7車立ての記念開催
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、G2以上を除くすべての競輪開催が7車立てとなってから1カ月。7車立てとなり、競輪はどう変わったのか?今回は、特に大きな変更があった記念開催(G3)について、様々な観点から考察を行ってみよう。
先日行われた富山記念決勝の模様はこちら⇒
記念開催の変更点
改めて、記念開催の変更点をおさらいしておこう。
・4日間開催は変わらないが、9車立て12レース制が7車立て9レース制に変更。また、最終日に行われていた全国斡旋の「ブロックセブン」の休止。
・勝ち上がりが予選2日間のポイント制に変更。初日、2日目と予選を2走行い、ポイント上位21名が3日目の準決勝に進出する。ポイント表は以下の通り。
種目/成績 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 | 7着 | 棄権 |
初日特選競走 | 7点 | 6点 | 5点 | 4点 | 3点 | 3点 | 3点 | 2点 |
予選1走目 | 4点 | 3点 | 2点 | 1点 | 1点 | 1点 | 1点 | 0点 |
予選2走目 | 7点 | 5点 | 4点 | 3点 | 2点 | 2点 | 2点 | 1点 |
なお、今回は7月~8月にかけて行われた小松島、弥彦、福井、富山各場の記念開催、合計144レースを対象に調査を行った。
記念開催の決まり手
まずは、1着および2着の決まり手の傾向を探る。4開催、144レースの決まり手は以下の通り。
1着 | 決まり手回数 | 割合 |
逃げ | 24回 | 16.67% |
捲り | 48回 | 33.33% |
差し | 71回 | 49.31% |
マーク | 1回 | 0.61% |
2着 | 決まり手回数 | 割合 |
逃げ | 41回 | 28.47% |
捲り | 26回 | 18.06% |
差し | 31回 | 21.53% |
マーク | 46回 | 31.94% |
1着の決まり手は、逃げ:捲り:差しの割合がきれいに1:2:3に分かれるという珍しい現象が発生した。最大の特徴は、捲りの割合が33%とかなり高くなっていること。7車立てになると、後方に置かれても6番手の位置が取れるため、余計な位置取りなどで脚力を消耗せず、力通りの捲りが打てるため、このような数字となったのではないか。
2着の決まり手は、自力の逃げ・捲りと、追い込みの差し・マークを合わせた割合がほぼ1:1となっており、比較的自力選手が残りやすくなっていることが分かる。7車になると位置取りがすんなり決まり、レース展開がスローになりやすいため、S級戦でも自力選手が残りやすくなるのだろう。
なお、競輪場ごとの決まり手は以下の通り。
小松島 | 1着回数 | 割合 | 2着回数 | 割合 |
逃げ | 3回 | 8.33% | 14回 | 38.89% |
捲り | 15回 | 41.67% | 4回 | 11.11% |
差し | 18回 | 50.00% | 7回 | 19.44% |
マーク | 0回 | 0% | 11回 | 30.56% |
弥彦 | 1着回数 | 割合 | 2着回数 | 割合 |
逃げ | 7回 | 19.44% | 12回 | 33.33% |
捲り | 8回 | 22.22% | 5回 | 13.89% |
差し | 21回 | 58.33% | 10回 | 27.78% |
マーク | 0回 | 0% | 9回 | 25.00% |
福井 | 1着回数 | 割合 | 2着回数 | 割合 |
逃げ | 9回 | 25.00% | 9回 | 25.00% |
捲り | 10回 | 27.78% | 7回 | 19.44% |
差し | 16回 | 44.44% | 7回 | 19.44% |
マーク | 1回 | 2.78% | 13回 | 36.11% |
富山 | 1着回数 | 割合 | 2着回数 | 割合 |
逃げ | 5回 | 13.89% | 6回 | 16.67% |
捲り | 15回 | 41.67% | 10回 | 27.78% |
差し | 16回 | 44.44% | 7回 | 19.44% |
マーク | 0回 | 0% | 13回 | 36.11% |
