競輪はラインで見るべし
競輪を初めて見た初心者は、レースが終わった後に押しなべてこう言う。
「ラスト1周くらいは速くて凄かったけど、初めの方は何やってたのか全然わからん」
普通の自転車レースを想像していた初心者からすれば、一列に並んでゆっくり回るレースの前半は全く持って意味不明だろう。
レースの前半がゆっくり進むのには、2つの理由がある。1つは、先頭の誘導員を使って向かってくる風を避け、体力を温存するため。
そしてもう1つが、今回の記事の主役である「ライン」を組むためである。
ラインという概念
競輪を解説する上で、「ライン」の説明は複雑だが避けては通れない。
一般的に選手は、2人~5人でチーム(のようなもの)を組み、レースに挑む。このチームがレース中、一本の線のように連なるので、「ライン」と呼ばれる。
選手がなぜ「ライン」を組むのか、そして「ライン」を組んでどのように戦うかは、後編で詳しく説明するとして、前編では選手がどうやってラインを組むかを説明しよう。
ラインはどのように作られる?
選手は各都道府県の「競輪選手会」に所属しており、同じ都道府県の選手は練習や遠征を共にするケースが多い。
一方、ラインはレースをする際に組み上げる共同戦線であるため、互いの走り方を知っているに越したことはない。
従って、ラインを組む際も、できるだけ気心の知れた同県の仲間と組みたいと思うのが選手の常であり、レースに同県の選手がいれば当然タッグを組む。
しかし、必ずしも同県の選手とラインが組めるわけではない。そういった場合はどうするのか?
競輪における特殊な地域構成を覚えよう
同県の仲間がいない場合は仕方がないので、できるだけ近い地域の選手とラインを組むことになる。
ここで重要になるのが、地域構成である。
競輪においては、日本は「北日本」「関東」「南関東」「中部」「近畿」「中国」「四国」「九州」の8つの地域に分けられる。
それぞれの地域の都道府県構成は以下の通りである。
北日本:北海道、青森、秋田、岩手、宮城、山形、福島
関東:茨城、群馬、栃木、埼玉、東京、新潟、長野、山梨
南関東:千葉、神奈川、静岡
中部:石川、富山、岐阜、愛知、三重
近畿:福井、滋賀、京都、奈良、大阪、和歌山、兵庫
中国:岡山、広島、山口、鳥取、島根
四国:香川、徳島、愛媛、高知
九州:長崎、佐賀、福岡、大分、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄
長野が関東だったり、福井が近畿だったりと若干の違和感を覚える構成かもしれないが、そこは目をつぶってこの地域分けを覚えてもらいたい。
例えば、大阪の選手は他に同じ大阪の選手がいなければ、近畿の選手とラインを組む。近畿の選手もいなければ、中部の選手と組む。中部の選手すらいなければ、
仕方がないので中国・四国と組む…といった具合である。
ラインの種類と「結束度」の強さ
ここで話題に上るのが、ラインの「結束度」である。
当然、同じ都道府県の仲間であれば、一緒に良い着を取りたいと思うだろう。そうなれば、ラインでの決着を重視したレースをする可能性が高い。
一方で、全く別の地区の選手同士がラインを組めば、「赤の他人のために自分を犠牲にしてまで…」という考えが働くかもしれない。その場合は、自分が勝つことを重視したレースになる
(…可能性がある。中には『せっかく見ず知らずの俺についてくれたのだからラインで決めて恩に報いよう』という男気溢れる選手ももちろん存在する)。
ラインの種類と「結束度」の強さをまとめると、以下の通りになる。
同じ都道府県でも、埼玉や東京など複数競輪場が存在する場所があり、その場合は同じ競輪場を練習拠点にしている選手同士のラインの方が結束度は強くなる。
特殊なパターン
これ以外にも、特殊なパターンが3つ存在する。
一つ目は、「競輪学校(現競輪選手養成所)の同期とラインを組む」場合。1年間学校で苦楽を共にした同期であれば、同県の選手以上に気心が知れている場合もあるだろう。
その時は、全くの別地区でも同期同士でラインを組むことがある。
二つ目は、「冬季移動先の選手とラインを組む」場合。北日本、特に北海道や青森を拠点としている選手は、冬になると雪の影響で全く練習ができなくなるため、その間だけ別の地域に拠点を移すことになる。
そんな選手が移動先の選手とレースで同乗した場合は、ラインを組むことがある。
三つ目は、究極の選択である「ラインを組まない」場合。一人だけ地区も違えば顔見知りもいない場合は、仕方がないので「単騎」でレースをすることになる。
当然、守ってくれる選手がいないためレースでは不利になる。しかし、他のライン同士で展開が崩れると豪快に突き抜ける場面もあり、中には単騎戦を好んで戦う選手も存在する。
まとめ
まとめると、選手はなるべく顔の知れた選手とラインを組んで走る、ということである。それが同郷の選手なのか、同級生なのかは出走表を見て判断してもらいたい。
競輪の予想をする際は、選手の強さだけでなくラインの強さ、そして「結束度」を意識しながら考えると面白さ、そして的中率も倍増するだろう。
また、こちらの動画でもラインについて、コミカルに説明されているので是非ご参照いただきたい。
「競輪の『ライン』とは何か?」後編はこちら!
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