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第36回共同通信社杯特集~その歴史を探る

G2・共同通信社杯

9月18日(金)~9月21日(月)の4日間、伊東温泉競輪場で第36回共同通信社杯が行われる。今回は共同通信社杯特集の一環として、1988年から行われてきた本開催の歴史を探ることとしよう。

共同通信社杯、その複雑な歴史

1988年に第1回が行われた共同通信社杯は、今年で第36回を迎える。ここで勘の良い読者の皆様なら、すぐに違和感に気付くだろう。

「1988年に第1回が行われて年1回の開催なら、今年は第33回なのではないか?」

その通り、年1回の開催であれば、今年で33年目となるはずである。しかしこの共同通信社杯という開催は、一言では語りつくせない複雑なバックグラウンドを持っているのである。

黎明期:1988年~1994年

共同通信社杯の歴史は、日本の競輪発祥40周年を記念して開催された、1988年10月18日の平塚競輪場における一発勝負の競走「ルビーカップ」に端を発する。このレースは、北日本、関東、南関東、中部、近畿、中国、四国、九州の8地区から代表選手が一人ずつと、「ワイルドカード」枠としてもう一人を加えた9名によって争われる単発競走だった。第2回以降は共同通信社提供のトロフィーをかけて開催されるようになり、大会名も「共同通信社杯ルビーカップレース」と改められた。以来第6回大会まで、毎年10月中旬に一発勝負の競走として開催された。

しかし、各地区代表の対抗戦は全日本選抜競輪ですでに開催されていた他、選手からラインが組みにくいと不評も出た。そこで、1994年の第7回大会は単発競走ではなく、大垣競輪場で開催された第10回全日本選抜競輪4日目にシードレース(全員が準決勝戦に勝ち上がれる二次予選特別選抜戦。一次予選特別選抜戦3個レースの各上位3人ずつ9人による)として行われた。

トライアルレース期:1996年~2008年

名古屋競輪場で開催された1996年の第8回大会からは、それまでの一発勝負の方式から、4日制トーナメントによる準特別競輪(現在のG2)相当の競走となった。この年、現在の共同通信社杯の概形が出来上がったと言える。

さらに日本選手権競輪出場選考順位を決めるダービートライアル(※注)の廃止に伴い、その開催時期に相当する1月下旬に開催されるようになり、ダービートライアルの代わりにダービー(日本選手権競輪)の前哨戦という位置づけがされた。また、2001年度からは開催時期が10月に変更され、ダービーではなく競輪祭のトライアルレースとなった。

ダービートライアル…1974年~1995年まで行われていた、日本選手権競輪の出場権をかけた開催。

年2回開催期:2009年~2011年

2009年には、前年度限りで廃止されたふるさとダービー(※注)に変わる競走として4月、10月の年2回開催となった。新たに創設された4月開催は「共同通信社杯春一番」、従来の10月開催は「共同通信社杯秋本番」の名称が与えられた。

なお、「共同通信社杯春一番」では、従来になかったシステムが取られた。

・出場選考における若手選手(2009年度は86期 – 93期)の優遇
・スポンサー推薦出場枠の新設
・初日特選レースの廃止(初日の番組構成は選考順位順の自動編成)

現在、共同通信社杯は「若手の登竜門」的な開催として位置づけられているが、その形が確立されたのはこの年だったというわけだ。また、初日特選(シード番組)の廃止は画期的な施策であり、現在でもG2以上のビッグレースで初日特選競走が無いのは共同通信社杯だけである(単発競走は除く)。

※ふるさとダービー…1989年~2008年まで行われていたG2競走。地方の競輪場の活性化を目的に始められたが、売り上げ減により廃止された。

現在に至る:2012年~

しかし、G2以上における出場選手のマンネリ化の防止・開催日程の過密化抑制を目的として、年2回開催制はわずか3年で廃止されることとなり、2012年からは年1回の開催に戻った。その後、2016年に開催時期が4月から9月に移行となり、現在に至る。

なお、年1回化した現在においても「春一番」のシステムを引き継ぎ、シード番組である初日特選は設けられておらず、勝ち上がりは自動番組編成としている。すなわち、S級S班の選手であろうが一次予選で大敗すれば即敗退というトーナメントであり、より緊張感が増す勝ち上がり方式となっている。

2012年以降の優勝者

年1回開催に戻った、2012年以降の優勝者は以下の通り。

開催競輪場優勝者
2012名古屋競輪場渡邉一成(福島)
2013福井競輪場長塚智広(茨城)
2014伊東温泉競輪場新田祐大(福島)
2015防府競輪場神山雄一郎(栃木)
2016富山競輪場竹内雄作(岐阜)
2017武雄競輪場諸橋愛(新潟)
2018高知競輪場平原康多(埼玉)
2019松阪競輪場郡司浩平(神奈川)

伊東温泉競輪場での開催は6年ぶり2度目となる。

まとめ

今回は、共同通信社杯の歴史についてご紹介した。ここまで幾多の変遷を経てきた開催は、他に類を見ないと言って良い。特に、同一名称の開催が1年に2回あると言うのはかなり奇妙であり、当時の競輪界の試行錯誤が伺える。

次回は、共同通信社杯の出場選手・勝ち上がり方式を詳しくご紹介する予定。

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