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【コラム】またも繰り返された事故の連鎖…責任はどこにあるのか

【コラム】またも繰り返された事故の連鎖…責任はどこにあるのか

先日行われた「第73回高松宮記念杯競輪G1」は、地元・古性優作の優勝で幕を閉じた。しかしその一方で、3日目は準決勝を中心に落車・失格が多発した。今回は、昨年に続き事故が頻発した高松宮記念杯競輪を振り返る。

昨年の記事はこちら

高松宮記念杯競輪3日目の事故一覧

1R村上義弘落車棄権
金子幸央落車棄権
坂口晃輔失格(押圧)
5R岩本俊介事故入(9着)
8R稲川翔失格(押圧)
10R石原颯落車棄権
野田源一落車棄権
東口善朋失格(過失走行)
11R雨谷一樹落再入(5着)
宿口陽一落車棄権
神山拓弥落車棄権
平原康多落車棄権
渡部幸訓失格(押圧)
12R浅井康太落再入(7着)
谷口遼平落車棄権
山田英明落車棄権

なんと、1日で6R、合計16名の選手が事故に絡む結果となった。これに伴い、最終日の一般戦は3名の補充選手を含め、1Rが5車、2Rが6車で行われることとなった。

5車立て・6車立てをG1で開催することや、落車・失格が及ぼす影響については、昨年の記事の繰り返しになるためここでは触れない。今年は、相次いだ事故の遠因と言われているトーナメント方式について考察する。

事故の遠因は2着条件の準決勝?

高松宮記念杯競輪は、「東西対決戦」をテーマとして、近年幾度となく勝ち上がり方式の変更が行われている。2017年には、第52回大会(2001年)までに使用されていた、「準決勝まで東西の選手が分かれる」勝ち上がり方式へと変更。翌2018年に現在の、準決勝が2着条件となる方式に再変更された。

ファンの間では、この「2着条件の準決勝」が相次ぐ事故の原因ではないかと言われている。通常3着までの勝ち上がりだったものがより厳しくなったことで、勝負所で別線に切り込んだり、狭いコースを割ろうとしたりという走りが増え、結果として事故が多発する…というものだ。

しかし、変更されてから2020年までの3年間は、準決勝で全くと言っていいほど事故は起きなかった(蛇行が1件)。それがなぜ、昨年、今年と事故が相次ぐ結果となったのか。理由は定かではないが、2019年のルール改正や、近年のスピード化に伴うヨコの動きの縮小も一因にあることは否めないだろう。

ただでさえレーススピードが速く、ヨコの動きや別線への切り込みにはかなりの技術が必要なG1開催。ある程度の事故は仕方ないとはいえ、ここまで連続すると、事故に関わった選手の技量を疑問視せざるを得ない。このクラスで好勝負を展開するには、脚力だけではカバーできない技術が必要となってくるだけに、選手には改めて最低限の仕事が出来るだけの「ヨコの技術」は身に着けてもらいたい。

勝ち上がり方式の問題点

とは言うものの、この東西対抗勝ち上がり方式の弊害は、「準決勝2着条件」以外にも無視できない問題もある。

それが、準決勝までの対戦メンバーのマンネリ化だ。

通常、他のG1は全ての地区が対抗して争うため、同じ選手の連携が頻発することはそう多くはない。せいぜい、初日特選でワンツー→2日目優秀でも連携、というくらいだ(準決勝で分かれて勝ち上がり、決勝で3度目の連携をすることもあるが)。

しかし、今回の高松宮記念杯では、平原康多と宿口陽一が初日特別選抜予選~3日目準決勝と3日連続で連携した(特別選抜予選、青龍賞は平原が前、準決勝は宿口が前)他、2日目白虎賞~3日目準決勝では岡崎智哉―古性優作―神田紘輔の地元トリオが2日連続で連携。渡邉雄太―郡司浩平の南関コンビも2日連続で結束した。

しかも、東西別のトーナメントで争っているため、このような同一選手のラインが、同じレースを連続で走るケースも今後考えられる。もし勝ち上がり選手がどこか特定の一地区に偏り、他の地区の勝ち上がりが極端に少なくなった場合は尚更だ。

もちろん、これはルールの問題であり、番組編成を担当している部署に責任は無い。それ以前に、この東西対抗の勝ち上がり方式には、「普段ラインを組んでいる選手が、敵同士で戦う」という、普段は見られない魅力も含まれている。

それだけに、その魅力を活かせるような方式を今後も考案してもらいたいというのが、正直な願いである。これまでにも何度か方式を変更してきたが、改良の余地があるのではないか。ファンには、昨年~今年の状況を踏まえ、忌憚のない意見を発信してもらいたい。

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競輪歴15年(みんなの競輪チーム 所属)

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