競輪選手養成所127期を早期卒業し、半年でS級に特別昇級した市田龍生都(福井)。父にG1ウイナー・佳寿浩氏を持ち、宿命のレーサーとして次世代を担う。今回は、2026年6月現在の市田のS級実績(2025年7月~2026年6月の全27走)から、現状の特徴を徹底的に分析する。

全体成績|勝率44.8%、展開差が大きい

市田は単純な長距離先行型ではなく、自分が勝てる距離を明確に持ち、センター部分から最終ホーム付近で惰性を作り、そこから一気に加速するタイプといえる。

そのため、得意条件では非常に強い一方で、相手にタイミングを読まれたり、勝負距離より前から踏まされたりすると、大きく崩れる傾向が強い。

項目数値評価
対象レース数29走
1着回数13勝勝ち切る力は高い
勝率44.8%自力型としてかなり優秀
2連対率62.1%2着以内に残る力もある
3連対率65.5%車券圏内の安定感も一定以上
平均着順3.10着勝つ時と崩れる時の差がある

全体では29走13勝、勝率44.8%。数字だけ見ればかなり優秀だ。

ただし、平均着順は3.10着で、負ける時には5着以下まで崩れるレースも散見される。つまり、現状は安定して2〜3着にまとめるタイプというより、勝つ時は強く、展開を外すと大敗もあると見るべきだ。

周長別成績|333m・500mは経験薄く・・・

周長走数1着勝率2連対率3連対率平均着ライン傾向評価
333m4走3勝75.0%75.0%75.0%2.75着連れ込み1回・崩壊3回本人の頭は強いがラインは割引
400m18走9勝50.0%61.1%61.1%3.00着連れ込み9回・維持2回・崩壊5回最もバランスが良い主戦場
500m7走1勝14.3%57.1%71.4%3.57着全7走でライン崩壊着拾いはあるが勝ち切りとラインは大幅割引

最も信頼できるのは400mバンク。18走9勝、勝率50.0%。さらにライン連れ込みも9回あり、本人の勝ち切りとライン決着が最も両立しやすい。

333mは4走3勝で勝率75.0%と高いものの、4走中3走でラインが崩壊している。短走路では本人の一撃が強烈なぶん、番手が離れやすい点に注意が必要な上、S級ではまだ昨年11月の小田原しか経験がないため、あくまで参考程度に見るのが妥当。

500mは7走1勝で勝率14.3%。2連対率57.1%、3連対率71.4%と着には残っているが、全7走でラインが崩壊している。500mでは、本人を2・3着に置く評価はできても、1着固定やライン決着は慎重に見たい。

隊列別成績|二分戦は最上位評価、四分戦はライン割引

隊列走数1着勝率2連対率3連対率平均着ライン傾向評価
二分戦3走3勝100.0%100.0%100.0%1.00着全てライン連れ込み最も買いやすい条件
三分戦16走6勝37.5%56.2%62.5%3.13着連れ込み5回・崩壊8回標準条件。仕掛け位置と相手関係次第
四分戦9走4勝44.4%55.6%55.6%3.89着連れ込み2回・崩壊7回本人の頭はあるがラインは危険
単騎1走0勝0.0%100.0%100.0%2.00着評価対象外サンプル少

二分戦は3走3勝、すべてライン連れ込み。相手ラインが少なく、主導権の取り方がシンプルになり、市田の良さが出やすくなる。

三分戦は16走6勝で標準的。相手の同型有無、初手の位置、仕掛けるタイミングによって結果が大きく変わる。

四分戦は勝率44.4%と一見悪くありないが、9走中7走でラインが崩壊。細切れ戦では本人の勝ちとライン決着が一致しにくいため、車券では相手を別線まで広げる必要がある。

初手別成績|前受けと後ろ攻めの差が大きい

初手走数1着勝率2連対率3連対率平均着評価
12走8勝66.7%75.0%83.3%2.00着最も信頼できる
後ろ10走2勝20.0%50.0%50.0%3.90着前に比べ成績下落
後ろ中団3走3勝100.0%100.0%100.0%1.00着本人は強いが全てライン崩壊
前中団2走0勝0.0%50.0%50.0%5.50着判断が難しい位置
中団2走0勝0.0%0.0%0.0%6.50着もつれると厳しい

