競輪と期別
昨年行われた「KEIRINグランプリ2021」は、大阪100期の古性優作が優勝。昨年オールスターも制した古性は、100期初のG2以上のタイトルホルダーとなった。
今回は、競輪選手養成所(旧日本競輪学校)の「期別」に着目し、多くGP・G1優勝者を輩出しているのは何期なのかを調査した。なお、調査対象はGPが第1回から、G1はグレード制が施行された2001年以降とした。
グランプリ優勝者と期別
まず、グランプリ優勝者が多く出ている期別一覧は以下の通り。
優勝回数 | 期別 |
4回 | 75期 |
3回 | 41期 |
61期 | |
86期 | |
2回 | 43期 |
62期 | |
65期 | |
73期 | |
90期 |
最もグランプリ優勝回数が多いのは、太田真一(1999)、伏見俊昭(2001、2007)、金子貴志(2013)を輩出した75期。この他、75期からは手島慶介(群馬)も出ており、4名のグランプリ上位入着者を輩出している。
それに次いで優勝回数が多いのは、井上茂徳(1986、1988、1994)の41期、山田裕仁(1997、2002、2003)の61期、井上昌己(2008)、海老根恵太(2009)、村上博幸(2010)の86期。86期からは3年連続で異なるグランプリ優勝者が出ており、空前の”当たり期”と言える。
G1優勝者と期別
そして、G1(2001年以降)が多く出ている期別は以下の通り。
優勝回数 | 期別 |
22回 | 88期 |
11回 | 90期 |
10回 | 87期 |
8回 | 73期 |
86期 | |
7回 | 75期 |
6回 | 61期 |
5回 | 94期 |
4回 | 59期 |
65期 | |
81期 | |
3回 | 45期 |
64期 | |
85期 | |
98期 | |
101期 |
最も優勝回数が多いのは、断トツで88期。2位の90期に2倍の差をつけている。
それもそのはず、2014年グランプリ覇者の武田豊樹を筆頭に、佐藤友和、成田和也、山崎芳仁、渡邉一成と複数回G1を優勝したタイトルホルダーがズラリと並ぶ。更にG1の優勝はないものの、北京五輪ケイリンで銅メダルを獲得した永井清史も88期の出身であり、空前の”当たり期”であることが伺える。しかし、逆に言えばこれだけG1タイトルを獲得しているにもかかわらず、88期のグランプリ優勝者は武田のみ。どれだけ実力を兼ね備えていても勝てない、グランプリの一発勝負の難しさを証明しているとも言える。
続く90期は、新田祐大・浅井康太の2トップに、2014年の高松宮記念杯を制した稲川翔の3名で11回のG1優勝。こちらもS1の実力者を多数輩出している強豪揃いの期。87期はG1・8勝の平原康多を筆頭に、岩津裕介、園田匠の両追い込み選手がG1タイトルを獲得している。また、73期はダービー4勝・村上義弘の名前が燦然と輝くが、2008年の静岡ダービーを制した渡邉晴智も控えており、この期だけでダービー5勝を占めている。その他86期からは稲垣裕之、61期からは神山雄一郎が出ており、それぞれタイトルを獲得している。
まとめ
今回は、多くグランプリ・G1優勝者を輩出している期別について調査した。5名ものG1タイトルホルダーを輩出した88期が、やはり近年では最高の”当たり期”ということになりそうだが、もちろん今後の状況次第では、88期以上にグランプリ・G1覇者を輩出する期が現れる可能性がある。現在、G1優勝者の中で最も若い期の選手は、昨年競輪祭を制した107期の吉田拓矢。今年は一体、どの選手がG1タイトルを獲得していくのだろうか。
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