8月6日から9日まで、和歌山競輪場でG3「ワールドサイクリスト支援競輪」が開催される。当初はハリー・ラブレイセン、ジョセフ・トゥルーマン、マシュー・リチャードソンの海外3選手が参戦する予定だったが、リチャードソンは前走の立川で落車し欠場。外国勢は2名となった。

直後にオールスター競輪を控えるためS級S班は不在だが、今シリーズ最大の焦点は、ラブレイセンの連勝を日本勢が止められるかに尽きる。F1で見せてきた圧倒的なスピードを、9車立て、4日制のG3でも発揮できるのか。地区ラインを組む日本勢には、個々の力だけでなく、連係を生かした組織的な戦いが求められる。

海外選手 無敗のラブレイセンと経験豊富なトゥルーマン

優勝候補筆頭はもちろんラブレイセンだ。防府、岸和田、立川と3場所連続で完全優勝し無敗の9連勝。世界最高峰のトップスピードだけでなく、打鐘から前へ出て押し切る競輪にも高い適応力を見せている。

岸和田、立川では早めに主導権を奪い、後続に反撃の機会を与えなかった。和歌山は直線が長く、先行選手にとって決して楽なバンクではないが、ラブレイセンは瞬発力だけの選手ではない。トップスピードを長時間維持できるため、早めに出切れば日本勢が後方から捕らえるのは容易ではない。

ただし、今回は初めてのG3であり、4日間を通じて9車立ての複雑な展開へ対応しなければならない。日本勢が地区ごとに長いラインを組み、前受け、突っ張り、番手からの発進まで使えば、F1とは異なる厳しい競走になる。

トゥルーマンはラブレイセンほどの圧倒的な成績ではないものの、今季も2度の決勝進出を含め3連対率は80%。2019年には当地エボリューション完全優勝もあり、バンクへの戸惑いは少ないだろう。

ラブレイセンと同乗した際の並びも大きな焦点となる。外国勢が連係すれば強力だが、日本勢は長い地区ラインを形成し、外国勢を後方へ置く展開を作りたい。

北日本 大川剛の先行力と渡邉一成のスピード

北日本の自力の中心は大川剛。近況はバックを積極的に奪い、先行と捲りの両面で白星を重ねている。ラブレイセンを相手に後方からの力勝負を挑むより、地区の先頭で早めに主導権を握りたい。

渡邉一成は年齢を重ねてもトップスピードに衰えがなく、短い距離の捲りでは今シリーズでも上位。大川や窪木一茂と同乗した場合は、北日本でまとまり、前を任せる形も考えられる。窪木はこれが4月以来の競輪となり初日の動きを確認したいが、海外勢との勝負に燃えないわけにはいかない。

後方には五日市誠大森慶一が控える。五日市は直線での伸びが安定し、大森は得意のスタート力でラインに貢献する。和歌山の長い直線を考えれば、北日本は機動型だけでなく追い込み陣にも優勝機会がある。

関東・南関東 好調な滝本幸正が外国勢に挑む

関東で勢いが目立つのは滝本幸正だ。6月のレインボーカップで特別昇級を果たしたあとは、S級戦でも7月静岡で初優勝・12戦で3着以内11回とまさに大暴れ。自力だけでなくヨコにも強気の動きが見られ、総力戦で挑みたい。

松崎広太も積極性が高く、長い距離を踏める機動型。6月当地は単騎戦ながら捲りで優勝しており、機動力の高さで上位進出を狙う。佐藤礼文、磯田旭はともに仕事と差し脚が確かで、関東の若手機動型が主導権を握れば直線で逆転できる。

南関東では大石剣士が有力。近況は自力の切れが良く、6月京王閣で優勝。長い直線を意識し過ぎず、最終バックまでに前団へ出切ることが重要だ。岡村潤内藤秀久は実績上位の追い込み型。大石らの番手を回れば、和歌山の直線を生かして優勝争いへ加われる。

