競輪予想情報

名古屋オールスター競輪を終えて~若手のアピールが目立ったオールスター。久しぶりの9車立て決勝戦。

名古屋競輪場で行われた第63回オールスター競輪は、ラインの結束力を活かした松浦悠士(広島)の優勝で幕を閉じた。今回は、決勝戦の結果と開催全体の振り返りをお伝えする。

オールスター競輪決勝戦結果詳報

締め切り直前、2車単の1番人気は⑦脇本①古性で2.7倍、3連単の1番人気は⑦脇本①古性③松浦で8.0倍となった。

初手は⑤山田⑧内藤⑦脇本①古性④守澤⑨原田③松浦⑥柏野―②諸橋。残り2周半から⑨原田が動き、⑦脇本は後方へ車を引く。3番手以降が大きく離れるが、打鐘手前で⑨原田が仕掛けて先行。⑦脇本は呼応して上昇し、一気に⑨原田へ襲い掛かる。最終バックでは⑦脇本と、番手から捲った③松浦の壮絶な踏み合い。3コーナーで⑦脇本が前へ出かけるが、直線は③松浦が内から抜き返して優勝のゴールを飾った。⑦脇本が2着、①古性が3着。2車単はで1,940円、3連単はで6,210円。

決勝戦回顧

有力選手が次々と敗れ去る波乱の大会を象徴するように、最終バックからは本当の実力を持った選手のみが生き残る、サバイバルレースの様相を呈した決勝戦となった。

初手は山田がスタートを切ったもの、脇本が中団で原田が後方という位置取りは、大方の予想と変わらず。とにかく原田は脇本に先に行かせないことのみを考え、残り2周半から上昇し脇本を抑えた。この時点で、中四国勢と脇本のマッチレースはほぼ確定。原田が打鐘で先行し、脇本が呼応して上昇するという展開も大方の予想通りとなった。

優勝した松浦の勝因は二つ。一つ目は、原田がいわゆる「機関車」としての役目をしっかり果たしたこと。決して早めに抑えて駆けるタイプではない原田が、覚悟を決めて打鐘から飛び出し、最終2コーナーまでしっかりと踏み切った。これにより、松浦が番手から仕掛けやすい態勢を作れた。

もう一つは、松浦のヨコの動きだ。松浦にあって脇本にないもの、それはヨコの動き、つまりブロックの技術である。数年前から自在選手としてヨコの動きを磨いてきた松浦に対し、脇本はデビューから今まで自力一本。全くと言っていいほどヨコの動きは身に付いていない。ここが勝敗を分けたポイントだろう。最終2センター、そして4コーナーと、松浦の強烈なブロックが2発。これが決め手となり、直線で松浦は脇本を差し返せた。

一方で、2着に敗れた脇本の敗因は全てが松浦の逆。すなわち、「ラインの結束力」と「ヨコの動き」に敗れたということだ。中四国勢の2段駆けを乗り切って一旦は完全に前へ出たものの、わずかに内で粘っていた松浦に抜群のブロックを貰い最後は差し返された。また、よく見ると打鐘過ぎ4コーナーで内藤のブロックも受けており、ここで脚力を若干ながら奪われた。

しかしこれは脇本個人の力負けではなく、「中四国勢の連携VS脇本」という構図に負けたということでもある。裏を返せば、中四国勢はラインの連携がなければ、ここまで脇本を苦しめることが出来なかったかもしれない―いや、出来なかっただろう。現に、初日ドリームレースは清水裕友が簡単に叩き潰されている。2対1では敗戦を喫したが、個人戦なら敵はいない。今開催も、脇本の強さが存分に光った大会であったことは間違いない。

3着の古性は、最終バックで中四国3番手の柏野を捌く番手の仕事もこなしながら、脇本のマークを守る好内容だった。松浦と脇本が踏み合ったことで、直線は古性にもチャンスが生まれたかに思われたが、そこはタイトルホルダーとの力の差が出た印象。タイトルを奪取するには、もう一段のレベルアップが必要だろう。別線の山田はほぼノーチャンスの内容で、勝負の蚊帳の外に終わった。

世界仕様の「ケイリン」で襲い掛かった脇本を、日本の「競輪」で破った松浦。極限のスピード化が進む現代の競輪において、改めて「ラインの結束力」と「ヨコの動き」という、古くから伝わる競輪の技術が勝ったことは、単純に自転車を漕ぐのが速いだけでは勝てない競輪の奥深さを感じられる結果であった。

なお、前日に公開した展望の結果は見事に裏目。松浦の強さを過小評価していたことは、読者の皆様にも謝罪しなければならないだろう。

引用元: tokyosportsmovie

第63回オールスター競輪総評

1カ月ぶりの9車立て、しかも(ほぼ)無観客と言う異例尽くしの開催となった今年のオールスター。初日の1レースからいきなり6人が落車するという大波乱に見舞われ、どうなることかと思われたが、終わってみれば松浦悠士、脇本雄太という現在の競輪界を引っ張る2トップのワンツーで幕を閉じた。

しかしながら、決勝までにS級S班が7人脱落するという結果もあり、一筋縄ではいかない大会だった、と言うのも正直な感想である。

そして今大会は107期以降の若手選手も多く参戦しており、それらの選手のアピールの場としての役目も十分に果たしていた。特に117期の寺崎浩平、109期の島川将貴のレースぶりは鮮烈であり、この開催をきっかけに一段と飛躍することは必至だろう。また、二次予選までに敗れ去った選手も2日目以降の敗者戦で活発的に動いており、全国に名を知らしめる良い機会となったのではないか。着々と世代交代の下地形成が進み、競輪界の中心が90期台後半、そして100期台へと変わっていく気配が醸成されていくのを感じた。

なお、最終日の売り上げは約32億9500万円、オールスター全体での売り上げは約117億7400万円となり、目標の90億3400万円を25億円以上上回ったほか、昨年の109億1278万円と比べても前年比107%という、成功と言える結果となった。

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