廃止されたレース一覧
競輪界も最初から現在のレース体系だったわけではなく、時代の変化に対応してその姿を様々に変えてきた。その中で、廃止されてしまったレースも一定数存在する。今回は、そんな「廃止されたグレードレース」について振り返る。
廃止された主なグレードレース
開催名 | グレード | 廃止年 |
全国都道府県選抜 | G1(相当) | 1969年 |
秩父宮妃賜杯競輪 | G1(相当) | 1970年 |
全日本新人王戦 | G1(相当) | 2000年 |
ふるさとダービー | G2 | 2008年 |
SSカップみのり | G1 | 2010年 |
SSシリーズ風光る | G1 | 2011年 |
東西王座戦 | G2 | 2012年 |
国際自転車トラック競技支援競輪 | G3 | 2021年 |
今回は、この中から一部レースを抜粋して紹介する。
全日本新人王戦
1963年~2000年まで行われていた開催。デビュー3年未満の選手を対象に、競輪祭期間に重複して行われていた。第5回(新人王戦としては第1回)優勝の高原永伍以降、藤巻昇、中野浩一、俵信之、鈴木誠、神山雄一郎、太田真一など、幾多のスター選手を輩出した。
2001年の競輪制度改革・グレード制導入に伴い、その役目は年末のヤンググランプリに引き継がれることとなり、2000年の開催を最後に廃止された。
ふるさとダービー
地方都市にある競輪場の活性化を図り、1989年から開催されていたG2。
毎年4月、6月、8月(末期は4月、8月、10月)に開催され、各地の競輪場で一流選手がしのぎを削った。しかし、2000年代に入ると売上が低迷する一方、特別競輪としての開催費用が増加することが問題視され、2008年のふるさとダービー広島を最後に廃止された。
SSカップみのり
S級S班が18名だった時期(2008年~2010年)に開催されていた、単発のG1。毎年、グランプリの前日である12月29日に開催され、その年のグランプリに出場しない残りのS級S班9名によって争われた。
2011年よりS級S班が9名となったことにより、わずか3年で打ち切りとなった。
SSシリーズ風光る
上述の「SSカップみのり」と共に創設された、S級S班によるトーナメント開催。毎年5月の大型連休に行われ、S級S班18名が初日、2日目の1走目を戦い、上位4着と5着1名が最終日の決勝に勝ち進んだ。
こちらも2011年よりS級S班が9名となったことにより、3年で廃止となった。
東西王座戦
2002年~2012年、毎年2月に開催されていたG2。2006年までは東日本と西日本で別の競輪場で開催されたが、2007年からは1場での同時開催に変更されている。
かつては高松宮記念杯競輪の勝ち上がりの一環(準決勝)として行われていたが、2001年のグレード制導入の際にG2戦として独立した。独立後も高松宮記念杯のトライアル競走として機能しており、各開催で準決勝に進んだ54名(東西27名ずつ)には、高松宮記念杯の優先出場権が与えられていた。
2012年度の特別競輪開催見直しで、「G2以上の開催日程の過密化・出場選手のマンネリ化」「高松宮記念杯も東西対抗を趣旨としており、コンセプトがほぼ同じ」などの理由から廃止が決定された。
まとめ
2012年度の開催見直し以前は、GP・G1・G2開催が単発を除いても12回行われており、ほぼ毎月、場合によっては一月に2回ビッグレースが行われている状態だった。現在は計10回に削減されており、その上共同通信社杯の出場選手見直し・ウィナーズカップの新設で、出場選手の多様化も進められている。その過程には、幾多の開催の変遷があったことを覚えておきたい。
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