打鐘!
競輪において、残り一周半のバックストレッチ通過時に鳴らされる鐘。これは「打鐘」(ジャン)と呼ばれ、選手に最終周回であることを知らせる重要な役目を持つ。
ここまでは競輪ファンならだれでも知っている知識だが、その鐘の音を注意して聞き比べているファンはそう多くはないはず。
今回は、YouTubeのKEIRIN公式チャンネルが公開している動画シリーズ「打鐘〈ジャン〉」と共に、各競輪場の打鐘の特徴を一つずつ開設する。
各場の鐘の音
現在、KEIRIN公式チャンネルには、改修工事中の熊本を除く41場の打鐘が収録されている。それでは、北から順に鐘の音を聴いていこう。
函館
正統派の鐘。ナイター時は美しい音色が函館の夜空に吸い込まれる。
青森
函館よりもやや高く、シンプルな音色。
いわき平
痺れるような音色がレースに熱気をプラスする。
弥彦
重厚な音色が弥彦の森に響き、心を揺さぶる。
前橋
力強い音色がドーム内に反響して鳴り響く。
取手
余韻がいつまでもバンクに残るような、印象深い音色。
宇都宮
シンプルな音色が逆に激しいレース展開を予感させる。
大宮
雑さを一切感じさせない、澄んだ音色。
西武園
大宮と同じ鐘を使っているようだ。
京王閣
これまでのどの競輪場とも違う、独特な音色。
立川
こちらも歴史を感じさせる重厚な音色が広い場内に響き渡る。
松戸
こちらは叩いて鳴らすタイプ(いわゆる日本式の鐘=「和鐘」)ではなく、鈴のように中の「舌」と呼ばれる部分を振動させるタイプ(いわゆる西洋式の鐘=「洋鐘」)。和鐘よりも甲高い音色の響き。
川崎
熱狂の渦に吸い込まれる伝統の音色。
平塚
他場よりも長い余韻。年季の入った鐘がもたらす貫録の音色。
小田原
打たれる早鐘が33バンクの激しいレース展開を予感させる。
伊東温泉
眼前に反り立つ崖に負けない、やや高めの音色。
静岡
無骨なデザインの鐘からは、どの場にもない特色ある音色が奏でられる。
名古屋
最後の一押しで存在感を示す音色。
岐阜
どこか懐かしさを感じさせる郷愁の音色。
大垣
岐阜と同じ鐘を使っているようだ。
豊橋
安定した音色。レースの進行をしっかりと支える。
富山
印象はシンプル。しっかりと自らの役目を果たす音色。
松阪
短めでシンプルな音色。
四日市
甲高い音色。ナイター競輪にピッタリの音程だ。
福井
寺や神社の鐘の音をもう少し高くしたような、独特の音色。
奈良
近畿地区の競輪場は松戸のような洋鐘を使っている場が多いが、鳴らし方は外側を叩き、和鐘のように使用している場も。奈良は和鐘スタイル。
向日町
こちらは洋鐘の本来の鳴らし方。気品ある音色。
和歌山
奈良同様、見た目は完全に洋鐘だが、鳴らし方は和鐘のそれだ。
岸和田
他の近畿地区の競輪場同様、洋鐘の甲高い音色。
玉野
力強い音色が強く印象に残る。
広島
しっかりとした音色がレースの規律を示す。
防府
力強い音色。山に囲まれた地形において存在感を示す。
高松
和鐘にしてはかなり高い音色。朝に聴くと目が覚めそうだ。
小松島
澄んだ音色が海風に乗って心地よく運ばれてくる。
高知
全国で唯一、銅鑼を打鐘に用いている。もはやこの「銅鑼の音」は高知の専売特許だ。
松山
こちらも洋鐘を叩いて鳴らす。近畿地区同様に澄んだ甲高い音色。
小倉
鐘に6色のラインが刻まれている。歴史と伝統を感じさせる安定した音色。
久留米
激しいレースに負けない対抗心を持った音色。
武雄
間近で聞くと迫力十分の音色。
佐世保
安定した音色が佐世保の海に吸い込まれる。
別府
九州地区の他競輪場に漏れぬ、安定の音色。
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