KEIRINグランプリ出場選手紹介
KEIRINグランプリ2020に出場する9選手を一挙紹介。第8回は、誰もが認める競輪界のスピードスター・福島90期の新田祐大を特集する。
デビューからの経歴
前史:デビュー~G1の舞台に上がるまで
高校・大学時代から多くの大会で優秀な成績を挙げ、技能試験免除で競輪学校に入学。デビューは2005年7月15日の函館競輪場(①⑦落)だった。A級時代は徹底先行を貫き1年半で6回の優勝を挙げ、2007年1月からS級に昇級する。
S級でもすぐにレースの流れに順応し、各地で勝ち星を量産。昇級から半年後の6月豊橋でS級初優勝を挙げる。その後も怒涛の活躍を見せ、2007年、2008年はS級で通算優勝9回。この間にG1初勝利(2008年競輪祭)、G1初決勝進出(2008年前橋寛仁親王牌、7着)、2度のヤンググランプリ出場(2007年5着、2008年2着)と着実に実績を積み上げ、デビュー3年目にして早くも競輪界トップクラスの実力を示した。
S級S班の座へ、G1初優勝は単発レース
2010年には大津高松宮記念杯(8着)、前橋寛仁親王牌(8着)、競輪祭(2着)と3度のG1決勝進出を果たし、獲得賞金上位でS級S班に選出される。この年はグランプリ出場こそならなかったものの、グランプリ前日に不出場組のS級S班9名によって争われるSSカップみのりを捲りで制し、G1初制覇を果たした。
その後、2013年にはG3・2回を含む8回の優勝、岸和田高松宮記念杯・京王閣オールスター準優勝、競輪祭決勝進出(4着)と1年間を通して安定した成績を残し、3年ぶりにS級S班に返り咲くと共に初のKEIRINグランプリ出場を果たした(9着)。
苦難を乗り越えて掴んだ初タイトル
上記の成績からも、いつG1タイトル(4日制以上)に手が届いてもおかしくないと目されていた新田だったが、ここで試練が襲い掛かる。2013年末のSS11騒動だ。
騒動について詳しい説明は省くが、日本競輪選手会から騒動の首謀者格と目された新田は、翌2014年5月から年内いっぱいの自粛欠場勧告が言い渡される(後に3か月に短縮)。新田はこの年伊東共同通信社杯を制していたものの、この欠場により高松宮記念杯、寛仁親王牌と2つのG1を棒に振ることに。獲得賞金でも次点となり、S級S班の座から陥落することとなった。
それでも戦列に復帰してからは強烈なスピードで1着を量産。そして迎えた2015年の京王閣日本選手権で、その時は訪れる。
最終バック6番手から捲った新田はじわじわと前に迫ると、ゴール前は平原康多、浅井康太と車体をびっしり並べてゴール。3人の着差が微差、タイヤ差という死闘を制し、念願の4日制以上G1初制覇を果たした。
説明不要のゴールデンボーイ
これを機に完全に一皮むけた新田は、同年の松戸オールスターも後続を豪快にちぎり捨て完勝。文句なしでグランプリ出場を決めた。KEIRINグランプリ2015は後方8番手から猛然と捲り上げたものの、1/2車身届かず準優勝に終わる。
2016年は名古屋高松宮記念杯を制しG1・4勝目。この年はリオデジャネイロ五輪出場を逃した年でもあったが、その悔しさを晴らすかのようにG1決勝の舞台に立ち続け、1年を通してハイレベルなレースを展開し続けた。
その後も2017年には岸和田高松宮記念杯を連覇、競輪祭を優勝。2018年は四日市全日本選抜、2019年には名古屋オールスターを制覇し、これまでに積み上げたG1タイトルは実に8つに上る。特に、2019年のオールスターは菅田壱道の先行を利し、渾身の番手捲りを放っての「ラインの勝利」だった。
今年2020年は東京五輪代表に選ばれたものの開催が延期に。心身ともに難しいシーズンとなったが、6月以降のわずか7開催で、寛仁親王牌準優勝など賞金を積み上げ、キッチリとグランプリ出場を確定させた。
34歳のシーズンを迎えたが、その圧倒的なダッシュとスピードにはさらに磨きがかかっている新田。昨年もあと一歩のところでグランプリ制覇を逃したが、これで7回目の出場だけにそろそろ…という思いは当然強いだろう。同じ東京五輪代表の脇本同様、来年に控える大舞台の前に、ここで大きな勲章を手に入れたいところだ。
新田祐大の2020年成績
通算成績:28戦15勝、2着3回、3着1回/勝率53.5%、連対率64.2%
決まり手:逃げ4・捲り11・差し3・マーク0
優勝:青森記念
G1成績:全日本選抜不出走、高松宮記念杯❹❹①❽、オールスター❹❶⑤①、寛仁親王牌❺❶①❷、競輪祭①①❸①❺
決勝進出回数:6回(出場節数7節、決勝進出率85.7%)
新田祐大の武器と弱点
新田の武器は言うまでもなく圧倒的なダッシュ力とスピード。10年以上に渡り世界と対等に戦ってきたその脚力は常に進化を続けており、並の選手では付いていくこともままならない。最近では北日本の若手の番手を回ることも増えているが、やはり本領は自力戦だ。
一方で、位置取りやヨコの動きと言った、日本の競輪に要求される能力はほとんど身に付いておらず、ほぼ脚力だけでここまで戦ってきたのも事実。そのせいかラインで上位独占を決めるケースは少なく、決勝戦はラインの数的不利に敗れるケースも散見される。グランプリは佐藤慎太郎・守澤太志を連れることが確実なだけに、積極的に攻めたいところだ。
過去のグランプリ成績
2019年 | 立川 | 4着 |
2018年 | 静岡 | 3着 |
2017年 | 平塚 | 3着 |
2016年 | 立川 | 失格 |
2015年 | 京王閣 | 2着 |
2013年 | 立川 | 9着 |
平塚競輪場での成績
新田の平塚競輪場過去5節の成績と、過去の成績集計はこちら。
2018年日本選手権…❽③②❽
2017年グランプリ…❸
2016年5月G3…❹①②❺
2015年5月G3…❶❶①❹
2012年8月F1…❸②❻
全成績:33戦8勝、2着9回、3着6回、優勝2回/勝率24.2%、連対率51.5%
決勝進出回数:11回(出場節数12節、決勝進出率91.6%)
勝ち星自体は多くないものの、ほぼ毎回決勝に進んでいる相性の良いバンク。そのレーススタイルの割に大崩れも少ない。
まとめ
KEIRINグランプリ2020出場選手紹介・第8回は新田祐大を紹介した。来年に控える東京五輪の前に、そろそろこの辺りでグランプリの称号を手にしておきたい所。7回目の挑戦となる今年こそ、悲願達成となるかどうか。
次回は最終回の第9回。守澤太志を紹介予定。
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