このページでは、韓国の競輪について基礎知識をまとめます。
韓国競輪の歴史
韓国競輪誕生のきっかけは、1988年のソウルオリンピック開催です。自転車競技種目を行うにあたり、ソウルオリンピック委員会はソウル市内に自転車競技場を建設。オリンピック終了後はこの自転車競技場を有効活用するべく、競輪開催を実施するための関係法令を整備し、1995年10月15日に蚕室(チャムシル)競輪場をオープンしました。開始直後は売上も伸び悩みましたが、その後各地に場外車券売場を開設したことで競輪人気は上昇。2000年12月8日には慶尚南道昌原市に初のドーム型競輪場となる昌原(チャンウォン)競輪場、2003年11月15日には釜山広域市金井区に釜山(プサン)競輪場がオープンします。その後蚕室競輪場はソウル南西部の光明(クァンミョン)市に移転、2006年2月17日にドーム型の光明競輪場として再オープン。3場体制で現在に至っています。
競輪場の特徴
ドーム型競輪場が2か所、屋外競輪場が1か所ある韓国の競輪場は、全て333mバンクです。それぞれ、昌原が前橋競輪場、釜山が西武園競輪場、光明が小倉競輪場を参考に建設されたと言われており、日本のファンにも何となくイメージが付くと思います。
韓国競輪のレースの特徴
韓国競輪のレースの特徴は以下の通りです。
・すべて7車立て
・ラインなし、原則ヨコの動き禁止
・ユニフォームは1番から白、黒、赤、青、黄、緑、桃(日本とは7番車が違う)
・誘導員は残り2周(日本でいう赤板)退避
韓国競輪は発足当時選手数が少なく、ヨコの動きをして落車が発生・選手が負傷すると開催が困難となっていたため、このようなルールになったと言われています。日本でいうガールズケイリンやPIST6と大差ないと考えて良いでしょう。
韓国競輪の開催日程・方式
基本的に金・土・日の3日間で開催されます(まれに4日間開催あり)。2024年は1日に昌原・釜山で5R~6R、光明で16Rの計27R~28Rが行われ、昌原・釜山での開催は午前11時頃~午後3時頃、光明では午後1時頃~午後6時40分頃まで開催されます。
昌原→釜山(もしくは釜山→昌原)はリレー開催ですが、光明は昌原もしくは釜山開催中に1Rが発走するため、それぞれの競輪場の公式サイトでは、重なっている部分のレースが案内されていないので注意が必要です。
一般的に、昌原・釜山ではA級戦、B級戦が開催され、光明ではS級戦~B級戦全てのトーナメントが開催されます。
最上位のS級戦は普通光明でしか開催されません。そのため、日本の「G1」にあたる「大賞競輪」は全て光明で開催されます。2024年の「大賞競輪」日程は以下の通りです。
開催日程 | 開催名称 |
2/23~2/25 | スポーツソウル杯 |
4/26~4/28 | スポーツ朝鮮杯 |
6/28~6/30 | KSPO理事長杯競輪王中王戦 |
8/2~8/4 | オンライン発売記念 スポーツ東亜杯 |
10/11~10/13 | 日刊スポーツ杯 |
12/27~12/29 | 文化体育観光部長官杯 グランプリ競輪 |
また、以下の日程で「特別競輪」が実施されます。
開催日程 | 開催場 | 開催名称 |
7/12~7/14 | 釜山 | 釜山広域市長杯 大賞競輪 |
8/30~9/1 | 昌原 | 創立記念特別競輪 |
12/6~12/8 | 釜山 | A級・B級最強戦 |
12/13~12/15 | 昌原 | B級最強戦 |
韓国競輪のクラス分け
韓国競輪は日本と違い、S・A・Bの3級10班制を採用しています。トップが5名からなるS級S班で、以下S級1班、S級2班…最下層がB級3班と続きます。なお出走表にはS級が「特選級」、A級が「優秀級」、B級が「選抜級」と記載されています。
おおよその選手数はそれぞれ以下の通りです。選手数はおよそ550名で、日本(男女合わせて約2400名)の約4分の1です。
級 | SS | S1 | S2 | S3 | A1 | A2 | A3 | B1 | B2 | B3 |
