寺内大吉記念杯競輪とは?
「寺内大吉記念杯競輪」とは、毎年12月28日~30日に、KEIRINグランプリシリーズのアンダーカード(いわゆる「前座」)として行われるオールS級シリーズ開催。競輪評論家・エッセイストとしても活躍した作家・寺内大吉(1921-2008)氏の功績を讃え、2008年より開催されている。
通常F1戦はS級戦とA級戦のダブルトーナメントで開催されるが、この寺内大吉記念杯はオールS級戦。出走メンバーも初日特選は、S級S班がいないことを除けば記念級の強豪揃いとなる。
グランプリアンダーカードの歴史
寺内大吉記念杯の前身ともいえる開催は、1990年~2004年にグランプリが立川競輪場で行われる際に開催されていた「阿佐田哲也杯」。麻雀小説等で一時代を築いた作家・阿佐田哲也(1929-1989)氏を讃えて創設された開催で、当時はS級・A級での開催だった。なお、京王閣競輪場で開催される際は「イレブンシティカップ」、平塚競輪場で開催される際は「湘南ローズカップ」の名称で開催されていた。
その後数年の空白(2006年京王閣は「平野末吉杯」、2007年立川は「イーバンクチャンピオンシップ」の名称で開催)を経て、2008年より現在の寺内大吉記念杯として開催されている。
過去の優勝者は以下の通り。G1覇者も名を連ねる豪華な開催となっている。
開催年 | 開催場 | 優勝者 |
2008年 | 平塚 | 阿部康雄 |
2009年 | 京王閣 | 井上剛 |
2010年 | 立川 | 北野武史 |
2011年 | 平塚 | 後閑信一 |
2012年 | 京王閣 | 勝瀬卓也 |
2013年 | 立川 | 藤田竜矢 |
2014年 | 岸和田 | 稲垣裕之 |
2015年 | 京王閣 | 山内卓也 |
2016年 | 立川 | 杉森輝大 |
2017年 | 平塚 | 松岡貴久 |
2018年 | 静岡 | 岡村潤 |
2019年 | 立川 | 稲毛健太 |
2020年 | 平塚 | 吉田拓矢 |
2021年 | 静岡 | 荒井崇博 |
2022年 | 平塚 | 松井宏佑 |
その他のアンダーカード
・1995年、阪神淡路大震災の復興支援競走として「ヤンググランプリ」が1年限りで29日に開催された。これが現在のヤンググランプリの前身となる(2001年より現在の開催として定着)。その後、1996年~2000年まではルーキーチャンピオンレースが29日に開催されていた。
・2007年にS級S班制が導入されたことにより、翌2008年からグランプリに出場しない9名による単発G1「SSカップみのり」が開催されたが、2011年よりSSが9名となることから開催意義を失い、3年で廃止となった。なお2011年には代替番組として、夏季五輪や世界選手権への出場経験を持つS級選手を中心に編成する「ナショナルチームカップ」が開催された。
今年の寺内大吉記念杯展望
浅井康太(三重)・村上博幸(京都)と2名のGP優勝経験者が出場。南修二(大阪)がそこに付いて強力ラインを形成するが、九州の次代を担う嘉永泰斗(熊本)の自在性の高さにも要注目。これまたGP覇者の井上昌己(長崎)と、2015年に寛仁親王牌を制した園田匠(福岡)がそこに加わる。
関東は小林泰正(群馬)、森田優弥(埼玉)、佐々木悠葵(群馬)と活きのいい若手が揃った。G1・G2でも好勝負ができる渡邉雄太(静岡)がさらに割って入る。
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