2026年10月29日、JKA、全国競輪施行者協議会、日本競輪選手会の競輪関係3団体は、相次ぐ重大な落車事故を受け、競走における安全対策の強化を発表した。

今回の対策は、違反点数の引き上げ、著しい妨害行為に対する出場あっせん制限の厳格化、身体保護具の研究開発の3点が柱となる。

重大走行注意は10点→15点、走行注意は2点→5点に

失格には至らない違反行為が、間接的に落車の原因となる事例が多いことから、一部の違反点数を引き上げる。

違反点数の変更前後

判定現行変更後増加
失格30点30点変更なし
重大走行注意10点15点+5点
走行注意2点5点+3点

対象となるのは、先頭固定競走(オリジナル)における以下の違反行為。

  • 外帯線内進入(第13条の2)
  • 押圧・押し上げ等(第14条第1項)
  • 斜行・蛇行(第14条第2項)
  • 中割り(第14条第3項、重大走行注意のみ)

インターナショナル方式では、押圧・押し上げ等と斜行・蛇行の重大走行注意が10点から15点に引き上げられる。

なお、対象外の違反行為については、従来の違反点数が維持される。

適用開始:2026年12月31日を節の初日とする競輪から

著しい妨害行為による失格は、あっせん制限をさらに厳格化

重大事故につながる危険な走行を防ぐため、著しい妨害行為で失格となった選手への「あっせんをしない処置」の適用基準も強化される。

競輪では従来から、直近4か月間の累積違反点数に応じて、以下の出場あっせん制限が設けられている。

現行の累積違反点数による措置

直近4か月の累積違反点数あっせんをしない期間
120点以上150点未満1か月間
150点以上180点未満2か月間
180点以上3か月間

今回強化されるのは、この累積違反点数による措置とは別に、1件の失格事案に対して科される措置だ。

著しい競走妨害行為については、失格1件の内容に応じて、1年以内の「あっせん停止」や1か月間の「あっせんをしない処置」を科す制度が設けられている。

特に後者は、累積違反点数による措置に加重される仕組みとなっている。つまり、累積点数による出場制限とは別に、重大な妨害行為による追加の制限が科される可能性がある。

今回の見直しでは、この失格1件に対する措置の適用基準を厳しくすることで、危険な走行の抑止を図る。なお、強化後の具体的な判定基準は今回の資料では示されていない。

適用開始:2026年11月30日を節の初日とする競輪から

首などを保護する新たな身体保護具も研究開発

違反行為の抑止だけでなく、落車時の被害を軽減する取り組みも進められる。現在、落車時における首などへの負担や衝撃を軽減する身体保護具の研究・開発に着手している。

具体的な仕様や導入時期については未定で、詳細が決まり次第発表される予定だ。

安全対策強化で競走への影響は?

今回の違反点数引き上げにより、同じ違反行為でも従来より累積点数が増えやすくなり、あっせん制限や特別指導訓練の対象となる可能性が高まる。

さらに、著しい妨害行為に対しては、累積違反点数による措置とは別の追加措置も厳格化される。

競輪ならではの激しい位置取りや競り合いを維持しながら、いかに落車事故を減らしていくのか。年末から段階的に始まる新たな安全対策が、実際の競走にどのような変化をもたらすのか注目される。