全国でも有数の直線距離を誇る弥彦では差しの決まり手が4場中トップだった一方で、2着には逃げた選手がよく残っている。逆に、333mバンクで逃げ有利なはずの富山では、捲り・差しに対し逃げの決まり手の割合が低くなっている。逃げ有利の心理が選手に働き、仕掛けが早くなって逆に捲りを誘発した可能性もある。
記念開催の平均配当
続いては、記念開催の平均配当に移ろう。今回は、2車単および3連単の平均配当について調査を行った。
7車立てとなり、全体平均配当は2車単が2,058円、3連単が11,477円と、9車立ての時と比べてかなり下落している。特に3連単の平均配当の下落が顕著。的中確率が1/504⇒1/210と2.4倍になった一方で、平均配当は33,000円⇒11,477円と、ほぼ1/3に低下している。
また、競輪場ごとの平均配当は以下の通り。
小松島 | 弥彦 | 福井 | 富山 | |
2車単 | 1,613円 | 1,846円 | 2,186円 | 2,586円 |
3連単 | 9,043円 | 7,859円 | 13,415円 | 15,590円 |
前述の通り直線が長く、もつれが大きくなりやすい弥彦の3連単平均配当が4場中最低という結果になった。
実は、記念開催以外のF1・F2戦では平均配当が2万円以上となる開催もあり、記念開催(特に小松島、弥彦)の平均配当はかなり低い傾向にある。なぜか?その理由は、各場の日別の平均配当を見れば明らかとなる。
2車単 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 |
小松島 | 635円 | 518円 | 2,040円 | 3,260円 |
弥彦 | 1,210円 | 2,665円 | 2,054円 | 1,454円 |
福井 | 1,311円 | 1,070円 | 3,885円 | 2,477円 |
富山 | 1,078円 | 2,372円 | 2,407円 | 4,487円 |
3連単 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 |
小松島 | 4,294円 | 3,731円 | 7,515円 | 20,631円 |
弥彦 | 4,795円 | 11,033円 | 9,821円 | 5,788円 |
福井 | 9,383円 | 3,045円 | 27,541円 | 13,690円 |
富山 | 5,764円 | 11,222円 | 13,953円 | 31,523円 |
ご覧の通り、1日目、2日目の平均配当が3日目、4日目と比べて極端に低くなっている。また、平均だけ見ると配当が高めになっている弥彦2日目も、2Rに3連単7万円台の高配当が出たのに引っ張られているだけであり、後半レースは3連単でも3桁配当が並んでいた。
その理由は、1日目・2日目に予選が行われるからである。予選は、実力上位の選手と下位の選手が同時に走るため、実力差がはっきりしている。さらに、2日目になると初日に特選競走を走った最強クラスの選手も予選に参加することになる。そのため、極端に言えばS級S班の選手とS級2班の選手が対戦するカードが組まれることになり、2車単100円台、200円台のガチガチの大本命車券が現れることになるというわけだ。
一方、3日目以降は勝ち上がった実力上位の選手と、敗退した実力下位の選手が分かれるため、実力差が一気に縮まり混戦となる。これが、2日目までと3日目からの平均配当の差が現れるカラクリである。
まとめ
7車立て記念開催の傾向をまとめると、以下の通りとなる。
・レース展開はシンプル。後方に置かれても6番手が取れるため、余計な位置取りがなく、自力選手が脚を消耗せずに実力を発揮できる。そのため、逃げ・捲りの決まり手が増える傾向にある。
・一方で、番手選手も競りかけられることなくすんなり番手を回れるため、ゴール前で差し切る場面が減るわけではない。
・平均配当は安め。特に、2日目後半レースの穴狙いは愚の骨頂と言っても良いレベルの堅さ。本命線で勝負したいなら1日目・2日目、中穴以上を狙いたいなら3日目以降。
まだ記念開催が行われて4場所しか経過していないため、今後傾向が変化する可能性はあるが、今回紹介したデータを参考にして、今月以降の記念開催を楽しんで買っていただきたい。
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