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「第72回高松宮記念杯競輪G1」決勝戦回顧

第72回高松宮記念杯競輪G1 決勝戦結果

「第72回高松宮記念杯競輪G1」は今日決勝が行われ、埼玉91期の宿口陽一が優勝した。宿口はデビュー15年目、初のG1決勝の舞台でビッグタイトルを手にした。2着には吉田拓矢(茨城)、3着には守澤太志(秋田)が入った。2車単は8-5で6,190円、3連単は8-5-9で58,660円。

決勝戦回顧

初手は②松浦悠士―⑦清水裕友①稲川翔⑥小松崎大地③佐藤慎太郎⑨守澤太志⑤吉田拓矢⑧宿口陽一④山崎賢人。赤板で⑤吉田⑥小松崎の順で前を切ると、後方からすかさず②松浦が巻き返して先行争い。最終1コーナーで②松浦がようやく前へ出るが、今度は後方から④山崎の大捲り。⑦清水も番手から捲って応戦。直線は、更に後方から外を伸びた関東勢が前に変わり、マーク⑧宿口が大外から突き抜けた。

赤板から各ラインが次々に仕掛け、全選手が力を出し切った好レース。一番最後に仕掛けた関東勢に展開が向き、最後は伏兵・宿口陽一が突き抜けて悲願のG1初制覇を飾った。

初手に大きな波乱はなく、ほぼ車番順に並ぶ形。稲川翔は大方の予想通り中国勢の後ろを選択した。勝負所の赤板に入り、型通り後ろ攻めの吉田拓矢、更に中団にいた小松崎大地が前を切り合う。それを後方になった松浦悠士が巻き返すという理に適った展開となった。

松浦が本調子であれば、すんなり小松崎を叩き切り、あとは清水が番手から抜け出して稲川とのゴール前勝負だっただろう。しかし、松浦の近況の出来の悪さが、すんなりした展開を実現させなかった。最終1コーナーで前には出たものの、小松崎の抵抗に脚を使わされ、既にスピードは鈍りつつあった。

そこに飛んできたのが山崎賢人の大捲り。清水はこれを見て最終バック手前で番手捲りを敢行する。この判断は正解だったが、そこは山崎もナショナルチーム仕込みの好回転。清水とのがっぷり四つのもがき合いとなった。

つまり、関東勢にとっては、「別のラインがまとめて潰し合う」、まさに願ったり叶ったりの展開になったというわけだ。山崎に乗るように追い上げていた吉田が最終2センターから踏み込み、直線はさらにその外を宿口が突き抜けてゴール。絵に描いたような”漁夫の利”の展開だった。

予選道中、落車・失格が多発し、有力選手が次々と戦線を離脱する波乱の大会を象徴するように、決勝戦も人気薄のラインがワンツーを決める波乱の結果に。優勝した宿口は、デビュー3年目の2008年にS級初優勝を決めたものの、G1初出場は2018年の日本選手権。その前の2017年にはA級落ちも経験するなど、まさに遅咲きの選手だった。しかしここ1~2年で急激に力を付け、昨年の競輪祭で初のG1準決勝進出。今回が初のG1決勝だった。

それにしても、これまでG1どころかG3優勝すらなかった選手が、数多のタイトルホルダーを下してのG1優勝。正直驚きの結果だったことは否めない。これで、年末のグランプリ出場と来年のS級S班が決定した宿口。今後は、G1優勝者として、ファンや関係者の見る目は一層厳しさを増してくるだろう。これまでのタイトルホルダーは、その地位と重圧を力に変えて好成績を収めてきたが、同様の振る舞いが今後宿口にも求められる。今回欠場となった平原康多と共に、関東勢を引っ張る働きを期待したい。

絶好の展開が巡ってくるも、最後に差し込まれて2着に終わったのは吉田。しかし、3度目のG1決勝で初の表彰台に上がり、いよいよG1制覇のイメージが本人もついてきたのではないか。今後も、単なる引き出し役で終わること無く、大舞台で優勝を狙う立ち回りを意識していきたい。乾坤一擲の大捲りで沸かせた山崎も、航続距離を増加させていけば今後もG1優勝のチャンスは巡ってくるだろう。

一方、人気を集めた清水は別線の執拗な抵抗に遭い直線失速。前を任せた松浦が本調子でなかったことも敗北の原因だが、いよいよ「2人がラインを組めばタイトルは確定」という時期ではなくなってきているのではないか。復調しての逆襲が待たれる。地元の稲川は中国勢に的を絞った戦いだったが、その中国勢が潰される展開ではどうしようもなく、見せ場を作れず。地元でのG1優勝は来年以降に持ち越しとなった。

優勝した宿口陽一

「(優勝は)まだ夢なんじゃないかと思っている。吉田君の頑張りに尽きる。2センターからは力が入っていて、優勝できるとは思っていなかった。自分にはこのタイトルは重すぎると思う。この優勝は普段からお世話になっている平原(康多)さんに伝えたい。まだ自分は(グランプリに向かえるような)そういう選手じゃないので、一つ一つ目の前のレースをこなしていきたい。次の目標は、平原さんとG1決勝に乗ってワンツーを決めること」

まとめ

波乱の結果となった「第72回高松宮記念杯競輪G1」が終了し、次回のグレードレースは6/26(土)から開催される、久留米競輪G3「中野カップレース」。どうぞお楽しみに。

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競輪歴12年(みんなの競輪チーム 所属)

輪pedia 編集者兼ライターの「競輪歴12年」です。 長年培った知識を活かし、競輪に関する有益な情報を提供していきます。