123期デビュー半年経過

競輪123期がデビューしてから半年が経過した。1月11日現在でA級2班に15名が昇班しているが、S級昇級者は未だ0名。またA2昇班者でも上位戦での優勝回数は最大2回と、抜けた力を見せている選手はいない。今回は簡単に123期の成績を振り返るとともに、今後の課題を検討する。

主な123期の活躍選手

A級1・2班戦優勝あり

選手名登録地優勝
棚瀬義大岐阜6回
松崎広太茨城5回
浮島知稀群馬6回
篠田幸希群馬5回
青木瑞樹岡山4回

A級2班昇班済

選手名登録地優勝回数
橋本宇宙佐賀6回
熊崎麻人埼玉5回
黒瀬浩太郎広島5回
山根慶太岡山4回

この他にも斉藤樂(宮城)、牧田悠生(新潟)、坪内恒(千葉)、都築巧(高知)、小柳智徳(長崎)、長松空吾(大分)がA級2班となっている。

過去の期と比較した昇級・昇班状況

123期で現在、S級に昇級した選手はいない。121期も7月の本デビュー後半年でS級に昇級した選手はいなかったが、早期卒業の中野慎詞が1月のデビュー後無傷の18連勝で特別昇級している。一方、123期は早期卒業選手もいなかったため、文字通り「半年以内のS級昇級選手がいない」ことになる。

これはさらに過去3年を遡り、119期・117期・115期にはなかったケースだ。119期は吉田有希・上野雅彦・山根将太・犬伏湧也、117期は寺崎浩平・山口拳矢・町田太我・鈴木陸来、115期は高橋晋也・坂井洋・小原佑太と複数名が半年以内に特別昇級を果たしている。

また、A2への特別昇班人数も過去の期と比べるとやや少ない。123期と、それと比較した過去3期のデビュー半年以内のA2特別昇班人数は以下の通り。

特別昇班人数
123期12名+3名
121期10名+2名
119期16名+3名
117期18名+2名
※「+~名」はレインボーカップチャレンジファイナルで昇班した人数

117期、119期に比べ、121期、123期は特別昇班の人数がかなり減少している。

123期の今後の課題

スキル向上以上に求められる新人対策への対応

もちろん、新人選手だけに競輪競走のスキルはまだ発展途上だ。どうすれば別線をうまくやり過ごして勝つ競走ができるのか、ミスなく競走を運べるのか、その方法はレースを通じて学ぶしかない。

しかしそれ以上に、チャレンジレースでの「新人対策」にどう対応するかがポイントとなる。2019年より先頭誘導員早期追い抜きのタイミングが変更となり、前を取って突っ張る戦法が圧倒的に有利となった。導入直後は各選手対応に苦慮していたが、新人と戦う分を含めてレースをこなしていく中で、どうすれば本線に一泡吹かせられるかをA3選手も徐々に習得している可能性がある。そのノウハウを経験のない新人選手にぶつけることで、脚力差を埋める競走が徐々にできるようになってきているのではないか。

123期のレースを見ると、一旦突っ張っても流している所を再度仕掛けてきた別線に叩かれる競走がよく見受けられる。仕掛け所を間違うと、機動力がある別線自力にしてやられる可能性が高まっている。それだけに新人選手は油断なく別線を警戒し、多少早くても踏み込んで巻き返しを完封するだけの脚力をスキルを身に付けなければならないだろう。

出でよ「大物」…絶対的な脚力差で勝ち進め

選手によって成長曲線は大きく異なる。デビュー直後から抜群の力を発揮する選手もいれば、時間をかけて徐々に力をつけていく選手もいる。それでも、117期の山口拳矢や119期の犬伏湧也はデビュー直後から圧倒的な脚力で大差勝ちを繰り返し、とんでもない「大物感」を出していた。今現在、123期に不足しているものの一つがこの「大物感」だ。内容を重視している選手も多いだけにこればかりはどうにもならないが、やはり新人選手には今後の夢や可能性が大きく広がる競走をしてもらいたい。まずはA級上位戦を9連勝し、S級のステージに上がる選手が出てくることが急務だろう。

脚力は十分。あとは競輪の習得

近年の養成所卒所者は、脚力は十分S級でも通用するものを持ってデビューする選手が非常に多い。脚力差がないなら、成績の差に表れるのは競輪の習熟度のみ。一刻も早く競走スキルを上げ、一人でも早くS級戦に顔を出してもらいたい。

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