今年函館競輪最終戦!F1ナイター「ノースランドC&報知新聞社杯」展望
今年の函館本場開催を締めくくるF1ナイター「ノースランドC&報知新聞社杯」が、7月14日から16日までの3日間にわたって行われる。函館は標準的な400メートル走路で、脚質による極端な有利不利が生じにくい一方、海に近いため風向きが仕掛けや末脚に影響することもある。自力型の踏み合いだけでなく、追い込み陣の位置取りやラインの完成度まで問われる舞台だ。S級、A級、ガールズともに好調な機動型がそろい、本場最終戦にふさわしい力と技のぶつかり合いが期待される。
S級展望 後藤大輝を中心に若手自力型が激突
シリーズの中心は後藤大輝だ。近況は先行を基本に高いレベルで安定し、別線に主導権を譲らない積極性が際立っている。函館では昨年のオールスター2939、今年5月の記念でも準決勝進出。400メートルバンクでも末を大きく失わず、当地への対応力は十分に示してきた。早めにレースを動かすタイプだけに、ラインの厚みを得られれば優勝争いを一歩リードする。
小川真太郎は縦脚と位置取りを兼ね備えた総合力が魅力。先行一辺倒ではなく、流れに応じて番手戦やまくり、追い込みまで使い分けられるため、若手の激しい主導権争いになれば存在感が増す。後藤や中国勢の動きを見ながら好位を確保できれば、直線で一気に抜け出す場面がある。
黒瀬浩太郎もV候補から外せない。函館は2年前のA級戦で完全Vがあり、走路との相性には確かな裏付けがある。前回和歌山は予選から苦戦が続いたが、本来のスピードは優勝級だ。今回は同じ中国地区の角宗哉も参戦する。角は若さと勢いを前面に出す徹底型で、黒瀬と別線になっても連係してもシリーズの流れを大きく左右する存在だ。中国勢が主導権を握れば、後藤にとっても簡単な展開にはならない。
北日本勢では2班ながら飯野祐太が軸となる。自力、番手のどちらでも戦える自在性があり、展開がもつれた際の修正力はメンバー上位。近況もF1・G3戦を中心に決勝・準決勝を手堅く走っている。若手の踏み合いを冷静に見極め、最後に伸びる展開なら優勝まで届く。
地元の川津悠揮、板垣昴にも期待が集まる。川津は今年5月の当地記念では節目の通算200勝を達成した。地元走路を知り尽くす追い込み型で、北日本の機動型を目標にできれば鋭い決め脚を発揮する。板垣は近況予選が壁になっているが、本来は先行でも捲りでも勝負できるのが強み。飯野、川津との並びが実現すれば、板垣が風を切り、飯野と川津が後ろを固める強力な北日本ラインも考えられる。地元勢がシリーズの主導権を握る可能性は十分だ。
関東では安彦統賀が好調を維持する。自力を基本に位置も取れるため、単純な力比べだけで終わらないのが持ち味だ。脚をためられれば、直線での逆転がある。新田康仁は年齢を感じさせない勝負勘と伸びが健在。若手が早めに動く流れはむしろ歓迎で、展開を読み切ってコースを突けば上位進出が見えてくる。後藤、黒瀬、角、板垣と積極型が多いだけに、踏み合いを待つ自在型と追い込み型にも十分な出番がありそうだ。
A級展望 一丸尚伍と藤田楓を中心に実力者が集結
A級戦は一丸尚伍が優勝候補の筆頭だ。S級でも記念開催で存在感を示してきた機動型で、点数は1班級の106点台。降級後のA級では地力上位が明らかだ。力任せに踏むだけでなく、勝負どころで一気に加速できるため、押し切りと捲りの両面で戦える。ラインを連れて早めに主導権を奪えば、別線が巻き返すのは容易ではない。
最大の対抗格は藤田楓だ。昇班後も勢いが止まらず、先行を中心に勝ち星を量産している。まだ若さは残るものの、長い距離を踏んでも粘り強く、レースごとに内容も良化。常次勇人、矢部駿人も積極性では引けを取らない。常次は先行力と勝ち切る力を兼ね備え、藤田や一丸がけん制し合えば一気の逃走がある。矢部は主導権を奪ってからの粘りが強く、ラインの援護を受ければ決勝でも侮れない。先行型が豊富なだけに、初日から位置取りよりも力勝負の色が濃くなるだろう。
追い込み陣では保科千春、藤原誠、桑原亮が有力だ。いずれもS級で厳しい流れを経験してきた実力者で、自力型の仕掛けに乗って直線で差し込む技量がある。保科は北日本の若手と連係できれば展開有利。藤原はコース取りと判断力に優れ、混戦ほど浮上する。桑原は後藤大輝と同じ練習グループで鍛えてきた選手でもあり、A級では格上の追走技術が光る。誰が強力な先行型の番手を得るかが、優勝争いを大きく左右しそうだ。
地元の中村弘之輔は当地過去2回優勝。自力自在に動けるため、流れに応じて好位確保や番手回りも可能だ。地元の風や走路の感触を熟知している点は他地区勢にはない強み。北日本ラインの先頭を任されても、番手を回っても仕事ができるだけに、地元の声援を背に勝負どころを逃さず仕掛けられれば、決勝進出から一発まで期待できる。
ガールズ展望 太田りゆに新星・川上いちごが挑む
ガールズは当然太田りゆが優勝争いの中心となる。前回青森のワールドシリーズは外国勢に完敗を喫したが、日本人相手のここは大威張りの構成。前受けからでも後方からでも自分のタイミングで加速でき、一度スピードに乗れば他車が追いつくのは難しい。自ら動いて人気に応える走りが濃厚だ。
その太田に真っ向勝負を挑むのが新星川上いちごだ。本格デビュー初戦となった前回取手では、那須萌美・太田美穂・石井貴子らG1級を向こうに回して完全優勝。早くも大器の片りんを見せており、太田とのスピード比べがシリーズ最大の見どころ。前回とは相手が数段上の印象だが、若さと勢いで絶対的な本命を脅かす場面があっても不思議ではない。
五味田奈穂は積極策を貫く粘り強いタイプ。前々回弥彦の完全Vを含め、強豪相手でも先行をためらわず、近況は着順以上に内容の濃いレースが続いている。太田や川上が後方で意識し合えば、先に主導権を奪って粘り込む可能性がある。高木萌那は捲りの破壊力が高く、流れが速くなったところを一気にのみ込む展開が理想。前団の踏み合いが長引けば、直線で浮上する。
地元の神戸暖稀羽も連下争いでは軽視できない。勝ち切れないレースでも上位に食い込む安定感があり、近況も決勝の常連。強豪を相手に自ら動き過ぎるより、好位置を確保して太田や川上の仕掛けに乗る形が理想。流れを掴めば表彰台も狙える。
S級は後藤を中心とした若手自力型と北日本勢の攻防、A級は一丸と藤田を軸にした機動力勝負、ガールズは太田と川上のスピード対決が焦点となる。函館本場のシーズンを締めくくる3日間は、最終バックからゴールまで目を離せない熱戦が続きそうだ。
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