ミッドナイト競輪の車番が競走得点順に…初回の結果・考察と競輪界の新たな施策に思うこと

競輪歴15年（みんなの競輪チーム所属）

4年前

10月からミッドナイト競輪の車番が得点順に
10/1～伊東温泉の結果
10/2～松山の結果
結果から見えてきたこと
考察とまとめ

10月からミッドナイト競輪の車番が得点順に

表題の通り、10月1日からミッドナイト競輪の車番が、競走得点順に並べられることとなった。従来は競走得点が一番低い選手を6番車に入れる以外、競走得点と車番の関連性はなかったために、これは大きな施策の一つといえる。そこで今回は、10月1日から行われた伊東温泉および10月2日から行われた松山の開催を俎上に上げ、どのような結果と傾向が現れたかを分析していく。

10/1～伊東温泉の結果

まず、10月1日から行われた伊東温泉の結果は以下の通り。

レース	入線順	1着	2着	2車単	3連単
1R	③④①	差し	マーク	1,130円	4,120円
2R	①②③	逃げ	マーク	220円	490円
3R	②③⑤	捲り	逃げ	820円	2,810円
4R	①⑦②	逃げ	差し	2,750円	14,410円
5R	①②⑤	逃げ	マーク	200円	390円
6R	①⑦⑤	逃げ	マーク	1,270円	3,970円
7R	①②③	逃げ	マーク	240円	560円
8R	①②⑤	逃げ	マーク	120円	1,090円
9R	⑤①③	差し	捲り	7,060円	34,840円

レース	入線順	1着	2着	2車単	3連単
1R	②⑤⑦	差し	逃げ	300円	5,320円
2R	⑤⑦④	差し	マーク	14,190円	38,160円
3R	②④①	捲り	捲り	790円	1,920円
4R	①⑤②	逃げ	マーク	300円	600円
5R	②④⑥	差し	差し	6,320円	41,520円
6R	①⑥②	差し	マーク	1,290円	2,480円
7R	②④①	逃げ	捲り	1,180円	2,930円
8R	②①④	捲り	捲り	580円	1,690円
9R	②⑤⑥	逃げ	マーク	1,610円	17,910円

レース	入線順	1着	2着	2車単	3連単
1R	③①④	差し	差し	2,160円	16,320円
2R	①④⑤	差し	逃げ	420円	1,010円
3R	③①④	差し	逃げ	330円	550円
4R	③②①	差し	捲り	4,540円	7,650円
5R	②⑥③	捲り	マーク	5,500円	27,680円
6R	⑥⑦②	差し	捲り	73,500円	393,390円
7R	①③②	逃げ	差し	610円	1,100円
8R	①④③	捲り	逃げ	460円	1,130円
9R	①④③	差し	逃げ	1,480円	2,320円

10/2～松山の結果

続いて、10月2日から行われた松山の結果は以下の通り。

レース	入線順	1着	2着	2車単	3連単
1R	③①④	捲り	マーク	200円	500円
2R	②①⑤	差し	逃げ	390円	700円
3R	①⑦④	捲り	差し	2,550円	10,120円
4R	①③⑦	逃げ	マーク	150円	310円
5R	⑤①②	差し	差し	5,320円	21,220円
6R	④②①	差し	逃げ	1,190円	1,870円
7R	⑦③⑥	逃げ	マーク	16,700円	34,880円
8R	①②⑦	差し	捲り	220円	1,030円
9R	①④⑤	逃げ	差し	2,940円	7,540円

レース	入線順	1着	2着	2車単	3連単
1R	③⑤①	差し	差し	5,260円	32,330円
2R	④①⑤	差し	捲り	1,980円	3,270円
3R	①⑤⑦	逃げ	マーク	360円	1,810円
4R	①③⑥	逃げ	捲り	290円	2,300円
5R	④①⑦	差し	差し	1,580円	12,880円
6R	⑥②①	差し	差し	18,570円	118,610円
7R	②⑤⑦	差し	逃げ	450円	9,010円
8R	①③⑤	差し	差し	2,310円	10,100円
9R	①④③	逃げ	差し	2,640円	7,760円

レース	入線順	1着	2着	2車単	3連単
1R	③②⑤	差し	逃げ	1,190円	2,530円
2R	①⑥④	捲り	差し	6,420円	50,900円
3R	①⑤⑥	捲り	マーク	490円	1,150円
4R	③②①	捲り	マーク	680円	2,010円
5R	②④③	差し	逃げ	490円	1,200円
6R	②①④	差し	捲り	840円	5,150円
7R	③⑦④	差し	マーク	2,590円	35,500円
8R	①②③	差し	逃げ	210円	300円
9R	④⑦③	差し	差し	32,500円	234,720円

