多くの競輪ファンに利用された「テレドーム」
2023年6月30日をもって、NTTコミュニケーションズが運営していた電話音声サービス「テレドーム」がサービス終了となった。
「テレドーム」は、1本の電話回線で多くの人に同時に音声情報が提供できるサービス。指定した電話番号にダイヤルすると、通話料金だけで欲しい情報が手に入るというものだった。かつては全ての競輪場で「テレドーム」の案内がされており、その番号に見覚えがあるオールドファンも多いはず。公営競技以外にも、野球・サッカーなどスポーツの結果情報提供にも利用されていた。
また、インターネットが十分に発達していなかった1990年代~2000年代前半までは公営競技だけでなく、多くの視聴者参加型テレビ番組や、視聴者プレゼントにも利用されていた。「0180」から始まる電話番号にダイヤルしたことがある読者の方もいることだろう。
しかし、固定電話のIP網移行―インターネットの普及に伴い、利用者数は大きく減少。インターネット全盛となった2020年代においても細々と提供されてきたが、提供元のNTTコミュニケーションズが昨年2月にサービス終了をリリースし、先月30日、ついにその日を迎えた。
テレドームをめぐる思い出
先述の通り、テレドームは様々な用途で利用されていたが、特に公営競技での利用が多く、「テレドームと言えば公営競技」というイメージが強い方もいるだろう。
Twitter等で実況アナウンサーのアカウントを見ると、「テレドームで聞いても何が起こっているのか分かる実況を目指していた」「テレドームで自分が実況していたレースを聴き返していた」という声もあり、かつてはアナウンサーの技術研鑚にも重宝していたようだ。
かく言う筆者もインターネットが利用できず、また本場にも行けない環境に身を置いたことがあり、その際は最後の手段として公衆電話からテレドームにダイヤルして競輪実況を聴いたこともある。
いずれにせよ、様々な形で公営競技ファン(最低でも歴10年以上?)の生活に何かしらの思い出を残したのが、テレドームというサービスだった。
テレドームを最後まで利用した競輪場は…。
テレドームにサービス終了は6月30日だったが、それより前に提供を終了した競輪場も多い。30日に開催があった競輪場の内、最終日までテレドームを提供していたのは富山と別府の2場だけだった。
競輪場 | テレドーム終了日 |
函館 | 6月27日 |
前橋 | 5月19日 |
伊東 | 3月31日 |
富山 | 6月30日 |
四日市 | 5月31日 |
向日町 | 3月15日 |
小倉 | 6月25日 |
別府 | 6月30日 |
つまり、6月30日のナイター開催である別府競輪の12Rが、テレドームで聴くことのできる最後の競輪開催ということになる。今回はその別府12Rをテレドームで聴き、最後を聴き届ける。
別府12R 発走
6月30日の別府F2開催12R・A級初日特選。これが、テレドームの最終レースとなる。最終レース発走の数分前から0180-999-100=別府競輪場のレース実況を聴くことができる番号にダイヤルしたが、延々と当日のレースの実況を流しているだけだった。
そして最終レースが発走。ネット中継やCS放送と全く同じ放送が、皆さんの想像する電話の音質で聴こえてくる。もちろんレース映像は見られないため、ネットやCS放送の環境がある人が、わざわざテレドームを利用してレースをチェックする道理はないだろう。
「…5番の大西!外からは1番!5番1番3番の態勢か!…」
ゴール。テレドーム最期のレースを飾ったのは香川の大西祐だった。
その後決定放送と払戻金が流れ、何事もなくレースは終了。レース終了後も電話を繋ぎ続けたところ、その後は当日の1Rから再度実況を流し続けていた。
テレドームの最期を聞き届けて
こうして、テレドームの歴史に幕は閉じられた。翌日同じ番号に、別府競輪が開催されている時間にダイヤルをしてみたが、「ただいまお電話は受け付けておりません」という自動音声が流れるだけとなった。
それなりの期間競輪ファンに利用されながら、寂しい最期を遂げたテレドーム。今後、その名前は徐々に忘れ去られ、しばらく後に「こんなサービスもあったね」と思い出される程度の存在になるだろう。それでも、何とか競輪をファンに届けようという関係者の努力があったのもまた事実。今後はその努力を更に重ね、より便利になった放送サービスで競輪を楽しんでいただきたい。
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