G2「サマーナイトフェスティバル」決勝戦回顧＆選手採点

松浦悠士の優勝・大会3連覇で幕を閉じたG2「サマーナイトフェスティバル」の決勝戦各選手採点（満点は5点、0.5点刻み）。

決勝戦展開回顧

初手は４佐々木９平原６神山３新田７松井８山口１脇本２松浦５山田。赤板で車間を切った１脇本が打鐘前から踏み込み、それに４佐々木が合わせて突っ張ったが、最終ホームで１脇本が叩き切り先行。3番手には追い上げた７松井が入り、３新田のバック捲りは不発。直線は粘る１脇本を２松浦が追い込み、サマーナイトフェスティバル3連覇を達成した。

決勝戦選手採点

※点数は1着5.0→2着4.5→3着4.0→4着3.5→5着3.0…が基本。内容を加味してこれに点数を増減する。

1着　２松浦悠士　５．０

脇本マークで佐々木との2分戦を作り上げた作戦が結果的に大正解。脇本が叩き切れば、あとはそれをかわすだけだった。3連覇で名誉「夜王」の称号を獲得。

2着　１脇本雄太　４．５

ライン3車のアドバンテージは大きく、後ろが別地区でも安易な捲りを選択せず、早めに仕掛ける。松浦に差されはしたが意欲的な内容で好評価。

3着　７松井宏佑　４．０

勝負所で山田を退かし、俊敏に3番手に追い上げて勝負権を確保。早めに踏み込んで見せ場を作ったが、2着にはあと一歩届かず。

4着　５山田英明　３．０

脇本―松浦の3番手を失った時点で上位争いからは脱落。離れた後はよく追い上げたが…。

4着　８山口拳矢　３．０

最終バック8番手＝実質最後方では上り10.6の捲りでもさすがに届かず。最終1センターでは離れた山田に8番手を奪われており、終始対応が後手後手に回った。

6着　９平原康多　２．０

展開は注文通り。佐々木がある程度踏ん張ってから切り替えたが、そこからは捲りも出せずに流れ込み。スピード比べではつらい。

7着　６神山拓弥　２．０

関東3番手で佐々木のダッシュに離れかけたが、結果的に車間を切る形となる（最終ホームで追い上げた）。しかしそこからは平原同様流れ込み。

8着　３新田祐大　１．５

本当であれば松井の位置（脇本―松浦の3番手）に追い上げて勝負すべきだった展開。捲りも届かず、またも脇本に完敗。

9着　４佐々木悠葵　２．０

関東ラインの先頭で自分の仕事は果たした。

編集部の見解

今節の函館競輪場は、2日目に脇本がバンクレコードとなる10.6の上りを出すなど、かなり軽いバンクコンディション。前半レースから11秒台前半のラップが続出し、決勝も1着松浦～8着新田の上りタイムが10.6～11.3で推移するスピードレースとなった。脚力が存分に活きるコンディション＋実質2分戦のライン構成なら、脇本に敵はいなかった。脇本の決勝戦の推定ラップタイム（打鐘～ホーム、ホーム～バック、バック～ゴール）は10.6-10.5-11.3。このタイムを出されては、佐々木も打鐘～ホームで推定11.0で駆けているとはいえひとたまりもない。

そして、結果としては脇本マークに入ってこのライン構成を作り出した松浦の作戦勝ち。脇本を単騎にして自分で先に捲っても良いが、平原に合わされたり、他の単騎の選手の介入に遭ったりで不発の危険もある。それなら最初から脇本マークに入り、その仕掛けに期待して直線勝負に持ち込めばよい。

もちろん、レーススタイル上不発・共倒れの危険は付きまとうが、そこは「日本一の自力選手」である脇本を信頼してこそのタッグ。今回は後ろに山田英明が付くことでラインも3車となり、「3車ならある程度は早めに動いてくれるだろう」という考えを持って番手を主張したのだろう。今後も後ろが空いていれば同様の連携が実現するかもしれない。最強の自力選手と、最強の自在選手が組むラインは見ている側も非常に楽しみだが、別線にとっては何とも戦いにくい相手となるはず。この連携がまた現れた際は、別線がどのような作戦で挑むのかも非常に興味深い所だ。

ガールズケイリンフェスティバル結果

同日11Rに行われたガールズケイリンフェスティバルは久米詩が優勝。今年5月の平塚ガールズケイリンコレクションに続き、2度目のビッグレース優勝となった。

1回目のスタートで２野口諭実可が落車し、再発走となるアクシデントが発生。2回目で正常なスタートとなった。初手は４吉川５山原３石井１児玉７小林２野口６久米も、６久米が早めに動き2番手から3番手に入る。最終ホームで仕掛けた１児玉の後ろが離れると、６久米が追い上げ2番手に入る。直線はそのまま番手から６久米が抜け出し優勝。2，3着には後位に入った４吉川、３石井が入った。