
競輪選手は選手寿命が長い
一般的に、プロ野球やJリーグなどのプロスポーツ選手は、30代までが選手生命のピーク。40代を迎えてもなお一線級で活躍する選手は、そう多くはない。
しかし、競輪の世界ではその常識は通用しない。トップクラスのG1にも、40代の選手はザラに出場してくるし、現に昨年競輪界の頂点に立ったのは43歳(当時)の佐藤慎太郎だった。しかも、2020年9月時点では50代、60代の選手が200人以上現役で活躍している。
今回は、そんな選手寿命が非常に長い競輪界の中でも、一際輝きを放つ超ベテラン選手を3人ピックアップして紹介する(選手敬称略)。
競輪界の”仙人”・佐古雅俊(広島)
2020年9月現在、最高齢選手(実際にレースを走っている選手のみ)として競輪界を引っ張っているのが佐古雅俊(広島・45期・60歳)。1980年のデビューから、現役40年間で積み上げた勝ち星は実に399勝。あと一つで400勝の大台に乗る。
1980年代~1990年代の競輪界を盛り上げた往年の名選手でもあり、1988年には全日本選抜競輪で決勝2着。同年の競輪グランプリ(6着)にも出場した。さらには、自転車競技でも実績を積み、1989年の世界自転車競技選手権ではケイリン競技で銅メダルも獲得している。
そんな佐古も、現在はA級2班に所属している。しかし、依然として決め手は健在であり、5月の地元・広島戦では2日目に最終バック9番手から中割り強襲を決めて1着をもぎ取っている。その動きは、とても還暦の選手とは思えない若々しさである。
「自分が勝つための努力をするのは40歳まで。その後も続けるには、励みを見つけること」と語る佐古。動画を見ても分かる通り、その人柄は飄々としており、勝ち負けとは別次元にいる「仙人」のような雰囲気を醸し出している。このまま行けば、64歳2か月の最高齢勝利記録(三ツ井勉・神奈川45期・2020年1月引退)も破れそう。今後も、その走りから目が離せない。
引用元:https://www.nikkansports.com/public_race/keirin/kantoumon/news/201909300000415.html
進化続けるレジェンド・萩原操(三重)
今年7月に57歳を迎えた三重の重鎮・萩原操(51期)。1983年のデビューから積み重ねた勝利数は386勝。だが、萩原の凄さはその勝ち星以上に、一線級で戦った期間の長さにある。
デビュー翌年の1984年にS級に昇級すると、以降2017年まで34年間に渡りS級に在位。連続S級在位34年は、歴代1位の大記録だ。その間、1992年競輪祭(4着)、1998年オールスター競輪(7着)と2度のG1決勝進出。競輪界の最高峰・日本選手権競輪には通算27回の出場を誇る。まさしく、競輪界の「レジェンド」だ。
更に、2014年9月7日には地元松阪競輪場で当時の最高齢S級優勝記録を更新(51歳1カ月、後に西川親幸が更新)。2015年後期はS級1班在位のまま52歳となり、当時の最高齢S1在位記録を更新(後に西川親幸が更新)。2018年後期から2019年後期までS級に在位し、最高齢S級在位記録も更新(56歳)。更には今年6月の四日市戦でA級1・2班戦を優勝し、最高齢A級1・2班戦優勝記録も更新した。とにかく、大抵の最高齢記録を保持しているのがこの萩原操という選手だ。
そんな萩原は、2020年後期現在も好調をキープ。今期2度の準優勝を果たすなど、来年後期S級復帰への点数を十分に稼いでいる。S級復帰が決まれば、来年は58歳のS級選手が誕生することになる。前代未聞、空前絶後の記録が誕生するかどうかに注目だ。
もう一人のレジェンド・西川親幸(熊本)
先程の萩原操の記録を塗り替えんと後を追っているのが、西川親幸(熊本・57期・55歳)。1986年のデビューから通算464勝を挙げており、今月17日には通算34人目の獲得賞金10億円突破という偉業を成し遂げた大ベテランだ。
非常に息の長い選手であり、1987年にS級に昇級してから33年連続でS級に在位している。その間、2000年日本選手権準優勝を含み、3度のG1決勝進出。1989年~2017年まで、日本選手権に26年連続で出場するという快挙も成し遂げている。
また先述の通り、西川は最高齢S級優勝記録(52歳4か月)と最高齢S1在位記録(54歳)も保持している。派手さはないが、確実に仕事をこなしてファンの支持に応える、というのがここ数年の西川の競走スタイル。その姿勢が、歴代最長となる34年5カ月での獲得賞金10億円突破という偉業に結び付いたのではないか。ちなみに、G1タイトルを獲得していない選手が獲得賞金10億円を突破するのは、西川が初めてのケースである。
55歳を迎えた現在も、競走得点は100点前後をキープしており、まだまだS級で戦えそうな西川。どこまでS級在位記録を伸ばせるかにも注目だ。
まとめ
今回は、佐古雅俊、萩原操、西川親幸と3名のベテラン選手を紹介した。50代、60代の選手が自分の息子ほども歳の離れた選手を出し抜いて勝利するシーンは、何とも痛快。皆さんも、この3名の選手のみならず、大ベテラン選手を見かけたら注目して観戦してみてはいかがだろうか。
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競輪歴12年(みんなの競輪チーム 所属)

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