【伊東温泉ミッドナイトG3展望】|男子は簗田一輝 ガールズは久米詩の地元勢が軸
9月14日から16日まで、伊東温泉競輪場で「ミッドナイトG3×HPCJC」が開催される。男子はS級7車7R3日制、さらにガールズ2Rを加えたミッドナイト開催。通常の9車立て記念とは性格が異なり、7車ならではのシンプルなライン構成と、一瞬の仕掛けが勝敗を大きく左右する3日間となる。
舞台となる伊東温泉は333メートルの小回りバンクながら、見なし直線は46.6メートル。一般的な短走路ほど「前にいれば絶対有利」というわけではなく、番手や追い込み選手にも最後の伸びがある。一方、7車立てでは後方へ置かれてから巻き返す余裕も少ない。ラインの先頭が早めに勝負圏へ入り、番手がそのスピードを生かせるかが重要になる。
男子展望 地元南関東を近畿・中四国が追う
シリーズの軸は地元静岡の簗田一輝だ。直近は前回奈良で優勝、松山オールスターでも2勝3着1回を挙げるなど状態は高いレベルで安定している。自力一辺倒ではなく、好位確保からの捲り、番手戦、直線勝負まで対応できる点が今回の7車立てでは大きな武器になる。グランプリへ向けた賞金争いでも好位に付けており、共同通信社杯に出走できないだけにここは優勝して上位に食らいつきたい。
南関東には齋木翔多、塩島嵩一朗という積極型もそろった。齋木は今年5月の当地でも初日に白星を挙げており、地元地区のバンクに対する不安は少ない。塩島も125期の若手らしく主導権を意識した走りを続けている。
同乗すれば、若い自力型を前に簗田が後ろを回る形が最も破壊力を発揮しそうだ。齋木や塩島が先行して簗田が中核を担い、さらに南関東の追い込み勢が続けば、地元地区として理想的な布陣となる。今回の男子戦はまず南関東を中心に考えたい。
北日本 嵯峨昇喜郎―阿部力也の完成度は高い
北日本は嵯峨昇喜郎と阿部力也の2人が中心。人数では南関東や近畿に及ばないが、前後の役割がはっきりしている点は強みだ。
嵯峨は先行、捲りを使い分けられる機動型で、今年5月の当地F1でも初日特選2着、最終日1着と当地への対応を見せた。阿部は追い込みながら縦脚が強く、近況もコンスタントに決勝進出。嵯峨が早めに前へ出れば、阿部が番手からきっちり抜け出す形が描ける。
7車立てでは長いラインを作れなくても、強い自力と強い番手の2車がそろえば十分。南関東に対する有力な対抗勢力となる。
関東 橋本壮史を寺沼拓摩が生かせるか
関東は橋本壮史と寺沼拓摩に注目。橋本は主導権を取ってこそ持ち味が出るタイプで、今年5月の当地でも予選2着。333バンクで先に駆ける形は合っている。
寺沼は自力自在に動けるS1。橋本と同乗するなら、橋本を前に置いて寺沼が後位から縦脚を使う形が考えやすい。寺沼自身が前を任されても戦えるため、番組によって柔軟に構成を変えられるのも関東の利点だ。
ただし、地元勢や近畿に比べると後方の厚みでは一歩譲る。橋本が主導権を取れるかどうかが関東全体の浮沈を握る。
中部 皿屋豊の一撃に西村光太
中部は皿屋豊と西村光太。皿屋は年齢を感じさせない自力を持ち、展開が流れれば一気の捲りがある。西村は追い込みを基本としながら縦脚も使え、今年3月の当地F1でも決勝へ進んでいる。
皿屋―西村の並びが成立すれば役割は明確。伊東温泉は333mながら直線が比較的長いため、西村にとっても最後まで勝負できる舞台だ。ただ、皿屋が後方に置かれる展開だけは避けたい。
近畿 選手層ではシリーズ屈指
近畿は脇本勇希、東口善朋、山本伸一、石塚慶一郎と、質では今回屈指の陣容となった。
前を任せられるのは脇本と石塚。脇本は一気のカマシ、捲りが武器で、スピードに乗れば短走路でも押し切れる。石塚も若さを生かした自力に加え、近況は自在性も増している。
東口は実績最上位の追い込み型で、若手機動型を目標にできれば当然優勝争い。山本も自力を残すため、前が不発でも自ら動ける。
勝ち上がりで3人以上が同乗した場合、若手機動型―東口、あるいは若手機動型―山本―東口といった厚みある並びも考えられる。同地区が簡単に分かれる必要はなく、近畿として役割を整理できれば地元南関東を脅かす最大勢力になる。
中四国 数字以上に怖い3車の組み合わせ
中四国では晝田宗一郎、小川真太郎、筒井敦史が注目だ。
晝田は主導権を狙える機動型。筒井は近況の差し脚が非常に良く、岡山同士で同乗すれば晝田―筒井が基本となる。小川は直近、3連続優勝中とまさに絶好調。先行一辺倒ではなく、捲り、差しまで使えるため、晝田を生かして後ろから勝負する形なら破壊力が増す。
南関東、近畿に比べれば人数は少ないが、3人がまとまった時の完成度では決して見劣りしない。
九州 伊藤颯馬―園田匠は侮れない
九州の中心は伊藤颯馬と園田匠。伊藤は先行だけでなく位置を取ってからの捲りも使える自在性があり、7車立てとの相性はいい。園田は言うまでもなくコース取りと差し脚に優れる実力者だ。
伊藤―園田なら、伊藤が早めに勝負圏へ入り、園田が直線へ向けて脚をためる形が理想。伊藤は昨年のウィナーズカップで二次予選2着もあり、短走路への対応経験も十分だ。
ラインが2車でも、後方に置かれなければ優勝まで狙える組み合わせと見る。
ガールズ展望 地元・久米詩が一歩リード
ガールズは久米詩が中心だ。前回佐世保の女子ASは一息だったが、今年6月の当地では予選から決勝まで3連勝の完全優勝。今回のメンバー構成と当地実績を考えれば、優勝候補筆頭に置くのが自然だろう。
対抗は半田水晶。徹底した先行型で、バックを積極的に奪うスタイルが明確だ。久米ら自在型に自由な仕掛けをさせないためにも、前からペースを上げる形へ持ち込みたい。半田が主導権を握れば、その後ろの位置を巡る争いも重要になる。
太田瑛美は女子ASで決勝まで進んだ。好位からの捲り、差しが基本で、小回りの伊東でも組み立てやすい。久米と半田が早めに動き合えば、脚をためて最後に伸びる形がある。
岩元杏奈も急成長中。位置取りと自力を両立し、近況は女子ASのアンダーカードで初優勝を飾るなど、決勝でも安定して上位へ食い込んでいる。相手の仕掛けを見ながら前々へ運べれば、久米、太田に続く存在として優勝争いまで十分届く。
まとめ
男子は地元の簗田一輝を中心に、齋木翔多、塩島嵩一朗を擁する南関東が一歩リード。ただし、若手機動型と東口善朋をそろえる近畿、嵯峨昇喜郎―阿部力也の北日本、晝田宗一郎―筒井敦史に小川真太郎を加える中四国も差は小さい。
ガールズは久米詩が中心。半田水晶の先行、太田瑛美の自在戦、岩元杏奈の若さと勢いがどこまで迫れるか。
伊東温泉の夜を締めるのは地元勢か、それとも遠征勢か。男子とガールズ、それぞれ異なる駆け引きを楽しめる3日間となりそうだ。

