20日に行われた高松競輪G3「玉藻杯争覇戦」は浅井康太の優勝で幕を閉じた。様々な動きがあった決勝を改めて振り返る。
①もつれた初手と菊池の思惑
まずは初手。1松浦が最内枠を利してスタートを取りに行ったが、4菊池が外からかぶせる。当然1松浦が有利な位置だが、4菊池は外併走で前を譲らなかった。4菊池からすれば、5町田率いる4車ラインに前から突っ張られては厳しいし、後ろが2佐藤と6東で競りだと後方から仕掛けても後ろが離れて5町田に番手に入られる危険性がある。それなら前を取り、できるだけ突っ張った方がまだ勝機を見出せるという判断だろう。結果、1松浦が内で車を引き4菊池が前の位置をキープすることとなった。
②中団を明け渡した松浦
内で車を引いた1松浦は中団に入ることなく、5町田と位置を整えたのは後方の7番手だった。順当なら中団に入って5町田の上昇を待つ形が有力だったが、9浅井も初手は中団を狙っていた(勝利選手インタビューで語る)こともあり、4番手でのバッティングを恐れた形か。スタートを取りに行ったのに引かされてしまった1松浦にとっては、この段階で思惑が外れた格好になっている。
今年1年間1番車を背負って戦う1松浦にとっては、この初手の動きは今後の戦いに課題を残す結果となった、と言って良い。
③菊池の番手に入った町田の判断は…
残り2周で5町田が一気に仕掛けると、前の4菊池もペースを上げる。しかし、番手で競っていた2佐藤と6東が共に離れ、5町田が番手に収まるのに「十分な」距離が空いてしまった。このレースの最大のポイントは、ここで「5町田が4菊池の番手に入るかどうかの判断」だったと言って差し支えない。
結果として5町田は一旦4菊池の番手に入り、最終ホームで改めて仕掛けた。しかし、3番手、4番手の地元勢との呼吸が合わず、結果1松浦は後ろ盾を無くすことになってしまった。
地元勢と離れてしまったのが松浦にとっても誤算に
4菊池の後ろであれだけの距離が空いてしまうと、一旦番手に入って休んだ5町田の判断を間違いだったと責めることはできない。しかし、後ろに9浅井が控えており、早めに仕掛けてくることを考えると、5町田がすんなり番手捲りを打って残れる可能性もあまり高くはない。それに加え、一旦ペースを落としてから再度のダッシュを強いられる後ろの7香川、8福島にとっては追走が厳しくなることも考えなければならなかった。結果論とはなるが、あのまま4菊池を叩き切ってしまった方が、ラインで決まる確率は多少上がったのではないか。
④最後は浅井の走りを称えるべき
しかし中四国勢の動き云々よりも、今回は9浅井の走りを称えるべきだろう。最終ホームで仕掛けるが、2コーナーで一旦6東に強烈なけん制を受けている。
外々を踏む展開でこのけん制を受けるのはかなり厳しい状況だったが、そこを踏み勝ち、1松浦が番手から捲ったのを見ると冷静に番手で追走。直線は測ったように差し切った。今節の1松浦の出来を考えても、この展開で差し切れるのは見事の一言だ。逆に、1松浦にとっては後ろに地元勢が控えていればこうなることはなかっただけに、やはり最終ホームで7香川、8福島とはぐれたことが痛恨だった。
レース内容だけ見ると、9浅井がさすがの地力を見せた、という感じ。しかし9浅井にとっても決して楽なレースではなかったし、全体を見てもそれぞれのラインに思惑があり、なかなかに深いレースだったと言える。皆さんも、レース結果だけを見て判断するのではなく、初手からレースを観察することで、競輪をより深く知り、楽しんでみてはいかがだろうか。
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