函館ナイターG3概報
昨日、函館競輪場でナイターG3「函館ミリオンナイトカップ」決勝戦が行われ、新潟92期の鈴木庸之が優勝を飾った。鈴木は通算25回目の優勝で、G3優勝は2015年5月の松阪以来、5年ぶり2回目。昨年2月ごろから腰椎ヘルニアに苦しみ、2019年をほぼ棒に振った鈴木だったが、鮮やかに復活を遂げた。2着には阿部力也(宮城)、3着には山岸佳太(茨城)が入った。
決勝戦詳報&回顧
決勝戦の対戦メンバーは以下の通り。
車番 | 選手名 | 登録地 | 年齢 | 期別 | 今回成績 |
① | 鈴木庸之 | 新潟 | 34歳 | 92期 | ⑤①② |
② | 山中秀将 | 千葉 | 34歳 | 95期 | ❺①② |
③ | 笠松信幸 | 愛知 | 41歳 | 84期 | ❸②① |
④ | 阿部力也 | 宮城 | 32歳 | 100期 | ❹②① |
⑤ | 椎木尾拓哉 | 和歌山 | 34歳 | 93期 | ❻①① |
⑥ | 山岸佳太 | 茨城 | 30歳 | 107期 | ③①② |
⑦ | 松谷秀幸 | 神奈川 | 37歳 | 96期 | ❷①③ |
初日特選から勝ち上がった5名を含む7名によって争われた。
周回中の並びは、⑥山岸ー①鈴木ー⑤椎木尾ー③笠松ー②山中ー⑦松谷ー④阿部。赤板で山中が上昇するも、山岸が突っ張り先頭のまま打鐘。阿部は5番手に切り替える。最終ホームから山中が再度捲りを放つが、鈴木の再三の牽制に遭い失速。椎木尾の捲りも不発に終わり、関東両者が先頭のまま直線へ。最後は余裕十分に鈴木が番手から抜け出し、5番手から直線中を割った阿部が2着。3着には粘った山岸が入った。
先行1車だった山岸が初手で前受けを選択した時点で、突っ張り先行はほぼ確定。ジワジワと踏み上げてマイペースに持ち込み別線を見事に完封した。しかしそれ以上に、鈴木の仕事の巧さが光った。好スピードで捲った山中を最終バックで牽制し、最終2センターから捲り追い込んだ椎木尾もブロックしながら両者不発にする展開。自力中心の戦いが続く鈴木だが、今後マーク選手に転身した際も、十分に活躍が期待できる一戦だった。
2着の阿部も、勝負どころのコース判断はさすがの一言。北日本有数のマーク巧者として、今後も好調を維持すれば特別競輪での活躍も十分可能だろう。7着の山中は積極的に前へ行く姿勢は見せたものの、航続距離の差が出てしまった印象。5着の椎木尾は自力戦では厳しかったか、今後は本領のマーク選手としての活躍が待たれる。
オールスター初日・ドリームレース展望
続いては、明日から行われるG1オールスター競輪の展望に移る。
まずは、初日の目玉・ドリームレースの対戦メンバーから。
車番 | 選手名 | 登録地 | 年齢 | 期別 |
① | 佐藤慎太郎 | 福島 | 43歳 | 78期 |
② | 脇本雄太 | 福井 | 31歳 | 94期 |
③ | 平原康多 | 埼玉 | 38歳 | 87期 |
④ | 清水裕友 | 山口 | 25歳 | 105期 |
⑤ | 新田祐大 | 福島 | 34歳 | 90期 |
⑥ | 深谷知広 | 愛知 | 30歳 | 96期 |
⑦ | 郡司浩平 | 神奈川 | 29歳 | 99期 |
⑧ | 浅井康太 | 三重 | 36歳 | 90期 |
⑨ | 松浦悠士 | 広島 | 29歳 | 98期 |
例によって、そのまま年末に同じ9人を集めてグランプリとして開催しても全く問題ないメンバーが集結した。
まず、脇本以外の8人は、脇本を8番手より後ろに置くことを目標にレースをしなければならない。残り1周までに脇本が中団以内にいれば、そこで勝負ありとなる可能性が高い。
主導権は清水か、深谷か。枠番的に後ろを取りそうな深谷が抑えたところに、清水が早めに巻き返す展開が最も濃いが、初手の展開が逆となって清水の抑え⇒深谷のダッシュ戦となる可能性ももちろんある。いずれにしても、この両者の先行争いだろう。新田は両者を見ながら行けるタイミングで仕掛ける。
先行争いが激しくなれば、それぞれの番手の松浦・浅井、単騎の各選手、そして新田が続々と襲い掛かり大混戦になる。しかし、後から仕掛けた方がすんなり引いて3番手ないし4番手を確保すれば、先行選手の番手(松浦or浅井)と捲った選手(清水or深谷)で決着する可能性もある。つまり、全ての展開があり得るということだ。
ここで留意しておきたいのは、ドリームレースと二次予選の勝ち上がり条件である。ドリームは5着、二次予選は3着までに入れば、準決勝に進むことが出来る。ドリームはともかく、二次予選3着以内はこのレベルの選手にとってさして難しい条件でもない。つまり、ドリームで大敗して二次予選回りになっても、少し気合を入れ直せば十分に準決勝進出は可能、ということ。
すなわち、ドリームレースは結果よりも内容に重点を置いて走る選手が多くなる、ということであり、自力選手は調子の確認の意味も込めて積極的なレースをする可能性が高い。よって、捲り・差しに構える選手にチャンスが出てくる―というのが、筆者のドリームレース展望である。もちろん、これは単なる希望でもあるので、参考にするかどうかは読者の皆さん次第。しかし、G2以上のビッグレースに参戦するときは、普段以上に「翌日以降の勝ち上がり」を意識した予想を組み立てると良い、ということは強調しておきたい。
初日注目選手紹介
ここからは、ドリームレース以外の初日注目選手を紹介する。
1R…①坂井洋(栃木)は、作新学院高校⇒日本大学と自転車競技のエリート街道を驀進し、昨年7月のデビュー後わずか5カ月弱でS級特進を果たしたスーパールーキー。”神山雄一郎2世”の呼び声高い新星が初日1レース・1番車でG1初舞台を迎える。
7R…⑤皿屋豊(三重)は元・伊勢市役所職員という異色の経歴の持ち主。安定した生活を蹴り、34歳で勝負の世界に身を投じたオールドルーキーだ。2017年のデビューからジワジワと力をつけ、今回がG1初出場。まずはグランプリレーサー・金子貴志(愛知)を連れて挨拶代わりの先行勝負をお見舞いするか。
9R…⑧庄子信弘(宮城)は、長いA級暮らしを経て30代後半に覚醒、40歳にしてS級初優勝を飾った超遅咲きのレーサー。前々回のいわき平SNFでは、ライン3番手から直線豪快に突き抜けて大波乱を演出した。”中年の星”が、オールスターでも輝きを放つか。
10R…言わずと知れたゴールデンルーキー・①寺崎浩平(福井)だが、前々回SNF、前回福井記念では決勝進出を逃し、最高峰のキツい洗礼を浴びた。もちろん、今回がG1初挑戦。最高の舞台でどこまで存在感を示せるか。
まとめ
初日から、ドリームレースの他にも見どころを挙げればキリがない今年のオールスター競輪。本サイトでこれまでアップした記事も参考にしつつ、最高峰の戦いをじっくりと楽しんでいただきたい。
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