前橋ナイターG3「ドームスーパーナイトレース」展望/男子はトップ級不在で大混戦/ガールズはWトーナメントで見ごたえ十分
7月22日から24日まで、前橋競輪場で3日制G3「ドームスーパーナイトレース」が開催される。S級S班や絶対的な中心選手は不在。地区ごとに優勝を狙える機動型と追い込み型がそろい、初日から力関係を読み切りにくいシリーズとなった。9車立て7レースで争われる3日制G3だけに、一度の位置取りミスがそのまま勝ち上がりに響く。実績上位の選手も初日から安全運転は許されず、若手の積極策によって波乱が生まれる余地は大きい。
一方、ガールズはWトーナメント。こちらはトップ級の選手が勢ぞろいし、いずれも楽しみな構成となっている。
舞台は全国唯一の周長335メートルを誇る前橋ドーム。最大カント36度の高速バンクで、風の影響を受けないぶん純粋なスピードと位置取りが問われる。仕掛けが遅れれば短い周回の中で前との差を詰められず、後方一気は不発に終わりやすい。残り2周から流れに乗り、最終ホームまでに勝負圏へ入れるかが大きなポイントとなる。
北日本 小堀敢太を軸に厚みある機動型
総合力では北日本が一歩リードする。中心は北の大砲候補・小堀敢太だ。3月の取手G3・6月の久留米記念と今年2度のG3決勝進出。勢いのままに直後の伊東で完全優勝。ついにS級初優勝を挙げた。長い距離を踏める地脚型で、急なカントを使ってスピードを維持できる前橋は脚質的にも合う。ラインの先頭を務めても、機動型同士の連係で番手へ回っても優勝候補となる。
酒井雄多は1月和歌山記念で決勝へ進み、日本選手権でも初日に白星を挙げた実力者。近況は着順に波があるものの、主導権を取りに行く姿勢は崩れていない。小堀の番手を回る形なら、さらに威力も増してきそう。
若手機動型では中村龍吉が侮れない。前回、S級初戦の豊橋では準決勝で浅井康太を破る大金星。こちらも今後の北日本を背負う先行タイプで、初のG3戦で存在感を見せられるか。S級での戦いもだいぶ板についてきた原大智は、前々回青森ワールドシリーズで新山響平の前を志願。自在性もありながらいざとなれば前で駆ける姿勢も見せた。追い込み型では須永優太、竹村勇祐と近況好調の選手が揃っており、北日本が長いラインを組めれば番手以降にも勝機が広がる。
関東 安彦統賀と地元勢の結束が鍵
関東の機動型で最も安定しているのは安彦統賀だ。玉野G3で準優勝を果たし、近況は先行だけでなく中団からのまくり、番手回りでも結果を残している。学生時代から中長距離種目で鍛えた地脚は、スピードを落とさず周回する前橋向きか。
関東は追い込み陣が充実する。恩田淳平は直前の豊橋で優勝し、最高の流れで地元戦へ入る。先行選手の踏み出しが鋭い前橋では、番手で離れず追走する技術と直線の判断が重要になるが、その点で地元の恩田は信頼できる。歴戦の雄・諸橋愛は年齢を重ねても厳しい位置取りと決め脚が健在。こちらも前回玉野を優勝していい形でG3戦へ挑む。
地元勢では小林大介・木暮安由と実績豊富なベテランが登場。近況の数字だけなら強気になりにくいが、カントの使い方や仕掛けのタイミングを知ることは短走路では大きな武器。恩田を含めて前後をどう組み立てるか。地元勢が安彦ら機動型を目標にできれば、関東から優勝者が出る可能性は十分にある。
南関東 齋木翔多と原田亮太が先行争いを動かす
南関東は齋木翔多と原田亮太の積極型が主導権争いを担う。齋木は先行とまくりを使い分け、近況はS級初優勝へあと一歩の内容が続く。踏み出しの速さと持続力を備え、風のない高速バンクでは力を出し切りやすい。原田はバックを奪う意識が強く、別線が構えるようなら迷わず先手を取れる。
内藤秀久は両者にとって心強い援軍となる。前が早めに動く展開でこそ強力なヨコとコース取りが生きる選手で、南関東が先行ラインを形成できれば決勝進出だけでなく優勝争いまで見えてくる。
中部・近畿 谷口遼平の機動力が最上位
中部・近畿では谷口遼平が中心だ。先行、まくりに加え、前を任せられた際の番手戦までこなせる総合型。近況もF1決勝・G3準決勝にコンスタントに乗っており、今回のメンバーに入れば機動力は上位。
