女子オールスター競輪展望|佐藤水菜 年間パーフェクトグランドスラムへの道
8月7日から9日まで、佐世保競輪場で第2回女子オールスター競輪が開催される。42名のトップレーサーが集結する3日間。昨年の初代女王・佐藤水菜が連覇と年間パーフェクトグランドスラムへ前進するのか、それともファン投票1位の児玉碧衣をはじめとする実力者が絶対女王を止めるのか。佐世保では初のG1開催となり、ガールズケイリンの現在地を示す重要な一戦になる。
佐藤水菜 2年連続の年間完全制覇へ
中心は佐藤水菜で異論はない。昨年は女子オールスターを含む4つのG1と年末のガールズグランプリをすべて制覇。2026年もオールガールズクラシック、パールカップを連続完全優勝し、前回立川でも海外勢をねじ伏せ、今年ここまで12戦12勝だ。
現在の佐藤の強さは仕掛けの自由度にある。早めに前へ出て押し切ることも、好位置を取って短い距離を一気に踏むこともできる。直線の短い佐世保では後方に置かれるリスクを避け、最終ホームまでに前団へ入る形が理想だろう。初日のドリームレースから強敵がそろうが、自らレースを動かせば連覇へ最短距離を進める。
今回を制すれば、残るG1は11月の競輪祭女子王座戦のみ。その先のガールズグランプリまで勝ち切れば、2年連続の年間完全制覇という前例のない領域へ到達する。女子オールスターは、その壮大な挑戦の中間地点である。
佐藤を追う児玉碧衣、太田りゆ、梅川風子
最大の対抗格は児玉碧衣だ。ファン投票では10年連続1位。2026年も12回優勝、先行主体へモデルチェンジしながら勝ち星を重ねている。佐世保では30連勝中と抜群の相性を誇り、短い直線で先にスピードへ乗る形は児玉に合う。近年の大舞台では佐藤の壁に阻まれているが、走り慣れた九州のバンクで早めに主導権を握れば逆転の可能性はある。
太田りゆは長い助走を必要とせず、一瞬でトップスピードへ入れる点は佐世保向き。位置取りで後手を踏まず、佐藤より先に仕掛けられるかが鍵となる。梅川風子も前回前橋で難敵を相手に完全V、先行と捲りの両面で安定。力勝負になればドリーム組でも見劣りしない。
仲澤春香を筆頭に新勢力も台頭
仲澤春香はパールカップで先行して2着に粘り、佐藤に正面から勝負を挑んだ。今回は予選からのスタートとなるが、自力でレースを作れるため勝ち上がりは有力。短い直線を味方に早めに駆ければ、決勝でも見せ場を作れる。
実績組では久米詩・坂口楓華・柳原真緒・吉川美穂はいずれも決勝進出候補に挙げられる。久米は好位置を確保してからの仕掛けに安定感があり、佐藤、児玉らが互いを意識すれば先に抜け出す場面もある。坂口は自力で勝ち切る形を確立して今年10回優勝。柳原は昨年決勝3着の舞台で巻き返しを狙い、吉川は立ち回りの柔軟さと直線の伸びが武器だ。
キャリアが長い尾崎睦と山原さくらも経験では引けを取らない。尾崎は捲りを基本に今年G1・2回をいずれも優出。前々へ攻める姿勢が佐世保に合う。山原は前回弥彦で区切りの通算700勝を達成し、いい形でここに臨む。児玉や佐藤の後方で構えるより、自分から動ける選手にチャンスが広がる開催となりそうだ。
ガールズドリームレース診断
初日12Rのガールズドリームレースには、ファン投票上位の児玉碧衣、太田りゆ、佐藤水菜、久米詩、石井寛子、河内桜雪、梅川風子が出場する。誰が前を取り、誰が強い自力選手の直後を確保するかで展開は大きく変わる。