初手で最も信頼できるのは「前受け」。12走8勝、勝率66.7%、3連対率83.3%と非常に安定している。前受けが強い理由は単に前にいるからではなく、突っ張り、引いての巻き返し、最終ホーム付近からの再加速など、複数の選択肢を持てるためだ。

それに対し、後ろ攻めは10走中2勝と勝率が一気に低下。後ろから脚を使って先行した分、末を欠いたり先行争いに巻き込まれたりして大敗するケースも少なくない。

後ろ中団は3走3勝だが、全てラインが崩壊している。本人の1着は評価できても、番手・三番手をそのまま信頼するのは危険だ。

展開別成績|突っ張り先行とカマシ・捲りは頭で強い

展開走数1着勝率2連対率3連対率平均着ライン傾向評価
突っ張り先行4走4勝100.0%100.0%100.0%1.00着全てライン連れ込み最強形。ライン本線で買える
カマシ・捲り7走7勝100.0%100.0%100.0%1.00着連れ込み4回・崩壊3回本人の頭は強い。ラインは条件付き
先行・逃げ6走1勝16.7%66.7%66.7%2.83着連れ込み2回・崩壊2回着には残るが勝ち切りは弱め
先行争い4走0勝0.0%0.0%0.0%6.75着全てライン崩壊明確な消し材料
叩かれ3走1勝33.3%33.3%33.3%4.00着安定せず勝負距離を待つ癖が裏目に出る形
捲り届かず2走0勝0.0%50.0%100.0%2.50着全てライン崩壊2・3着評価

突っ張り先行は4走4勝、全てライン連れ込み。現時点で最も信頼できる。

カマシ・捲りも7走7勝で、本人の1着としては非常に強い。ただし、7走中3走はライン崩壊しているため、捲りで勝つ時は後ろが離れるケースも想定する必要がある。

先行争いは4走0連対、平均6.75着、全てライン崩壊と悲惨な成績。相手に同型がいて踏み合いになりそうな番組では、全幅の信頼までは置きづらい。

踏み始め別成績|打鐘2センター〜最終ホーム~採取1センターが勝負距離

踏み始め走数1着勝率2連対率3連対率平均着評価
センター(打鐘2センター/最終1センター)〜2角12走6勝50.0%66.7%66.7%3.08着勝負所として重要。ただし展開次第で崩れる
最終ホーム6走3勝50.0%66.7%66.7%2.67着400mでは特に有効
打鐘〜ホーム前6走3勝50.0%66.7%66.7%3.00着勝ちはあるがライン崩壊が多い
最終バック3走0勝0.0%33.3%66.7%3.33着届くが勝ち切りまでは弱い
踏み直しできず1走0勝0.0%0.0%0.0%8.00着踏み合い消耗の典型

市田の傾向として、最終ホーム前後でスピードを乗せる形が合っている。特に400mでは、最終ホームから1センターにかけて加速し、バックからゴールまで踏み切る形が理想。

一方、最終バックからの仕掛けでは3走0勝。届いて2・3着はあるが、勝ち切るにはやや遅い仕掛けになりやすい。

ラップ分析|最終半周で1秒以上落ちると危険

次にラップ分析。全28走を確認すると、市田は最終半周での失速幅が結果に直結している。

最終半周の失速幅走数1着勝率2連対率3連対率平均着ライン傾向
0.5秒以内12走7勝58.3%75.0%83.3%2.33着連れ込み7回
0.6〜0.9秒12走6勝50.0%75.0%75.0%2.42着崩壊7回
1.0秒以上4走0勝0.0%0.0%0.0%6.75着全てライン崩壊

