第29回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント決勝戦予想～頂上決戦に相応しいメンバーが揃った一戦を制するのは？

寛仁親王牌3日目振り返り

前橋競輪場で熱戦を展開してきた「第29回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」も3日目が終了。準決勝3レースの模様を振り返る。

10R

初手は⑧太田―⑦小倉―③村上―⑥椎木尾―④新山―⑨新田―②守澤―①郡司―⑤和田。残り2周半から④新山が抑えて主導権を握るが、打鐘手前から⑧太田が一気のカマシで先行勝負。⑨新田は最終ホームで3番手に切り替え、最終バックで捲って前を捕らえる。直線は⑨新田が押し切り、2着には東北勢を追っていた①郡司が②守澤をかわして滑り込んだ。

11R

初手は⑤平原―①諸橋―③深谷―⑦村上―⑨山田―④園田―⑥取鳥―②松浦―⑧橋本。青板から動いた⑥取鳥が、⑨山田の牽制を受けながらも主導権を奪う。⑨山田は4番手に入り、⑤平原、③深谷は共に不発。最終1センターで番手捲りを打った②松浦が押し切り、⑧橋本―⑨山田まで流れ込んだ。

12R

初手は②清水―⑥小川―⑨香川―⑤浅井―④渡邉―①佐藤―③脇本―⑦東口―⑧山田。青板から各ラインのにらみ合いとなったが、赤板ホームで仕掛けた③脇本がすんなりと前を叩いて打鐘先行。別線は何もできないまま、③脇本―⑦東口―⑧山田の態勢のままゴールを迎えた。

寛仁親王牌決勝戦予想

いよいよ頂上決戦の決勝戦。前橋バンクらしく、自力超強力のメンバーが勢揃いした。

印	番	選手名	登録地	競走得点	年齢	期別	今回成績
〇	①	脇本雄太	福井	119.46	31	94	❶❹①
	②	山田英明	佐賀	116.20	37	89	❶❻③
×	③	郡司浩平	神奈川	116.34	30	99	❷❾②
	④	東口善朋	和歌山	113.52	41	85	❺①②
◎	⑤	新田祐大	福島	120.33	34	90	❺❶①
	⑥	山田庸平	佐賀	109.25	32	94	②②③
▲	⑦	松浦悠士	広島	116.88	29	98	❹❷①
	⑧	橋本強	愛媛	110.38	35	89	②④②
△	⑨	守澤太志	秋田	113.94	35	96	❷❸③

①脇本雄太、⑤新田祐大のナショナルチーム2トップに、③郡司浩平、⑦松浦悠士。さらには②山田英明―⑥山田庸平の兄弟ラインと、役者は一通り揃い上がった。

予想のファクターを絞る

まず大前提として、今回の自力選手は全員G1を制覇できる脚力を持っている。どの選手も力不足ということが全くなく、展開一つで勝ち切ることが出来る選手ばかりだ。その上、②山田を除けば先行しても十分勝負になる選手ばかり。すなわち、展開・結果は何通りも予想できてしまい、一つに絞るなどということは到底不可能。実際に車券を買うのであれば、ある程度予想のファクターを絞り、「決め打ち」のような感じで買い目を組み立てなければならない。

賞金ランキングをチェック

そこで、今回重視するファクターは「賞金ランキング」である。現在、出走選手の賞金ランクは以下の通り。

松浦悠士	1位・グランプリ確定
脇本雄太	3位・グランプリ確定
郡司浩平	5位
山田英明	8位
守澤太志	11位
新田祐大	17位
東口善朋	48位
山田庸平、橋本強	51位以下

グランプリ出場を確定させているのが松浦・脇本の2人、グランプリ圏内につけているのが郡司・山田英の2人。そしてボーダーやや下に位置しているのが守澤・新田の2人だ。

松浦や脇本としては、すでにグランプリへの切符は手にしているので、後は自分が納得できるレースをして結果を伴わせればよい。5位の郡司は楽観できるほどではないが相当な優位に立っており、こちらも自分のレースをすればOKという腹積もりか。

8位の山田英は初のグランプリが見える位置に付けており、11月の競輪祭へ向けても1円でも賞金を上積みしたい。そして、今回最も優勝したいのが、17位の新田だろう。

出走回数が大幅に少なく出遅れを強いられた新田は、共同通信社杯・青森記念で猛チャージを仕掛けたものの、グランプリ出場にはまだ厳しい位置。今回と、競輪祭の残り2つのG1でグランプリ出場を掴むためには、双方で決勝進出はもちろんのこと、最低でも表彰台には上がっておかなければならない。ただし、同じスピードバンク・小倉で行われるとはいえ、競輪祭で決勝に進める保証はなく、できれば今回優勝で出場権獲得、最低でも2着でボーダーの9位以内に入っておきたいというのが本音だろう。

しかも、後ろは2日目も最後まで食い下がった守澤。自分が勝つレースをすれば、ある程度のところまでは付いてきてくれる、という信頼も新田にはあるはずだ。すなわち、新田は決勝戦、勝ちに徹する可能性が高い。

それは山田英にも言えることだが、こちらは地力で突破するのがやや難しいだけに、展開待ちの捲り・自在勝負が濃厚なのであまり考慮の必要はない。

それを踏まえての予想

よって、早めに主導権を握るのは①脇本か⑦松浦ということになりそうだが、後ろから抑えた⑦松浦がイン待ちするところに、①脇本がカマシで襲い掛かる展開が有力。その主導権争いを、③郡司、⑤新田が捲る展開になるだろう。

本線は①脇本の粘り込みに⑦松浦が迫り、さらに⑤新田が肉薄する①⑤⑦ボックス。逆転は③郡司の強襲で③流しに、東北ワンツーで⑤⑨。穴を狙うとすれば、②山田英―⑥山田庸の兄弟ワンツー。ラインがモノを言う前橋なら、脚力を気持ちでカバーして…という希望的観測ではあるが、ロマンは十分にある。

繰り返しになるが、ここまでの好メンバーが揃い、しかも細切れ戦になっては予想はさすがに困難。皆さんも、思い思いのファクターを駆使して、決勝戦の勝負に挑んでいただきたい。

予想信頼度：E

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