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競輪つれづれ①なぜ落車・失格は返還とならないのか&ちょっと特殊な返還パターン

競輪の落車・失格は返還とならない

これは当たり前のことだが、競輪の落車・失格は車券返還の対象とならない。競馬でも落馬が返還の対象とならないのと一緒である。

しかし、以前このような意見がインターネット上に表明された。

「競輪の落車・失格、特に打鐘までの事故に関しては車券を返還すべき」

恐らくは、ボートレースのフライングは返還されるのに競輪の落車・失格が返還されないのはおかしい、と考えたのではないか。しかし、この意見は全くの的外れであると言わざるを得ない。その理由を次項に述べる。

「スタート後」の事故は返還されない

ボートレースのフライングと競輪の落車・失格が大きく異なるのは、レースがスタートしているかどうかである。

「ボートレースのフライングはスタートしていない扱いになるのか?」と少し疑問に思う方もいるかもしれないが、ボートレースは決められた時間内にスタートして、初めて正規のスタートとみなされる。逆に言えば、フライングはレースにすら参加していない扱いとなる。すなわち、競馬で言う「競走除外」や競輪の「当日欠場」にあたる、というわけだ。そうなれば、舟券が返還されるのは当然と言える。

しかし競輪の場合、落車・失格は号砲が鳴り、正規のスタートが切られた後に起こるもの。ボートレースでも、レース中の転覆や妨害失格は舟券返還の対象とはならない。それに当てはめて考えれば、競輪の落車・失格が返還されないのも言わずもがなということになる。

まとめると、「スタート前」の止むを得ないアクシデント(フライングが止むを得ないかどうかはさておいて)は返還され、「スタート後」の選手の動きからなるアクシデントは返還されない、という線引きが明確になされている。

確かに、レースが本格的に動き始め、選手が実力を発揮する打鐘より前での落車・失格に対して返還をしてほしいという意見は一定数存在する。だがそれはあくまで車券を握るファンの感情論に過ぎず、現行のルールを覆すほどの効力は有しない。

スタート後に返還となる特殊なパターン

しかし、競輪には号砲が鳴った後にも返還となる特殊なパターンが若干ながら存在する。

一つ目は、多くの選手が落車・不完走ないし失格となり、特定の賭け式が成立しなくなるパターン。例えば、9人出走のレースで7人以上が失格となれば、完走が2人以下となり3連単は成立しない。この場合は、不成立となった車券は全て返還される。

過去の記事(以下を参照)でも紹介したが、2008年12月14日のいわき平競輪場で全員失格となる事案が発生し、この時は全ての車券が返還となった。また、同様のケースが2013年に高知競輪場で、2017年に千葉競輪場でそれぞれ発生している。

二つ目は、スタート後25m線に到達するまでに選手が落車・負傷し、再発走が不可能となったパターン。この場合は全ての車券が返還となる。かなりのレアケースだが、昨年8月27日の小倉競輪場6Rでそのようなケースが発生した。

25m線については以下を参照。

三つ目は更なるレアケースだが、先頭誘導員が選手を落車させてしまったパターン。これは後にも先にも、2011年8月23日の函館1Rしか例がない(はず)。この場合も、車券は全て返還となった。

そして四つ目は、2017年のオールスター競輪で発生した「周回誤通告」のパターン。これはゴール線の横で周回表示板をめくる係員がいるのだが、この時は係員が落車した選手の救護に当たっており、周回表示板をめくるのが間に合わなかったという極めて稀なケース。レースはゴールまで行われたが、結局競技規則第73条「競走中、周回通告員が打鐘もしくは周回通告を誤って行ったとき、または打鐘もしくは周回通告を行わなかったとき」に該当したとして、レース不成立となった。

なお、二つ目のパターンについては、「負傷した選手を除外して再発走すれば良いのではないか?」と思う方もいるかもしれないが、これがそうもいかない。

何故なら、レース前の選手紹介の時点で、「このレースに出走する選手は、出走表の通り異常なく出走いたします」とアナウンスされているからである。そのように発表した手前、一人の選手が出走できなくなったにも関わらず発走を強行すると、主催者が嘘をつくことになってしまう。したがって、「公正安全な競走の実施」のために、出走予定の選手が急遽出走できなくなった場合は、レースを中止して車券を全て返還せざるを得ないのである。

それに関連して、過去には選手紹介中に選手が負傷し、レースへの出走が不可能となったため不成立となった場合も存在する。

まとめ

今回は、競輪の落車・失格が返還の対象とならない理由と、それの例外となる特殊なパターンを紹介した。あまり認めたくはないが、レース中の落車・失格まで含めて、全てが競輪であり結果である。ファンは、そのようなリスクまで頭に入れた上で、車券を購入しなければならない。

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競輪歴12年(みんなの競輪チーム 所属)

輪pedia 編集者兼ライターの「競輪歴12年」です。 長年培った知識を活かし、競輪に関する有益な情報を提供していきます。