結果から見えてきたこと

車番ごとの成績

一般的に、競走得点の高い選手ほど実力上位か、近況の成績が良いと言われているが、今回の結果はその通説を裏付けるものとなったのだろうか。

まずは、競走得点最上位の1番車の成績。53走中1着23回、2着10回、3着8回で勝率43.39％、2連対率62.26％、3連対率77.35％となった。ほぼ5回に2回で勝利、4回に3回で3着以内という成績である。その他の車番の成績は以下の通り（勝率、2連率、3連率は全て％）。

車番	1着	2着	3着	勝率	2連率	3連率
1番	23	10	8	43.39	62.26	77.35
2番	12	11	6	22.22	42.59	53.70
3番	9	6	10	16.66	27.77	46.29
4番	4	10	9	7.40	25.92	42.59
5番	3	7	10	5.55	18.51	37.03
6番	2	3	5	3.70	9.25	18.51
7番	1	7	6	1.85	14.81	25.92

きれいに内枠から順に勝率が低くなっている。2連対率、3連対率も多少のばらつきがあるが、概ね車番順だ。これは、競走得点の通説を見事に反映している。

レース展開

また、ミッドナイト競輪で行われるA級戦およびチャレンジレースは、展開―特に、誰が逃げるかが大きなカギを握る。競走得点が一番高い1番車に先行選手が入れば、スタートで前を取り、そのまま突っ張って押し切るケースも多いと考えられる。そこで、1番車に入った選手の脚質および、1番車が逃げた回数についても調査を行った。その結果は以下の通り。

1番車の脚質	逃げ	捲り	自在	追込
レース数/逃げたレース数	25/18	7/1	7	14

逃げ選手が1番車に入ったケースは全体の半数弱である25レースを占め、その内の72％に当たる18レースで1番車が先行した。また、その先行したレースは全て先手ラインでの決着となっている。今回は33バンクの伊東温泉が対象だっただけに一概には決めつけられないが、1番車に先行選手が入った場合の信頼度はやはり高いと言える。

また、1番車に逃げ選手が入った場合の成績は1着17回、2着2回、3着2回となり、勝率68％、2連対率76％、3連対率84％の数字を残している。こちらも、「1番車の逃げ選手」の有利性を如実に表している。

ただし、逃げ切りが連続で決まっていたのは伊東温泉の初日、それも予選が中心であった。実力差が大きい予選では若手の強い先行選手が楽々と押し切っていたが、その他の日は逃げ切りが連続で決まることはなく、多くても1日2本という結果となった。先手ラインは有利だが、逃げ切りはそこまで決まらない、という傾向は頭に入れておいた方が良いだろう。

平均配当

今回の調査対象となった54レースの平均配当は、2車単4,405円、3連単22,890円であった。チャレンジレースも含まれているため平均配当は低く抑えられることが予想されたが、10万円以上の高配当も3回飛び出しており、思いの外高配当が出やすい傾向にあることが分かった。

また、競走得点が低い6番車、7番車が絡んだ時の平均配当は2車単14,819円、3連単48,093円にも上っており、車券のヒモに追加しておくだけでも十分な高配当が狙えることも分かった。

考察とまとめ

筆者は最初にこの施策を耳に入れた際に、「強い選手を1番車に入れたら、先行選手が前を取って突っ張り⇒人気サイドの決着というパターンが頻出し、車券的に面白みがなくなるのではないか？」と考えたが、蓋を開けてみれば意外と配当のバランスも保たれており、施行初回としてはまずまず面白い成績となった。

もちろん、今回は33バンクの伊東温泉競輪場が含まれているため、この先500バンクなどで開催が行われた際は、傾向が大きく変わる可能性もある。しかし、このままの傾向が続けば、初心者は1番から買っておけば大体楽しめる上、配当を追いたい中級者以上は6番車、7番車などの人気の盲点を狙うことで高配当をゲットするチャンスも十分につかめるという両者にプラスの開催が続くことになる。

「1番が一番強い」と言うのはいかにもボートレースらしいが、初心者にとっては分かりやすいことこの上なく、特に不満が出るものではないだろう。近況のボートレースの隆盛ぶりを見れば、その流れに乗った（？）今回のミッドナイト競輪の施策も、ある意味成功と言えるのかもしれない…もちろん、この傾向が続けばの話ではあるが。

あとは、業界内でも言われているように、ガールズケイリンでの影響が気になるところ。初手の並びや枠番が男子のレースよりも大きく結果を左右するガールズでは、競走得点上位の選手が内枠に入れば、初手から好位置をキープして逃げるか捲るかで簡単に押し切るケースが想定できる。こうなると、外枠に入った実力下位の選手はますます出番がなくなりそうだ。少なくとも4番より外の選手は、いかにしてスタートで好位置を取るかに、今後の結果の浮沈が関わってきそうである。