット投票のみ」で車券を発売していることである。これは、初回開催時から一貫している。また、競輪場のみならず場外車券売場でもレースは見られず、ファンはテレビないしインターネットでレースを観戦することになる(なお、一部場外ではミッドナイト競輪の車券のみを発売している施設もある)。
つまり、自宅でも、出先でも、インターネット環境さえあれば深夜まで競輪が楽しめるということだ。現在のコロナ禍にあっても競輪の売り上げが好調を示しているのは、間違いなくミッドナイト競輪の無観客開催・インターネット発売という特徴によるものだろう。
ミッドナイトケイリンの今
先に触れたとおり、ミッドナイトケイリンは現在22の競輪場で行われており、ほぼ毎日どこかの競輪場で開催されている。ただし、レース間隔が短い分、一度の開催は2場までに限定されているので注意が必要。
また、全ての開催が9レース制で行われており、場合によってはナイターの最終レースが終了して数分後にミッドナイトの1レースが始まる、ということもあるため、買いたいレースの締め切り時刻は特に注意してチェックしておこう。
まとめ
今や日中開催やナイター開催をしのぎ、競輪の売り上げを支えているミッドナイト競輪。各投票サイトに登録するだけで気軽に競輪が楽しめる。深夜に一風変わった刺激が欲しい、と思っている方は、これを機にミッドナイトケイリンを覗いてみてはいかがだろうか。
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