JKAは6月30日より、ガールズケイリン開催における平均競走得点を改定した。一般開催では、着順点が1点引き上げられている。これは、成績不良による強制代謝審査対象者数の適正化を図るための施策とされているが、今回はこの辺りの話題を改めてひも解いて解説する。

ガールズケイリンの選手数はまだまだ足りない

2026年8月現在、ガールズケイリンの選手数は224名(海外選手除く)。ガールズ1期生である102期生が33名でスタートしたことを考えるとその7倍程度にまで増加し、一時よりもかなり改善されたことは確かだが、これでもまだ足りないのが現状だ。

この先、オールガールズクラシックや女子オールスターのような(ほぼ)ガールズだけの開催を定期的に実施するとして、12R制であれば84名、9R制でも63名の選手が動員される。

男子選手の開催で最も選手数が多い日本選手権でも162名であり、この数字は「S級選手」の内約25%に当たる。しかし、現状のガールズ選手数で84名を動員するとなると、「全選手」の内約38%、63名でも約28%を動員しなければならない。そうなると、ガールズだけの開催前後は極端に開催数が減ることになる。この比較を見ても、どれだけガールズの選手数が不足しているかが分かる。

選手数を「増やす」フェーズ

よって、現在のガールズは選手数を「増やす」フェーズが続いている。

男子は毎年70名前後がデビューし、60名が代謝により引退する。それに加えて自主的に引退する選手も毎年十数名出るので、実質選手数は毎年維持か微減となる。現に、2025年は127期生が70名デビューしたが、74名が引退したため男子全体では4名の減少となった。

しかし、ガールズは毎年20名前後がデビューし、6名が代謝により引退。そこに数名が加わっても、選手数は毎年10名前後増える。2025年は20名デビュー・9名引退で11名増となった。

ガールズの代謝は最低限

それに伴い、ガールズの代謝ラインはかなり易しめに設定されている。

「3期平均競走得点が47点」というのは、具体的な着順でいえば一般開催で6着・6着・4着。予選はおろか、一般戦ですら3着に入らなくてもクリアできる点数である。一方、男子の70点は予選を敗退した場合、5着・2着・2着(選抜の場合は5着でOK)。開催中1回は車券に絡まないとクリアできない。

さらにいえば、2026年前期のガールズ代謝ボーダーは「45.12」だった。これは7着・7着・5着でOK。最終日一般戦の大敗さえ回避すれば…という数字である。それだけ、選手数を確保しようという努力がなされている。

それでも足りない選手数、異常な代謝候補数

しかし、ガールズ選手は産休・育休を取る場合も多く、選手数と「実際にレースに参加できる選手数」に乖離がある。現に、8月現在で10名前後の選手が産休・育休中であることが確認されている。これは上に触れた、2025年に増えた選手数とほぼ一致する。すなわち、選手数が増えてもその分欠場となる選手もいるので、実際にレースに参加できる選手数は増加分を下回る可能性が大きい、ということだ。

さらに、2026年前期にはいわゆる「3期目」(前期・前々期に47点を切っていた選手)の選手が21名、全体の約10%に上っていた。これは男子選手でいえば、200名以上が代謝の危機にさらされていることになる。

これでは、最終日一般戦で6・7着を取って点数を下げるリスクを負うなら、欠場して次回にかける選択が現実的になるのも明らか。しかもただでさえ公傷制度のないガールズケイリンだけに、3期目の落車・大ケガでもしようものならその時点で代謝圏確定、再チャレンジ制度行きが決まる可能性も孕んでいる。この代謝候補数の多さが、レース参加選手数の減少、ひいてはガールズケイリンの魅力の低下の原因にもつながっている。

だから点数調整が必要

これでようやく表題の答えが出る。競走得点を1点上げ、代謝をできるだけ意識しないような点数構成とすることで、選手の必要以上の欠場を防止・レース参加選手数を維持する。これはガールズケイリンの体制維持のためにも、「当然の施策」と言えよう。

点数が1点上がることで、例えば2026年前期を例にとると、21名だった代謝候補選手が13名に減る。これなら対象者が下位5~6%程度となり、毎年100名前後が候補となる見込みの男子との格差が大きく縮まる。

他にやるべきこと

それでも、制度にはまだ見直す部分はあるだろう。ファンや関係者の中でよく言われているのが、「実力差を埋める2層制の導入」や、「新人選手の1期代謝猶予」だ。前者は選手数が足りないだけに直近での導入は現実的ではないが、後者は十分に可能性がある。再チャレンジ制度がその代替と言えるかも微妙な状態だけに、改めてここは今後、検討の余地があるのではないか。