伊東温泉競輪場の特徴を分析
9月18日~9月21日まで、伊東温泉競輪場でG2・第36回共同通信社杯が行われる。今回は伊東温泉競輪場の特徴、決まり手、平均配当を徹底分析していく。
なお、今開催は事前申し込みによる抽選に当選した方のみが入場できる。当日の入場・観戦はできないため、ご注意いただきたい。
伊東温泉競輪場のバンク特徴
まずは、伊東温泉競輪場のバンク特徴から。基本のバンクデータは以下の通り。
バンク周長 | 333m |
見なし直線距離 | 46.6m |
センター部路面傾斜(カント) | 34゜41´9″ |
ホーム幅員 | 11.0m |
バック幅員 | 9.3m |
センター幅員 | 7.8m |
333mバンクだが、直線は前橋競輪場(46.7m)とほぼ同じで、7場中2番目に長い。カントも前橋、小田原に続いて全国で3番目に深い。
このため、逃げが特段有利ということはなく、むしろ長めの直線を活かして捲り・差しがよく効くバンクになっている。特に、カントが立っている分2センター付近から惰力を付けての捲り追い込みがよく届く。
逆に、1コーナーや3コーナーからの捲りは急な上り坂を駆け上ることになるためスピードが殺され、効きにくい。すなわち、最終バック以降は「中団からの捲り追い込みはよく効くが、後方に置かれると全く届かない」。捲りを主戦とする選手は中団を確保するか、後方からの捲りであれば最終バックまでにきれいに前に出ておきたい。
伊東温泉競輪場の決まり手
続いては、伊東温泉競輪場の決まり手を見る。今回の調査対象は、2020年1月~9月に行われたレースで、S級戦90レース、A級戦138レースの計228レース。
まずは、全228レースの決まり手。
1着 | 割合 | 2着 | 割合 | |
逃げ | 43回 | 18.86% | 32回 | 14.04% |
捲り | 92回 | 40.35% | 46回 | 20.18% |
差し | 93回 | 40.79% | 67回 | 29.39% |
マーク | 0回 | 0.00% | 83回 | 36.40% |
続いて、S級戦90レースの決まり手。
1着 | 割合 | 2着 | 割合 | |
逃げ | 15回 | 16.67% | 13回 | 14.44% |
捲り | 28回 | 31.11% | 23回 | 25.56% |
差し | 47回 | 52.22% | 26回 | 28.89% |
マーク | 0回 | 0.00% | 28回 | 31.11% |
S級戦になると差しが効きやすくなるのはいつものこと。全体で見ると、捲りと差しの決まり手がほぼ同じ割合で推移する。逃げの決まり手は333バンクにしては低めだ。
基本は先手ライン~中団からの遅めの捲り追い込みで決着しやすい。直線が長い分、中団からの捲りでもライン決着も十分多く、先手ラインといえども油断はできない。また、後ろからスピードを付けて差し込める分、3番手の選手にもチャンスが生まれてくる。
伊東温泉競輪場の平均配当
続いて、伊東温泉競輪場の平均配当に触れる。今回も例によって、対象は2車単と3連単のみとする。
まずは、全体の平均配当から。
3連単 | 2車単 | |
最高配当 | 446,410円 | 73,290円 |
最低配当 | 260円 | 130円 |
1日ごとの最高平均配当 | 116,364円 | 18,496円 |
1日ごとの最低平均配当 | 3,086円 | 562円 |
全体平均配当 | 24,410円 | 3,910円 |
万車券出現数 | 109レース | 22レース |
万車券率 | 47.80% | 9.64% |
続いて、S級戦の平均配当。
3連単 | 2車単 | |
最高配当 | 376,900円 | 26,820円 |
最低配当 | 430円 | 190円 |
1日ごとの最高平均配当 | 97,066円 | 8,200円 |
1日ごとの最低平均配当 | 5,542円 | 814円 |
全体平均配当 | 22,968円 | 3,747円 |
万車券出現数 | 45レース | 9レース |
万車券率 | 50.00% | 10.00% |
万車券率自体はこれまで特集した競輪場の中でも高い方に入るが、平均配当は2万3千円~2万4千円台と、そこまで高くはない。万車券は出ることには出るが、1万円~2万円台の配当が多く、また10万円級の超高配当が出ても、他の日の平穏な決着(1万円台が1本など)に薄められている印象だ。
特にS級戦は万車券はよく出るが、その一方で1000円台~3000円台の堅い決着も目立つ。この傾向が、実力が拮抗するG2に舞台を変えてどこまで変化するか。万車券自体は増加しそうだが、どの程度の配当が出るかは不透明だ。
伊東温泉競輪場で勝負するにあたって
ここからは、筆者が実際に伊東温泉競輪場のレースを観戦して感じたことを記していく。車券購入の一助にしていただければ幸いである。
・日本で最も333バンクらしくない333バンク。極端な逃げ有利など一切なく、遅めの捲り追い込みも余裕で届く。残り半周でどれだけタテ脚を使えるかで勝負が決まる。
・有利なのは先手ラインの番手と捲り追い込む4番手の選手。位置取りの重要性は他の333バンクと変わらない。
・勝負所で前の選手に離れると、1コーナーや3コーナーで急激な坂のあおりを食らい、ますます追いつくのが困難になる。ダッシュ力が強い選手の番手は注意が必要。
まとめ
今回は伊東温泉競輪場の特徴を紹介した。改めて傾向をまとめると以下の通り。
・333バンクだが、逃げが有利ということはなく、むしろ追い込みタイプの選手が有利。中団からの捲り追い込みも直線だけで十分届く。
・平均配当はそこまで高くない。どちらかというとラインが微妙に崩れて中穴以上の配当が出やすい傾向にある。
・勝負権があるのは中団までの選手。位置取りの重要性は他の333mバンクと変わらない。
ただし、今回は若手選手が多く参加する共同通信社杯。展開が激しくなり、傾向がガラリと変わる可能性もある(自力選手が先行争いを長く続けた結果、後方からの捲りがまとめて前を捕らえてしまう、など)。紹介したデータは、あくまで一つの傾向として捉えていただきたい。
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競輪歴15年(みんなの競輪チーム 所属)
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