人 | 5 | 27 | 27 | 27 | 77 | 77 | 77 | 76 | 77 | 77 |
韓国競輪の車券
韓国競輪の車券は単勝・複勝・2車複・2車単・3連複・3単複・3連単の7つの賭け式があり、1回の購入限度額は10万ウォン(約1万1千円)とされています。「3単複」とは、1着を的中させたうえで2,3着を順不同で的中させる車券のことです(例:1-2-3を購入した場合、1-2-3と1-3-2のどちらでも的中)。
また、3連単は現金では購入できず、専用の競輪投票サイト「SPEED ON」のみでの発売となっています。
韓国競輪のS級S班
2024年の韓国競輪におけるS級S班は以下の5選手です。
林採彬(임채빈、イム・チェビン)25期
生涯成績194戦190勝、勝率97.9%(2024年4月1日時点)という現韓国最強選手。2023年はグランプリ優勝を含む60戦60勝パーフェクトという成績を残した。
全元規(전원규、チョン・ウォンギュ)23期
主戦法は差し。2022年から急激に成績を上げ、同年のスポーツ朝鮮杯を優勝。先日林採彬の連勝記録を74でストップさせた張本人。
丁鐘珍(정종진、チョン・ジョンジン)20期
2016年~2019年にグランプリ4連覇を達成した前韓国最強選手。林採彬の台頭で一時影を潜めたが、2022年にはその林採彬を破りグランプリ5度目の優勝を遂げ、健在をアピールした。
印治喚(인치환、イン・チファン)17期
2022年からSSをキープする、今年41歳を迎えるベテラン。安定感あるレースぶりで着をまとめる。
梁承原(양승원、ヤン・スンウォン)22期
こちらも2022年からSSの座に。昨年はスポーツ東亜杯、日刊スポーツ杯と連続で大賞競輪準優勝と実績を残した。
韓国競輪の賞金と売上
日本のKEIRINグランプリの優勝賞金は1億3,300万円ですが、韓国のグランプリの優勝賞金は8,000万ウォン(約880万円)。その他、大賞競輪の優勝賞金は1,400万ウォン(約154万円)、一般開催は474万5千ウォン(約52万円)です。
2023年の賞金王である林採彬の獲得賞金は約3億1,400万ウォン(約3,450万円)と、日本で言えばS1中位クラスの賞金です。しかし、2013年の賞金王が約2億1,000万ウォン(約2,300万円)だったことを見ると、賞金は確実にアップしていると言えます。
また韓国競輪の売上は2013年以降、およそ2兆ウォン(約2,200億円)強で推移してきました。2020年は新型コロナウイルスの影響で3,184億ウォン(約350億円)に急落しましたが、コロナ禍後は回復を見せ、2022年には1兆3,500億ウォン(約1,500億円)まで戻っています。
日本との関わり
1998年10月10日~11日に、小倉競輪場で「第1回日韓親善競輪」(エキシビションレース)が開催されてから、継続して日本と韓国の間で選手の交流が行われてきました。2012年には伊東温泉競輪場で、初の車券発売を伴う開催となる「日韓対抗戦競輪」が開催。第1回は村上義弘選手が開催国の意地を見せて優勝を果たしました。以降、2017年まで計5回、日韓両国で対抗戦競輪が開催されました。内訳は日本選手が2回、韓国選手が3回優勝しており、毎回互角の勝負を繰り広げています。
参考サイト
光明競輪公式サイト:경륜경정총괄본부(競輪経済総括本部)
釜山競輪公式サイト:spo1
https://www.spo1.or.kr/main/main.do
昌原競輪公式サイト
https://www.lepopark.or.kr/main
第6回日韓親善競輪紹介サイト
https://keirin.jp/pc/dfw/portal/guest/report/special/2005/nikkan/nessen.html
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