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G1「第75回日本選手権競輪」決勝戦結果&回顧

G1「第75回日本選手権競輪」 決勝戦結果

G1「第75回日本選手権競輪」は今日決勝が行われ、広島98期の松浦悠士が優勝した。松浦のG1優勝は昨年のオールスター競輪以来3回目。微差の2着には郡司浩平、更に微差の3着には佐藤慎太郎が入った。払戻金は2車単が③②で1,260円、3連単が③②⑨で3,880円

決勝戦回顧

初手は⑦清水裕友③松浦悠士⑥松岡健介⑤浅井康太⑧眞杉匠①平原康多④武藤龍生―②郡司浩平―⑨佐藤慎太郎。残り2周半で②郡司が上昇し、⑧眞杉を抑える。⑧眞杉も引かず中団が攻防になると、外併走から②郡司は追い上げて3番手に入る。そのまま⑦③②⑨の並びで直線に入り、ゴール前は③松浦が外を伸びた②郡司、内を突いた⑨佐藤をそれぞれ微差抑えて優勝を飾った。

ゴール前は競輪史に残る大接戦。微差、微差の攻防を最後に制したのは、やはり松浦悠士だった。

初手は中国勢が前、関東勢が後ろ中団、南関東北勢が後ろという形。この態勢からレースを動かしたのは初手後ろを選択した郡司浩平だった。郡司とすれば、理想は中団3番手ないし4番手をキープしての捲り追い込み。そうすると、選択肢は関東勢を出しての4番手か、中国勢を逃がしての3番手ということになる。しかし、関東勢を逃がしてしまうと、平原康多の番手捲りを乗り越えなければならず、それに失敗すると後ろから清水裕友や松浦悠士の捲りが飛んできて万事休すとなる危険性もある。対して、中国勢を出しての3番手なら松浦の真後ろから捲る形になるため、好きなタイミングで仕掛けて直線逆転を狙える。両方の可能性を天秤にかけた結果、郡司はまず後ろ中団にいる関東勢を潰して、そこから追い上げて中団をキープするという戦法を選んだ。

それに対し、早めに抑えられた関東勢の先頭・眞杉匠は、なんと5番手で郡司と位置を取り合った。ここで2車引いて一気にカマせば主導権は奪えただろうが、G1初決勝の重圧が判断力を鈍らせたか、それとも番手平原の作戦だったのか、眞杉が引くことはなかった。こうなってしまうと、ヨコに動いたことがなく、技術も未熟な眞杉を相手にした郡司の思う壺。関東勢をたっぷり抑え込んだ後、最終ホームで追い上げて逃がされた中国勢の3番手をキープ。一方の関東勢は仕掛けるタイミングを完全に逸し、この時点で優勝争いから脱落した。ここまでは、郡司の理想的なレース運びとなった。

一方、前受けから逃がされる形となった清水と松浦は、ほとんど脚は使っていないものの、真後ろ3番手に郡司に入られ厳しい形を強いられた。郡司とすれば、後ろが別地区の佐藤慎太郎なので自分の勝てるタイミングで仕掛ければ良い。それに対する松浦は、真後ろでいつ動くか分からない郡司をギリギリまで警戒しながら仕事をしなければならない。その上、郡司ばかりに気を取られると空いた内を佐藤に掬われる危険性もある。やるべきことが非常に多い立場に立たされたのが、この時の松浦だった。

しかし、その厳しい状況でも松浦は冷静に立ち回った。番手で車間を少し切りながら究極のタイミングで郡司を引き付け、4コーナーから踏み込んで郡司を振り切る態勢に入る。ゴール寸前は内の佐藤も突き抜ける勢いで迫ったが、そちらにも一発肘を入れてけん制する見事なケア。最後は意地で微差、微差の大接戦をモノにした。

今回の決勝戦、結果こそ松浦の優勝で終わったものの、2,3着の郡司、佐藤もほぼ優勝に値するレースを見せたと言って良いだろう。別線を見事な動きで翻弄し、勝利への最短ルートを開拓した郡司。ゴール前さすがの嗅覚でコースを突き、突き抜けるかに思わせた佐藤。しかし、松浦のダービーに懸ける思いと、前で奮闘した清水に応えんとする意地が、それらの強襲をわずかに上回った。それがこの大接戦の明暗を分けた、と言うことだろう。このレベルになると、ほんのわずかな差が大きな結果の違いとなって表れる。改めて、超一流とは何たるかを、まざまざと見せつけられた一戦だった。

インタビューに答える松浦

まとめ

世紀の一戦となった日本選手権が終了し、次回のグレードレース開催は5月15日(土)から函館競輪場で開催されるG3「五稜郭杯争奪戦」。SS4名を含め、ダービーの激闘を終えた一流選手が最北端の地でしのぎを削る。どうぞお楽しみに。

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