最終半周の失速が0.5秒以内に収まったレースでは、12走7勝、2連対率75.0%、3連対率83.3%。

一方、最終半周で1.0秒以上落ちたレースは4走0連対、平均6.75着、全てライン崩壊。

つまり、全力で踏める距離を超えると一気に成績が悪化するタイプといえる。勝負距離は、残り300〜400m付近でトップスピードに乗せる形と見るのが自然だ。

ライン連れ込みの評価|本人の1着とライン決着は別物

ライン状態走数1着勝率2連対率3連対率平均着評価
連れ込み10走9勝90.0%100.0%100.0%1.10着ライン本線で買える
崩壊15走4勝26.7%46.7%53.3%4.13着本人だけ評価、相手は別線も必要
維持2走0勝0.0%0.0%0.0%4.50着勝負としては弱い

ライン連れ込みに成功した10走では9勝、勝率90.0%、2連対率100.0%。ラインが機能する展開では、かなり信頼できる。

一方、ライン崩壊した15走でも4勝している。これは、市田自身は強烈なダッシュで勝てるものの、番手・三番手が離れるケースが多いことを示している。

したがって、車券では市田の1着固定ライン決着を同じ意味で扱わないことが重要だ。

買える条件・危険な条件

厚く買える条件

  • 400mバンク
  • 二分戦〜三分戦
  • 初手で前を取れる番組
  • 突っ張り先行が可能な構成
  • 同型が少なく、マイペースで踏める展開
  • センター〜最終ホームで惰性を作れる展開

評価を下げる条件

  • 先行争いが濃厚な番組
  • 四分戦で位置取りが難しい番組
  • 前に立った後に流すと叩かれそうな構成
  • 後方から捲るが、相手に合わされそうな番組
  • 500mで人気を背負うケース
  • ライン全体で過剰人気になっている時

車券での取り扱い方

評価条件買い方の目安
A:本線評価400m、二分戦〜三分戦、前受け、突っ張り先行、同型が少ない1着固定。番手・三番手のライン連れ込みも本線
B:頭は評価、ライン割引333m、後ろ中団からの一撃、強烈な巻き返し想定本人の1着は買えるが、相手は別線も混ぜる
C:2・3着寄り500m、最終バック捲り、後方から届くかどうかの展開勝ち切りより2着・3着付けや押さえ向き
D:評価下げ四分戦、中団もつれ、先行争い、突っ張られ・合わされそうな構成人気なら嫌う材料。別線の頭や番手差しを重視
E:見送り・少額500mで人気、強い同型がいる、前で流して叩かれそうな番組無理に本線化せず、少額または見送り

最終評価

市田は特に、400mバンク、前受け、二分戦〜三分戦、センター〜最終ホーム発進の条件がそろうと、本命としてかなり信頼できる。

ただし、全体29走中15走でライン崩壊しているため、常にライン丸ごと信頼できる選手ではない。特に後方からの巻き返しや333mの一撃では、本人は勝っても後ろが離れるケースが多い。

また、先行争いは4走0連対、平均6.75着。叩かれ・合わされ・突っ張られ系も明確に数字を落としており、相手に踏まされる展開が弱点。

ラップ面でも、最終半周で1.0秒以上失速したレースは4走0連対、全てライン崩壊。勝負距離を超えて踏まされた時のリスクは非常に大きい。

まとめ

・市田龍生都は、勝負距離を明確に持つ加速型の自力選手。

・センター部分から最終ホームにかけて惰性を作り、残り300〜400mで一気にトップスピードへ乗せる形が最も強力。

・400m・前受け・二分戦〜三分戦・突っ張り先行なら本命級。ライン連れ込みも十分期待できる。

・一方、333mは本人の頭を重視しつつラインは割引。500mは2・3着評価。四分戦や先行争い、叩かれ・合わされが想定される番組では、人気でも評価を下げる判断が必要。

免責事項

本記事は、実際のレースデータをもとに市田龍生都選手のレース傾向を分析したものです。実際のレース結果は、当日の並び、相手関係、風、バンク状態、選手コメント、体調などによって変動します。

車券の購入は、必ず公式情報や最新の出走表を確認したうえで、ご自身の判断と責任において行ってください。

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