玉野競輪G3「瀬戸の王子杯争奪戦in広島」決勝戦結果＆回顧

玉野競輪G3　決勝戦結果

玉野競輪G3「瀬戸の王子杯争奪戦in広島」は今日決勝が行われ、広島98期の松浦悠士が優勝した。松浦のG3優勝は今年3回目、通算9回目。2着には取鳥雄吾、3着には和田健太郎が入った。払戻金は2車単が③⑧で1,320円（5番人気）、3連単が③⑧①で6,390円（19番人気）。

決勝戦回顧

初手は⑨山田英明―⑥小川勇介―⑦太田竜馬―⑧取鳥雄吾―②岩津裕介―④黒沢征治―①和田健太郎―⑤清水裕友―③松浦悠士。赤板で⑤清水が前に出るが、それを④黒沢、更には⑦太田が叩いて主導権。⑤清水は立て直して最終ホームから捲るが、④黒沢に合わされて不発。前では⑧取鳥が番手捲りを放ち押し切りを狙ったが、直線は切り替えて追い込んだ③松浦がゴール前でキッチリ差し切った。

苦しい展開を見事に跳ねのけ、地力の違いを見せつけた松浦悠士が、今年3回目の記念制覇を果たした。

レースは大方の予想通り、地元勢を背負った太田竜馬が打鐘からハイピッチで逃げる展開。ペースが上がり切ったことで隊列は縦に伸び、この時点で中団以降に置かれたラインはかなりの苦戦を強いられた。

人気を集めた清水裕友は最終ホームから巻き返しを狙ったが、誰の目で見てもスピードの乗りが芳しくなく、苦しい仕掛けに。中団をキープしていた黒沢征治の捲りに合わされ、最終バック前後で勝負権を失った。

一方で、絶好の展開となった取鳥雄吾は黒沢が迫ったと見るや最終3コーナー手前で番手捲り。黒沢を振り切った上、後位ももつれ気味とここまでは理想的な運び。あとは悲願の地元記念制覇へ向けて直線を踏み切るのみかと思われた。

しかし、松浦の真価はここから発揮された。清水が不発と見るや、俊敏に黒沢―和田の後位に切り替えると、最終2センターからはその両者のわずかな隙間に突っ込みコースを開拓。そこから広島の長い直線を利して、前を行く取鳥を図ったかの如く捕え、優勝のゴールを果たした。

実力差がフラットならば、まず取鳥の押し切りで決まっていたであろうレースを、圧倒的な地力で覆し優勝を飾った松浦。今回も決して楽なレースではなく、ともすれば清水と共倒れに終わってもおかしくない内容だったが、最終バック以降の判断力、直線のスピードはさすがの一言だった。今後、一体いくつのタイトルを積み上げていくのか、その興味を掻き立てられるような勝利となった。

2着に終わった取鳥は、これ以上ない理想的なレース展開。この形で勝てなければ…という感想がまず口を突いて出る程であり、松浦に実力差をまざまざと見せつけられる恰好となった。記念初制覇はお預けとなったが、今後は総合力の底上げを図り、グレードレース戦線でも勝てる展開を確実にモノにしていきたい。