中部・近畿 石塚輪太郎を中心に地元勢が結束

日本勢で外国勢に対抗する最大勢力は、中部・近畿となりそうだ。地元の石塚輪太郎は近況の動きが良く、自力・番手の両方で結果を残している。昨年の和歌山記念決勝では主導権を握っており、地元バンクの仕掛けどころは熟知している。

南潤は積極的な走りを貫く地元の主力。岸田剛も先行と捲りの双方に威力があり、近畿が地区でまとまれば層の厚いラインを形成できる。同地区の選手が簡単に別線になるとは考えにくく、勝ち上がりでは南、岸田、石塚の誰が先頭を務めるかが重要になる。

中部には柴崎淳山口富生が控える。柴崎は自力を残しながら直線でも伸び、山口はベテランらしい位置取りと追走技術が健在。中部に十分な機動型がいない組み合わせでは、近畿勢との連係も視野に入る。

地元勢は若手も豊富だ。貴志修己は積極先行を基本とし、石塚慶一郎は自力に加えて番手や好位からも伸びる。原田翔真も前々へ攻められる機動型で、地元ラインの先頭を任されれば思い切った仕掛けが期待できる。

さらに、稲毛健太と稲毛知也の兄弟あっせんも注目材料。知也は昇級前から勝ち星を重ね、S級でも積極的な競走を続けている。兄の健太は地元バンクの経験が豊富で、弟と同乗すれば連係が実現する可能性もある。若手が前で外国勢へ挑み、経験豊富な地元選手が後ろを固める形を作れれば、近畿勢の勝機は大きくなる。

中四国・九州 強力な自力型を追い込み勢が援護

中国勢では晝田宗一郎が先頭を担う。近況はやや波があるが、先行してペースを握った時の粘りは強い。三宅達也、田中勇二が後ろを固めれば、完成度の高い岡山ラインとなる。特に田中は直線での伸びが良く、番手からの抜け出しが狙える。

四国は原田研太朗の捲りが武器。常に位置取りの課題は付いて回るが、外国勢や近畿勢が激しい主導権争いを演じれば、脚をためて一気に仕掛ける展開が向く。

九州では林大悟岩谷拓磨が機動力の中心となる。同じ福岡勢だけに、同乗すれば地区でまとまる形が基本。どちらが前を務めても強力で、ヨコが強い田中誠が後ろを固めればラインの総合力は高い。松川高大は自力を残す自在型として、熊本勢をまとめるだけでなく混戦から自ら伸びることもできる。

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穴候補として注目したいのが城戸俊潔だ。近況は連対率が高く、3場所連続で予選1着スタートを切っている。ラインの援護を得てペースを作れれば上位進出が可能。晝田と同乗した際には岡山勢の前後にも注目したい。

原口昌平は従来の徹底先行から自在型へと幅を広げ、近況はかなり着がまとまっている。前を取って駆けるだけでなく、中団確保やまくり、番手回りにも対応できる。外国勢を意識して早い展開になれば、前団の動きに乗って直線で伸びる場面がありそうだ。

ワールドガールズケイリン展望

最終日11Rには、海外女子選手3名を迎えた「ワールドガールズケイリン」が控える。

当然海外3選手はいずれも超強力だが、力関係としては12戦11勝のアンドルーズ>12戦9勝のファンデルワウ>12戦6勝のグロ か。とはいえファンデルワウは6月小倉でアンドルーズを下しており、グロも7月岸和田でファンデルワウを振り切っている。海外勢によるスプリント勝負が見もので、先に仕掛けた選手の後ろで直線差し脚を伸ばした者勝ち、という展開になりそうだ。

対する日本勢は竹野百香が最有力。7月前橋G3では思い切った先行で太田りゆを振り切り優勝。目標にされる形だと厳しいが、何とか海外勢を追走して直線勝負に持ち込みたい。戦列復帰後徐々に動きを戻してきた鈴木美教は本来G1級の選手。相手が強ければ強い程本領を発揮しそう。近況マーク策で成績安定の磯村光舞は誰に的を絞るかがカギ。唯一の地元代表となった新人アニー紗世子は厳しい戦いも、スピード戦の経験は今後の糧になるだろう。

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