2026年10月5日(月)から11日(日)まで、イギリス・ロンドンのリー・バレー・ヴェロパークで「UCIマスターズ世界選手権自転車競技トラック」が開催されています。35歳以上の選手が年齢カテゴリー別に世界一を争う大会で、日本からも多数の選手が参戦。その中で現役競輪選手として男子スプリントに挑んだ伊藤信と市本隆司が、それぞれのカテゴリーで優勝する快挙を成し遂げました。競輪、そしてPIST6でも圧倒的なスピードを見せてきた2人が、世界の舞台でそろってマイヨ・アルカンシエルを獲得しています。

伊藤信が40~44歳スプリント制覇!通算3度目の世界一

男子40~44歳カテゴリーのスプリントに出場したのは、大阪92期の伊藤信。42歳となった現在もS級1班に在籍し、競輪では単騎戦もいとわない強烈なダッシュを武器にトップクラスで戦っています。

ロンドンでもそのスピードは健在でした。予選2位で勝ち上がった準決勝では、アルゼンチンのルーカス・ペレッティを撃破して決勝進出。決勝では予選トップだった地元イギリスのマシュー・ミーンウェルを3本目までもつれ込み接戦の末破り、40~44歳カテゴリーの世界王者に輝きました。

伊藤は2022年のマスターズ世界選手権で35~39歳スプリントを制し、2024年にはカテゴリーが40~44歳に変わっても再び優勝。今回のロンドン大会を合わせてマスターズ世界選手権スプリントで通算3度目の優勝となりました。年齢区分が上がっても世界トップのスプリント力を維持していることを、改めて証明した形です。

55歳・市本隆司も圧巻!予選トップから世界王者へ

さらに男子55~59歳スプリントでは、広島72期の市本隆司が世界一に輝きました。市本は55歳となった現在もA級2班で競輪選手として現役を続けています。

特に圧巻だったのがスプリント予選のフライング200m。市本は10秒701、平均速度67.283km/hを記録して堂々の1位。2位のマレク・スコルスキが11秒335だったため、わずか200mの計測で0秒634もの差をつける突出したタイムでした。

予選上位で勝ち上がった市本は、準々決勝でアメリカのアラム・ベイザイーと対戦。3周で争うマッチスプリントを2本連続で制し、ストレートで準決勝へ進出しました。その後も準決勝でアメリカのウィリアム・ウォンを、決勝でポーランドのスコルスキをいずれも圧勝で下し、最終的に55~59歳カテゴリーの頂点へ。2022年の50~54歳スプリント以来となる、自身2度目のマイヨ・アルカンシエルを手にしました。

市本は2022年優勝、2023年3位、2024年2位(後繰り上がり優勝)と、マスターズ世界選手権で長年にわたり世界トップクラスを維持してきました。カテゴリーが55~59歳へ上がった今回、再び金メダルまで戻ってきたことになります。

現役競輪選手2人が同じ大会で世界王者に

伊藤と市本は、競輪だけでなく250mバンクで行われたPIST6でも活躍してきた選手です。マスターズ世界選手権のスプリントも250mトラックを舞台に、予選の200mタイム計測から1対1のマッチスプリントへ進むため、純粋な最高速だけでなく、相手との駆け引きや仕掛けのタイミングも重要になります。

2022年にも2人は同じ大会でそろって世界王者になっており、2026年のロンドンで再び「伊藤信&市本隆司」のダブル優勝が実現しました。国内ではそれぞれS級1班、A級2班で走る現役競輪選手が、年齢別とはいえ世界選手権でそろって頂点に立ったことは大きなニュースです。

大会は10月11日まで続きますが、競輪ファンにとっては早くも忘れられない大会となりました。世界王者の証である虹色のジャージを再び手にした2人が、今後国内の競輪でどのような走りを見せるのかにも注目です。