主導権候補は児玉、太田、佐藤、梅川。佐藤が前受けなら、そのまま突っ張るよりも一度位置を下げて勝負どころから踏む可能性が高い。児玉は佐藤より前でレースを進め、先捲りかカマシでスピード勝負へ持ち込みたい。太田は両者の動きを見ながら短い距離を一気に踏む形、梅川は中団以内を確保して先に動く形が理想となる。
久米は自力勝負を基本としつつ、強い選手の動きに乗れる点が強み。石井は位置取りと直線勝負の巧さで対抗し、河内は好位追走から表彰台を狙う。佐世保では大外一気より内寄りの好位置が有利。スピード上位の佐藤を中心視するが、児玉の先行、太田の先捲り、石井の位置取りには警戒が必要だ。
注目当地巧者~小林優香・那須萌美
伏兵以上の評価が必要なのが小林優香だ。佐世保では過去6回出場して6回すべて優勝。7月にも完全優勝しており、走路との相性は数字以上に明確だ。短い直線を理解した仕掛けと、一度スピードへ乗った時の持続力は今もトップクラス。ドリーム組ではないため予選から勝ち星を積み上げ、決勝で強豪へ挑む形になる。
那須萌美も当地4開催連続優勝中。自力型の直後を確保する嗅覚と、最後まで追走する脚がある。7月の佐世保でも優勝しており、今回も位置取り次第では決勝進出が見える。当地経験を最大限に生かせる二人は、人気にかかわらず押さえておきたい。
ガールズ前半戦展望
今回は女子オールスター本戦の他に、前半に4レース制のガールズトーナメントが行われる。4レース制だが決勝は1レースなので、勝ち上がりには最低でも2着2本・もしくは3着・1着が欲しい狭き門だ。
頭一つ抜けているのは岡本二菜だ。前回岐阜では吉川美穂を破り完全V。徹底先行型が少ない今回は早めの仕掛けで前を呑み込み押し切る形が理想となる。
5場所前の高知で酒井亜樹・石井貴子を撃破した加藤舞が対抗格。自在に動ける強みで逆転を狙う。同じく自在性の高い岩元杏奈も前々に動き、本デビュー後初優勝をもくろむ。
昨年はオールスター本戦で準決勝に勝ち上がった永禮美瑠は近況勝ち切れないが、ここに入れば力上位。直線の短い佐世保では仕掛けのタイミングがカギ。上位での実績は群を抜いている林真奈美、先行意欲はメンバー中断然の加藤恵らも決勝進出を狙っている。
競輪ルーキーシリーズプラス展望
さらに、129期・130期の新人選手を対象とした競輪ルーキーシリーズプラスも開催。それぞれの成績上位者がプライドをかけて激突する。
男子:伊藤京介・中村嶺央が一歩リード
男子は14名から7名が決勝へ。軸となるのは最速で特別昇班を果たした伊藤京介と、早くも怪物の呼び声が高まる中村嶺央だ。伊藤は持ち前のダッシュでチャレンジ戦を9連勝、中村は前回取手初日に後続を約30m引き離す圧巻の走りを見せた。もちろんアドバンスルールで展開に左右される部分は大きいが、順当なら優勝争いは当然だろう。
それ以外にも2連続優勝を果たした吉川敬介、前回岐阜が好内容だった滿田光紀、2連続Vでようやく軌道に乗り始めた在所ナンバーワンの沢田桂太郎など好素質の選手が揃っている。
女子:川上いちごVS小原乃亜の一騎打ちか
女子はスーパールーキーの名をほしいままにしている川上いちごが中心。本デビュー後9戦8勝、倒した相手も尾方真生・那須萌美・太田美穂・石井貴子・高木萌那などG1級がズラリ。ここを勝って更なるステップアップを目指したい。
一方、在所1位の小原乃亜は卒業記念レースの落車で出遅れたが、本デビュー後は期待通りの走りで6戦4勝。順当なら両者による一騎打ちが有力だ。そこに割って入るのは前回伊東で鈴木美教、松井優佳らを下した山田南。2強が意識し合う展開なら先に動いての逆転がある。
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