【寛仁親王牌2026】開催展望~各地区のキーパーソンは?
2026年10月9日(金)~12日(月・祝)、弥彦競輪場で「第35回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(G1)」が開催されます。古性優作、脇本雄太、郡司浩平、眞杉匠、吉田拓矢らトップレーサーがそろいますが、G1の勝敗を左右するのは必ずしもタイトルホルダーだけではありません。各地区の主力を前後から支える自力型・追込み型がどこまで勝ち上がれるかによって、準決勝以降のライン構成は大きく変わります。今回は各地区で「勢力図を変える存在」となりそうなキーパーソンに注目します。
北日本|山崎歩夢・菅田壱道・渡部幸訓
北日本は新山響平、新田祐大に加え、SSの阿部拓真、佐藤慎太郎、守澤太志ら層が厚く、ラインを組めれば大会屈指の総合力を誇ります。その中で注目したい先行要員が山崎歩夢。8月の小田原記念では決勝3着、9月の共同通信社杯でも初日3着と、ビッグレースでも存在感を高めています。前回奈良記念は87と大きく叩き状態が懸念されますが、今後の北日本を背負う選手だけにここも先行で存在感を見えたいところです。
後ろを固める菅田壱道は共同通信社杯で準決勝を勝ち、決勝5着。前をキープして新山の先行を番手から差した準決勝は、北日本ラインの強さを象徴する内容でした。賞金ランキングも10月5日時点で12位と、グランプリ圏を見据える重要な一戦です。渡部幸訓も8月前橋記念を優勝し、近況の安定感は抜群。新山・新田を盛り立てる前後の選手がそろっており、北日本は「何人残せるか」が最大のポイントになります。
関東|木村皆斗・杉浦侑吾・武藤龍生
関東には眞杉匠・吉田拓矢・佐々木悠葵という強力な三本柱がいます。共同通信社杯を制した佐々木まで加わり、主役級は充実していますが、その次に続く選手の存在がラインの厚みを左右します。
木村皆斗は徹底先行型で、今期も各地で先行基本に活躍中。上位陣と同乗した際の役割は大きいでしょう。同じく関東の大砲・杉浦侑吾は直前の松阪G3でも決勝進出。新山響平らを相手に最終日まで勝ち残り、状態面では注目できる一人です。武藤龍生も共同通信社杯で特秀1着、続く岐阜G3でも初日と最終日に1着。番手戦の安定感が高く、若手自力型と関東三本柱をつなぐ存在として欠かせません。
南関東|根田空史・松井宏佑・簗田一輝
南関東はどうしても郡司浩平と深谷知広へ注目が集中しますが、この2人だけに頼らない布陣を作れるかがポイントです。
根田空史は8月の松戸記念で決勝に進み、9月の奈良G3でも決勝2着。38歳となった現在も、抜群のダッシュと先行力は健在です。松井宏佑もトップスピードでは全国屈指。今年前半は不調が長く続きましたが、近況は成績が安定しており、主導権を握れば郡司らにとって最高の目標になります。そして今年特に充実しているのが簗田一輝。高松宮記念杯でG1決勝2着、8月奈良F1優勝、9月伊東G3決勝4着と好走を続け、10月5日時点の賞金ランキングは13位。郡司・深谷以外から決勝級の選手が出れば、南関東の戦い方は一気に広がります。
中部|棚瀬義大
中部のキーパーソンは棚瀬義大。7月の豊橋記念で決勝に勝ち上がり、直前の地元岐阜記念では初日2着、最終日に1着を挙げました。山口拳矢、浅井康太という実績上位を生かすためにも、中部には前でレースを作る選手が必要です。ここでは余計な駆け引きよりも持ち味の先行勝負を貫き、厳しい相手にも主導権を譲らない走りが期待されます。棚瀬が上位まで勝ち上がれば、中部勢にとって大きな追い風となります。
近畿|市田龍生都・谷内健太
古性優作、脇本雄太、寺崎浩平、南修二とSS4人を擁する近畿。しかし今後まで考えれば、彼らの前を任せられる若手先行型の成長が不可欠です。
最大の注目は127期の市田龍生都。サマーナイトフェスティバルではG2初出場初戦を突っ張り先行で逃げ切り、オールスターでもG1初出場ながら2勝。共同通信社杯では寺崎浩平を後ろに付けて先頭を任されるなど、すでに近畿のライン形成を変える存在になっています。
125期の谷内健太も松阪G3で準決勝まで進出。直近4カ月ではバック本数18本を数える超積極型です。市田、谷内が勝ち上がり、脇本・寺崎・古性らの前を回る形が実現すれば、近畿はさらに手が付けられない布陣になります。
中国|清水裕友・町田太我・西田優大
中国勢では清水裕友と松浦悠士のゴールデンコンビ復活が大きなテーマです。松浦は青森G3を制し、賞金ランキング5位まで浮上。清水も17位につけており、勝ち上がれば再び強力な連係が見られそうです。
前を担う町田太我はやはり本領の先行勝負が基本。共同通信社杯最終日は逃げ切って松浦とのワンツーを決めました。西田優大も成長中で、共同通信社杯では敗者戦ながら2着、3着、特選4着と立て直しました。清水・松浦の前を町田や西田が担える形になれば、中国勢には再びG1を動かすラインが完成します。
四国|石原颯・松本貴治
犬伏湧也がオールスターを制してグランプリ出場権を確保した四国。次なる焦点は石原颯、松本貴治です。石原は青森G3で決勝3着、共同通信社杯でも準決勝へ進出。松本も自力・番手の双方をこなせる存在ですが、10月5日時点の賞金ランキングは石原18位、松本25位。賞金枠からグランプリを狙うには正念場であり、寬仁親王牌での決勝進出、あるいはG1制覇が一気に状況を変えます。犬伏を含め、四国の並びにも注目です。
九州|嘉永泰斗・山崎賢人・荒井崇博
九州の中心は前年覇者嘉永泰斗。2026年大会で連覇を狙える唯一の選手です。ただし共同通信社杯では腰痛明けやセッティング面への迷いを口にし、最終日に1着を取ったものの本人の評価は厳しいものでした。残された期間でどこまで状態を戻せるかが最大の焦点です。
その嘉永を支えるのが山崎賢人と荒井崇博。山崎は直近の岐阜G3で準決勝1着から決勝進出。爆発力は健在です。荒井は10月5日時点で賞金ランキング19位に位置し、経験豊富な追込み型として九州ラインの要となります。嘉永、山崎ら自力型と荒井が一枚岩になれば、九州勢の大会連覇も十分に視野へ入ります。
勝負を左右するのは「主役の前後」
寬仁親王牌2026はSSやG1覇者だけを追うだけでは見えてこない開催になりそうです。山崎歩夢、市田龍生都、谷内健太ら新世代の先行型が主導権を奪えるのか。そして菅田壱道、渡部幸訓、武藤龍生、荒井崇博ら実力派追込み型がその動きを勝利へつなげられるのか。各地区のエースそのものより、「エースの前後を走るキーパーソンが何人準決勝へ残るか」こそ、2026年大会の勢力図を読む重要なポイントとなりそうです。

