まずグランドスラムとは
一般的に「グランドスラム」とは、テニスの4大大会(ウィンブルドン、全米オープン、全仏オープン、全豪オープン)を全て制覇することであり、そこから各種スポーツで主要大会を全て制覇することを指すようになった。例えば、ゴルフにおけるグランドスラムは全英オープン、全米オープン、全米プロゴルフ選手権、マスターズ・トーナメントを全て制覇することを指す。
競輪におけるグランドスラム
そして、競輪におけるグランドスラムは、現在開催されている6つのG1(全日本選抜、日本選手権、高松宮記念杯、オールスター、寛仁親王牌、競輪祭)を全て制覇することである。KEIRINグランプリは含まれない。
競輪のビッグレースについてはこちらも参照⇒
2022年現在、グランドスラムを達成した選手は以下の4名のみ(以下敬称略)。
選手名 | 登録地・期別 | 達成年 |
井上茂徳(引退) | 佐賀41期 | 1988年 |
滝澤正光(引退) | 千葉43期 | 1990年 |
神山雄一郎 | 栃木61期 | 1999年 |
新田祐大 | 福島90期 | 2022年 |
長い競輪の歴史の中でもわずか4名。そして、井上・滝澤の両者は1994年に寛仁親王牌がG1に昇格する以前の達成のため、現在の6G1を全て制覇したのは神山雄一郎・新田祐大の2名のみである。なお、井上・滝澤はKEIRINグランプリも制覇しているが、神山・新田は2020年現在グランプリを制覇していない。
グランドスラム達成を逃した過去の名選手
上記の4名以外にも、グランドスラム達成まであと一歩に近づいた選手は2名いる。
まずは、「ミスター競輪」中野浩一。世界選手権10連覇、第1回KEIRINグランプリ制覇など、輝かしい功績と共に1980年代の競輪界をリードし続けた中野だが、高松宮記念杯を制覇できないまま1992年に引退した。ラストランは奇しくもその高松宮記念杯決勝戦であり、滝澤正光の2着に敗れた。
同じ福岡の「F1先行」吉岡稔真も、グランドスラム達成まであと一歩と迫りながらオールスターを優勝できずに2006年に引退。ファン投票1位には幾度となく輝きながらも、優勝だけは叶わなかった。
グランドスラム達成間近の選手
2022年現在、現役選手の中でグランドスラムを達成しそうな選手は以下の通り。
福島の山崎芳仁は、2006年~2015年の10年間でG1タイトルを9つ獲得し、残すは日本選手権のみとなっている。しかし、2015年の全日本選抜を最後にタイトルから遠ざかっており、ここから日本選手権を優勝できるかどうかは不透明である。
次ぐのは茨城の武田豊樹と、福井の脇本雄太。武田は2009年~2015年にG1タイトルを7つ獲得し、残すは全日本選抜と寛仁親王牌の2つ。しかし、近況G1・G2クラスでは苦戦が続いており、グランドスラム達成は厳しい状況。脇本は2018年以降のわずか4年間で7つのタイトルを獲得し、残すは全日本選抜と競輪祭のみ。
まとめ
競輪界のグランドスラムは、最低でもG1を6勝しなければならない他、運の要素も多分に絡んでくるため、他の競技の完全制覇系記録と比較しても難易度が非常に高い。果たして次のグランドスラム達成者は誰になるのだろうか。
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