豊橋競輪開設77周年記念G3「ちぎり賞争奪戦」が、7月25日から28日までの4日間にわたって開催される。寺崎浩平、南修二の欠場によってS級S班は眞杉匠ただ一人。実績では眞杉が抜けた存在となるが、前回覇者の新山響平、豊橋に特別な思いを持つ深谷知広、地元地区の志田龍星ら各地区の強豪がそろい、決して一強とは言い切れないシリーズとなった。

S級S班 眞杉匠がただ一人のSSとして登場

優勝候補の筆頭は眞杉匠だ。前走のサマーナイトフェスティバルでは大会3連覇こそ逃したものの、二次予選で白星を挙げ、準決勝でも厳しい展開をしのいで決勝へ進出。自ら風を切るだけでなく、前を任せた際の番手戦や、勝負どころで位置を取り切る総合力は今シリーズでも一枚上だ。

関東には菊池岳仁をはじめ積極型がそろう。菊池が迷わず主導権を取り、眞杉が番手を回る形になれば強力だが、眞杉自身が先頭で戦っても問題はない。寺崎、南の欠場でSSとして包囲される立場になるだけに、後方で構えるよりも早めに勝負圏を確保したい。どのラインを選び、どの位置で戦うか。SSとしての判断力が問われる。

北日本 前回覇者・新山響平に援軍充実

北日本の中心は新山響平だ。今年3月の当地記念では展開を活かして逃げ切り優勝。長い直線を意識して仕掛けを遅らせる選手も多い中、迷わず前を取り、突っ張って自分のペースへ持ち込めるのが強み。近況も主導権を握る姿勢は一貫しており、連覇へ向けて展開を待つ必要はない。

新山の後ろには成田和也、守澤太志、永澤剛が控える。成田は前を残しながら最後に伸びる技術、守澤は厳しいけん制とコース取り、永澤は直線での鋭い決め脚が魅力だ。誰が番手を回っても強力で、新山が先手を奪えば北日本ライン全体が勝ち上がる可能性が高い。眞杉を破る最有力地区と言っていい。

関東 眞杉を支える実績豊富な布陣

吉澤純平、宿口陽一は、自力を残しながら番手戦もこなせる経験豊富な自在型だ。眞杉や菊池との連係が実現すれば、関東は先頭から後方まで隙のないラインを形成できる。

菊池は近況も変わらず先行への意識が高く、別線に脚を使わせる役割を担える。豊橋は直線が長いものの、カントを利用してペースに入れれば粘れる。桑名僚也は近況、G3・F1戦を問わずに安定して上位に食い込んでおり、3番手回りも仕事は堅実。

若手では中島詩音も侮れない。積極策を基本としながら、展開次第では捲りにも回れる。関東がまとまらず複数ラインとなった場合、中島の先行がレースを大きく動かす可能性がある。

南関東 深谷知広が思い出の豊橋を駆ける

南関東は深谷知広が中心となる。現在は静岡所属だが、デビュー当初から長く豊橋をホームとし、65周年記念では師匠・金子貴志とのワンツーを決め制覇。当地への思い入れは他の遠征選手とは比較できない。近況も自力の迫力は十分で、早めに仕掛けても末脚が鈍らず、捲りに回れば一気に前団をのみ込む。眞杉、新山と比べても機動力で見劣りせず、実質的な地元の声援を受けて優勝争いへ加わる。

小原太樹は深谷との連係がかなえば絶好の番手。援護力と差し脚を兼ね備え、直線の長い豊橋では逆転まで考えられる。長田龍拳は先行への意欲が強く、前で戦って南関東勢へ流れを作る役割が期待される。

中部 地元地区の総力戦で記念奪還へ

近況ビッグ戦線では苦戦続く中部勢も、ここは地元地区の意地を見せたい。機動型の中心は志田龍星だ。トップクラスを相手にも積極策を崩さず、近況は先行だけでなく捲りでも勝ち切っている。豊橋のカントを使ってスピードに乗れば一発の魅力は十分。

棚瀬義大も地元地区を代表する若手として注目したい。長い距離を踏める地脚があり、ラインの先頭でレースを作れる。連係時は強力な二段構えも考えられる。

地元愛知の岡本総は、今やビッグレースにも定着した追い込み型。直線での判断力と伸びは地元勢随一で、志田、纐纈洸翔、平野想真らを目標に優勝を狙う。

71周年記念の覇者・吉田敏洋はベテランとなった現在も自力を失っておらず、若手の後ろだけでなくいざとなれば自ら動く選択肢も持つ。地元勢の並びは複雑になりそうだが、役割を明確にできれば中部から複数の決勝進出者が出ても不思議ではない。

近畿 若手機動型を東口善朋が支える

近畿は寺崎浩平、南修二の欠場で戦力構成が変わった。脇本勇希久田朔が機動型としてラインを引っ張る。脇本は昨年、当地アジアパラ協賛競輪で単騎戦を跳ねのけG3初優勝。仕掛けがはまった時の破壊力は誰もが知るところ。久田も若さを生かした積極策が持ち味で、格上相手でも主導権を譲らない。

東口善朋は豊富な経験と的確な援護で若手を支える。直線が長い豊橋では追い込み型の出番も多く、脇本や久田が早めに前へ出れば、最後は東口の決め脚が生きる。

中四国・九州 当地記念覇者の町田太我に警戒

中四国では町田太我が中心だ。3年前の当地74周年記念では、決勝で主導権を握ってそのまま逃げ切り優勝。豊橋で勝つための走りをすでに証明している。近況も積極策を続けており、ラインの援護が整えば再び記念制覇へ届く。

九州は北津留翼の一撃が魅力だ。後方に置かれる危険はあるが、スピードに乗った捲りは今シリーズでも屈指。園田匠が連係できれば、長い直線での逆転も十分だ。伊藤颯馬は先行、捲り、位置取りを使い分けられる自在型で、九州一枚岩で決勝進出を目指す。

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まず注目したいのは塩島嵩一朗。積極性とスピードは一線級へ届く素質で、1月大宮記念で古性優作を下したのは記憶に新しいところ。近況は落車の影響から状態を戻してきれていないが、仕掛けがかみ合った時の走りは強烈。自ら主導権を奪って波乱を起こしたい。

永井哉多はS級昇級後、敗者戦ながら早くも2勝を挙げている。A級時代から自力には定評があり、相手が強くなっても前へ出る姿勢は変わらない。豊橋の走りやすいカントは、迷わず踏める若手に向いている。

地元の鈴木伸之も狙い目だ。派手さはないが、G3でも準決勝へ進む安定感を持ち、若手の仕掛けに離れず追走できる。地元中部の機動型が豊富な今開催では展開面の恩恵も大きく、予選から連下、展開次第では頭まで警戒したい。

まとめ

総合力では眞杉匠が優勝争いの中心だが、前回覇者の新山響平、元地元の深谷知広がほぼ互角に迫る。地元地区の志田龍星らもラインの厚みを生かせば優勝まで届く。

豊橋は脚質を問わず力を発揮できるだけに、単純な先行有利、追い込み有利では片づけられない。強力な機動型がそろった今シリーズでは、誰が主導権を握るか以上に、その後ろを誰が回るかが重要となる。ただ一人のS級S班として眞杉が格の違いを見せるのか、それとも豊橋巧者がそれを止めるのか。初日から目が離せない。

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