競輪情報あれこれ

全員落車、全員失格…競輪で本当にあった珍事件について調べてみた

競輪に落車や事故はつきもの

最高時速70キロで走りながら、身体と身体をぶつけ合う競技―それが競輪。一瞬の判断ミスが、落車事故につながる危険なスポーツでもある。今回は、実際に発生した信じられない競輪の落車や事故について3つほど紹介していく。

①3コーナーで悪魔が笑った!ファンも悲鳴の全員落車

まずは2008年2月20日、今は無き大津びわこ競輪場で行われたレースから。

このレースは残り1周から各選手が仕掛けるスプリント勝負となり、先行集団が固まっての大混戦に。最終3コーナーで2番の捲りが決まるか…!と思われたその時、びわこの悪魔が牙を剥いた。

その瞬間の映像がこちら。

前を走っていた5番と捲ってきた2番が接触して落車。後続も相次いで巻き込まれ、バンクの一番上まで登って落車を避けた7番も最後に転倒。なんと、9人全員が落車するという前代未聞の大事故となってしまった。

競馬を見ている方なら、「レース不成立じゃないか?」と思われるかもしれないが、競輪の場合は落車しても、もう一度自転車に乗り直してゴールを通過すれば着順が認められる(厳密に言えば競馬も再乗ゴールはあり)。

まだ自転車に乗る気力のあった選手がチャンスとばかりに続々と自転車に乗り込み、8番→7番→9番の順でゴール。動画の通り、3連単は32万円台の高配当となった。

筆者はその場に居合わせていたわけではないが、恐らく当時の競輪場は、悲鳴のち怒号の嵐だったのではないか…。後は、何かの手違いで3連単を買っていた客の歓喜の雄たけび?

結局、9人中7人がゴール。落車の原因を作った5番は失格となった。

これ以来、筆者の知る限りは競輪の「全員落車」は発生していない。もちろん、今後も発生しないことを祈るばかりだ。

②おい、おい、後ろは何やってんだ?主催者も選手も客も悪夢の全員失格

続いては、2008年12月14日にいわき平競輪場で行われたレース。また2008年。

このレースは各選手が他の選手の動きを牽制しあう形になり、残り1周半を前にして4番の選手が思い切って前へ。するとどうしたことか、他の8人は4番を無視しているかのように離され始め…。

続きはこちらから。

4番は後ろが来ないと見るやイチかバチかの大スパート。後続との差をみるみる内に離していく。後ろの8人は残り半周手前からようやく追い上げを開始するが、時すでに遅し。そのまま4番が逃げ切り、2着には8番、3着には2番が入った。

しかしこのレースは審議となり、1着で入線した4番は「イエローライン踏切」で失格。残りの8人は、4番を放っておいた結果、前の選手を追走する義務を果たさず、敢闘精神が欠如していたとして、やはり失格となった。これが、世にも珍しい…というか後にも先にも前例がなかった「全員失格」の顛末である。

当然、全員が失格になったので賭け式は成立せず、全ての車券が返還。主催者は売り上げを全て返還しなければならなくなったので大損害、当たり車券のはずだった4-8-2の車券を持っていた客は激怒(成立していれば11万円を超える払い戻しだった)。失格になった9人の選手は強制帰宅。しかも、4番以外の8人は3か月の出場停止処分を受けるという、誰も得しない結果に終わったのだった。

③あれ、俺周回間違えてる?立川競輪誤打鐘事件

最後は少し古いが、2000年2月11日の立川競輪場のレース。

アシアナカップと銘打たれた開催を締めくくる決勝戦で、信じられないミスが。何事もなく号砲が鳴り、粛々と周回を重ねる選手たち。さあ、いよいよ勝負所…という残り2周半の時点で、事件は起きた。

その瞬間の映像がこちら。

あろうことか、「残り1周半」で鳴らされるはずの打鐘が、「残り2周半」の時点で1回鳴らされてしまったのだ。これに戸惑った選手は、残り2周で急激にスローダウン。自分が周回を間違えていると、全選手が思ったことだろう…。しかし、残り1周半で何事もなかったかのように再度鐘が鳴らされると、レースは続行。結局そのまま、1番選手の優勝で終了・成立し、払戻金も発表されてこの事件は幕引きを迎えた。

なぜ、このようなミスが起きてしまったのか?

当時、決勝戦は全て他のレースよりも1周多い6周で行われていた(現在ではG1決勝のみ)。恐らくは、係員がレースを5周と勘違いして鐘を鳴らしてしまったのではないか。

ちなみに、YouTubeには優勝選手の表彰式・インタビューの様子もアップロードされているが、終始納得のいかない客が怒号を飛ばしている。終いにはバンクに物が投げ込まれる始末。それだけファンも熱い時代だったのだろうが、今ではなかなか考えられない事態である。

表彰式がこちら

まとめ

今回は、競輪で起きた思わぬハプニングや事件を3つ紹介した。多額の金銭が絡む公営競技だけに、極力事故は避けてほしいところだが、ヒューマンエラーは避けたくても避けられないのが現状。筆者自身も何だか記事を執筆していて身につまされる思いがしたのだった。

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競輪歴15年(みんなの競輪チーム 所属)

輪pedia 編集者兼ライターの「競輪歴15年」です。 長年培った知識を活かし、競輪に関する有益な情報を提供していきます。

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