ヒヤリとするレースが多かった3日目
松戸G3「燦燦ダイヤモンドカップ」3日目の準決勝が終了。
7Rは藤井栄二の早めの先行を清水裕友が最終ホームで叩き返す展開。番手の桑原大志が離れると、清水の後ろには藤井マークの山田久徳が入り、直線で清水を逆転した。新山響平は6番手に置かれる展開で不発。切り替え追い込んだ鈴木裕はゴール前強襲したが、3着が精一杯だった。
8Rは朝倉智仁が型通りの先行に持ち込むところへ、岩本俊介が襲い掛かる展開。朝倉智を叩くものの、平原康多が岩本マークの萩原孝之を捌き番手へ切り替え。直線は悠々と捕らえて1着でゴールに飛び込んだ。松本貴治は最終バックいいスピードで追い込んだものの不発。切り替え追い込んだ井上昌己がゴール前強襲するも3着だった。
9Rは坂井洋の先行を、深谷知広が打鐘からのロングスパートで粉砕。しかしマーク村上博幸が離れ、番手には坂井が収まる展開に。そのまま坂井が逆転を狙ったが、深谷の粘りも強靭で押し切り。2着にはいったんマークを外した村上博幸が盛り返し、3着に坂井が入った。
3レース全てで番手の選手が離れるシーンがあり、車券を買っていたファンにとってはヒヤリとする1日だったのではないか。結果的にはSS3人を含め、主役と目される選手がほとんど決勝に勝ち上がり、非常に濃いメンバーで決勝戦が争われることとなった。
決勝戦展望
車番 | 選手名 | 登録地 | 年齢 | 期別 | 今回成績 |
① | 鈴木裕 | 千葉 | 35歳 | 92期 | ❸①③ |
② | 清水裕友 | 山口 | 25歳 | 105期 | ❹②② |
③ | 深谷知広 | 愛知 | 30歳 | 96期 | ❷①① |
④ | 村上博幸 | 京都 | 41歳 | 86期 | ❶①② |
⑤ | 平原康多 | 埼玉 | 38歳 | 87期 | ❻①① |
⑥ | 山田久徳 | 京都 | 32歳 | 93期 | ①⑥① |
⑦ | 岩本俊介 | 千葉 | 36歳 | 94期 | ①①② |
ラインが出来たのは⑦岩本俊介―①鈴木裕の地元勢と、⑥山田久徳―④村上博幸の京都勢。②清水裕友、③深谷知広、⑤平原康多の3人は単騎戦を選択した。
最も脚力のある清水、深谷、平原が単騎戦を選択したことで、予想が極めて困難となった決勝戦。まず読まなければならないのは、赤板ホームから打鐘で山田と岩本のどちらが主導権を握っているか。打鐘過ぎ4コーナー以降は、単騎の3名も自ら仕掛けるレースになるはずで、そこからは自分に都合のいい展開を妄想するしかない。
順当に考えれば、車番が外になった山田が抑え、岩本は早めに引いての⑥④②③⑤⑦①の形から、打鐘前で岩本がカマす展開が最有力。もがき合いになったところを、単騎の3名が巻き返す形か。山田も掛かれば粘りは強靭だが、トップスピードは岩本の方がわずかに上と見て、そこに地元の利を加えて⑦①のラインが一旦前へ出ると見る。それを清水、平原、深谷が追う展開になりそうだが、そこから先は競輪の神のみぞ知る世界。単騎の3名がゴボウ抜きしてゴール前勝負に持ち込むか、鈴木が番手を活かして頭勝負に徹するか…。この辺りは、配当とも相談して車券を組み立てていただきたい。
本線は深谷―平原のゴール前勝負の③⑤、⑤③。当然、清水が絡む②③、②⑤、③②、⑤②も五分。逆転の目は鈴木の絡みで①②、①③、①⑤。波乱は前々粘る山田を活かす村上で④流し。
まとめ
今から本場のファンの唸り声が聞こえてきそうな、極めて難解なレースとなった松戸記念決勝戦。全員にチャンスがあり、収支がプラスとなるのであれば何十点でも買いたくなるような番組となった。皆さんも、最後の一分まで熟慮を重ねて勝負していただきたい。
競輪歴15年(みんなの競輪チーム 所属)
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