小森貴大は一気の捲りに威力があり、細切れ戦になれば谷口とは別線でも優勝を狙える。前橋では仕掛けの一瞬の判断が重要で、反応の速さは大きな武器となる。川口公太朗は近況の差し脚が安定し、谷口との中部連係が実現すれば有力な優勝候補。前をかばい過ぎず、直線で踏み込めるかが鍵になる。
西日本 佐々木豪を筆頭に多彩な攻め
西日本の中心は佐々木豪だ。今年は松山・西武園記念で決勝へ進み、ビッグレースでもコンスタントに勝ち星を挙げてきた。最近は従来のまくり主体から先行を増やし、レースの幅を広げている。トップ級不在の今回は格上の存在で、好機に動ければ悲願のG3初優勝が視野に入る。
大川龍二は捲りと番手の両面をこなせる自在型。落車が続いた時期を越え、再び決勝へ進むなど状態は持ち直している。前橋でも勝ち星があり、短走路での位置取りには対応可能。佐々木を目標にできれば優勝争いへ加わる。
林大悟は主導権を取った時の粘りが強く、前橋の先行有利な流れを味方にできる。市橋司優人、和泉尚吾は展開に応じて自ら動けるため、地区が分かれても一発を秘める。原井博斗は近況の伸びが目立ち、差し脚の鋭さではシリーズ上位。林ら九州の機動型を目標にできれば、直線で抜け出す場面がある。近況好調の田中勇二も中四国の先行型を支える存在で、混戦になれば連下以上へ食い込める。
優勝争いはライン構成次第
優勝候補を一人に絞るのは難しい。勢いとラインの厚みでは小堀敢太を中心とする北日本、実績では佐々木豪、総合力では谷口遼平と大川龍二、地元の利では恩田淳平と諸橋愛が有力となる。そこへ安彦統賀、齋木翔多、原井博斗ら好調勢が割って入る構図だ。
前橋では仕掛けを待ち過ぎた選手から勝負圏外へ置かれる。誰が先に高速域へ持ち込み、番手がそのスピードを生かせるか。突出した本命がいないからこそ、地区の連係と一瞬の判断が結果を大きく左右する3日間となりそうだ。
ガールズA展望 梅川風子を中心に上位拮抗
ガールズトーナメントAの中心は梅川風子。岸和田パールカップは571とらしくない成績に終わったが、G3・F1クラスであれば当然優勝候補筆頭。前橋は昨年10月にも完全Vを飾っており、不安要素は少ない。
最大のライバルは尾方真生。近況やや決勝を取りこぼす場面が目立つが、順当なら予選はまず負けない。先行を含め自力でしっかり勝ち上がっており、積極性がモノを言う前橋ならその力が存分に出せる。
逆に那須萌美は5月のナイター戦で13➌。予選2は仕掛けを待ったところで他選手のカマシに遭い対応できなかった。流れに乗って差すタイプだけに、優勝にはワンテンポ早く差し込むタイミングと追う選手の嗅覚が試される。
そこに続くのは今年に入り成績がより安定してきた太田瑛美、自力の威力を磨けばトップクラスでも通用しそうな熊谷芽緯の両若手。ともに勝ち切るには展開の助けが必要だが、ワンチャンスを狙って飛び出せば思わぬサプライズも。地元の河内桜雪はドリームレースに選ばれた女子オールスターへの地元壮行戦だけに、恥ずかしいレースはできないところだ。
ガールズB展望 太田りゆに久米詩・竹野百香の構図
Bトーナメントは勢力図がはっきりしている。中心は当然太田りゆだ。前回函館は新鋭・川上いちごの挑戦を退け完全V。国内勢相手のG3戦ならよほどのことがない限り負けるシーンは考えづらい。女子オールスターへ向けても、ここは内容を重視して完全優勝を狙いたい。
そこに待ったをかけたいのが久米詩・竹野百香の両名。久米は近況、決勝で仕掛け遅れて掲示板外に飛ぶもう一つの状態。あっせんが詰まり気味なのも気になる所だが、人気を背負う以上は予選は勝ち切って決勝に臨みたい。反対に竹野は前回岸和田を完全V。前々に攻める意識で粘り込み、どこまで太田に食い下がれるか。
この3名が抜けており、後は決勝進出争いという構図になりそう。3場所前の奈良で予選連勝を飾った國村美留莉、実績はメンバー中随一の長澤彩、今年すでに65走を消化している元気印枝光美奈、今年に入り成績急上昇の三森彩桜あたりが進出圏だろう。
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