新時代の競輪とは言うものの…?
新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とし、G2以上を除く競輪開催が全て7車立てで行われるようになってから1カ月が過ぎた。選手、ファン共に新しい様式の競輪に四苦八苦しながらも、徐々に対応してきている印象だが、果たして競輪はどのように変わったのか。今回は、様々な観点から7車立て競輪を分析する。
今回の調査対象
今回は、普段9車立てで行われている「F1」「F2のA級1・2班戦」のモーニング、日中、ナイター開催を対象に調査を行った(つまり、普段から7車立てで行われているチャレンジレース、モーニング7、ミッドナイト競輪、ガールズケイリンは除外)。集計対象は合計43開催、841レース。
また、S級戦とA級戦では大きくスピードやレース展開も変わってくるため、今回はこの二つを分けて分析することにする。対象は、S級戦343レース、A級戦498レース。
なお、記念開催(G3)については、当該記事を参照されたい。
7車立て競輪の決まり手
まずは、7車立て競輪の決まり手から見てみよう。
A級戦の決まり手はこちら。
1着 | 割合 | 2着 | 割合 | |
逃げ | 103回 | 20.64% | 107回 | 21.49% |
捲り | 143回 | 28.66% | 80回 | 16.06% |
差し | 252回 | 50.50% | 119回 | 23.90% |
マーク | 1回 | 0.20% | 192回 | 38.55% |
続いてS級戦の決まり手はこちら。
1着 | 割合 | 2着 | 割合 | |
逃げ | 64回 | 18.60% | 65回 | 19.01% |
捲り | 97回 | 28.20% | 49回 | 14.33% |
差し | 182回 | 52.91% | 89回 | 26.02% |
マーク | 1回 | 0.29% | 139回 | 40.64% |
A級戦、S級戦ともに大きな数字の開きがあるわけでもなく、ほぼ常識的な範囲に値が収まっていると言える。強いて特徴を挙げるならば、捲りが9車立てよりもわずかに効きやすいくらいだろうか。
ただし、9車立てに比べてS級戦とA級戦の逃げ・捲りの連対率の差が少なくなっている。一般的に、S級戦はA級戦に比べて自力選手の連対率が低めになる傾向にあるが、7車立ての場合はその差は2%ほどであり、捲りの1着率に至っては28%でほとんど変わらない。自力選手が活躍しやすいレース展開になっている、というのは頭に留めておくべきだろう。
7車立て競輪の平均配当
続いて、気になる平均配当に移ろう。今回も、調査対象は2車単と3連単である。まずはA級戦。
平均配当 | |
2車単 | 2,586円 |
3連単 | 13,972円 |
そしてS級戦。
平均配当 | |
2車単 | 2,835円 |
3連単 | 14,926円 |
前回紹介した記念開催(G3)よりも、かなり高めの配当となっているが、実はこれくらいの配当が自然である。
9車立てと比べ、2車単の的中確率は1/72⇒1/42で約1.7倍、3連単の的中確率は1/504⇒1/210で2.4倍となる。そして、9車立ての平均配当は2車単が約5,000円、3連単が約33,000円なので、この数字を的中確率の倍増率で割るとそれぞれ2,941円と13,750円となり、今回調査した平均配当とほぼ一致する。
つまり、記念開催が堅めの決着が目立つだけであり、7車立てになったからと言って極端に安い配当ばかりが出ているわけではなく、的中確率に照らし合わせればごく自然な払戻金が現れているということになる。
とは言うものの、配当金が全体的に下がっているのは事実。プラスを狙うためには、ある程度購入金額を減らしていかなければならないだろう。
最高配当と競輪場ごとの平均配当
ここで気になるのは、どれくらい万車券以上の高配当が出るのかということ。
開催ごとにかなりばらつきがあり、1開催に1回しか出ないこともあれば、半分以上のレースで万車券が出た開催もある。詳しい内訳はA級戦が498レース中148レース、S級戦が343レース中110レースであり、うち10万円以上の万車券はA級戦が9レース、S級戦が8レースであった。大体10レース中3レースで万車券が出る計算となったが、これを多いと見るか、少ないと見るかは人それぞれだろう。
なお、全体を通した3連単最高配当は、7月20日に和歌山競輪場で出た908,620円(208番人気)であった。このレースは1着到達の選手が失格となるアクシデントもあったため、まさに”事故”のような配当だろう。
また、A級戦とS級戦の3連単平均配当ベスト5はご覧の通り。
A級戦 | 競輪場 | 平均配当 |
1位 | 和歌山 | 56,670円 |
2位 | 大垣 | 24,520円 |
3位 | 川崎 | 22,725円 |
4位 | 佐世保 | 21,650円 |
5位 | 名古屋 | 18,546円 |
S級戦 | 競輪場 | 平均配当 |
1位 | 別府 | 33,944円 |
2位 | 久留米 | 25,314円 |
3位 | 岐阜 | 20,314円 |
4位 | 高松 | 19,940円 |
5位 | 宇都宮 | 17,146円 |
因果関係は一切不明だが、中部・九州の競輪場が多くランクインしている。高配当をゲットしたいなら、これらの競輪場で勝負してみるのも手かもしれない。
まとめ
7車立て競輪の傾向をあらためてまとめると、以下の通りとなる。
・9車立てと比べて決まり手の数字が大きく変化したわけではないが、わずかに自力選手の成績が良化している。
・平均配当は9車立てと比べて大きく低下するものの、的中確率を考えると常識の範囲内。
・万車券は10レース中3レースの割合で出現する。中部、九州の競輪場で高配当が出やすい傾向にある。
少なくともあと2カ月は今の様式の競輪が続く。そして、選手・ファン共に徐々に7車立て競輪に順応してきている。今後も、今回の調査で判明したデータを基に、競輪を楽しんでいただきたい。
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