2026年9月18日(金)~21日(月・祝)に行われる「第42回共同通信社杯競輪GII」の舞台は富山競輪場です。富山は全国でも数少ない1周333m。小回りのイメージが強い一方、333mバンクとしては直線が比較的長く、逃げ・捲り・差しのどれにもチャンスがあるのが特徴です。ここでは最新データに加え、共同通信社杯前の直近S級開催も分析し、富山で狙いたい戦法・脚質を考えます。

富山競輪場の基本バンクデータ

項目数値
周長333m
見なし直線43.0m
最大カント33°41′24″
直線カント3°26′1″
ホーム幅員10.2m
バック幅員9.2m
センター幅員6.4m
S級競走距離2015m・6周
バンクレコード8秒8
記録保持者山口拳矢(2025年8月3日)

最大の特徴は、やはり333mという短い周長です。400mバンクよりコーナーを回る回数が多く、後方に置かれると仕掛けるタイミングが限られます。一方、見なし直線43.0mは333mバンクの中では比較的長く、単純に「先行した者勝ち」という走路でもありません。

公式にも「333mより400mに近い感覚」とされ、先行・捲りだけでなく、4コーナー4~5番手からの突っ込みまで警戒が必要なバンクです。2025年春には走路が整備され、同年8月には山口拳矢が8秒8のバンクレコードを記録。高速戦にも対応できる路面となっています。

最新の決まり手データは「差し」が最多

富山競輪場の決まり手データを見ると、1着は「差し」が41%で最多です。

1着決まり手割合
逃げ28%
捲り31%
差し41%

2着では「マーク」が44%を占めています。

2着決まり手割合
逃げ22%
捲り15%
差し19%
マーク44%

差しが最多とはいえ、逃げ28%、捲り31%も決して低くありません。「差し一辺倒」ではなく、自力選手も十分に勝ち切れるバランス型のバンクと見るべきでしょう。

特に2着のマーク44%は重要です。先手を取ったラインや捲りラインがそのまま連対するケースも多く、車券ではラインの番手・3番手まで意識したい数字です。

直近S級開催では「差し55%」

共同通信社杯を占ううえで参考になるのが、直近のS級開催となった2026年8月20~22日の「富山新聞杯FⅠ」です。S級全20レースの1着決まり手を集計すると、次のようになりました。

決まり手回数割合
差し11回55%
捲り7回35%
逃げ2回10%
合計20回100%

初日はS級7レース中6レースが差し。2日目は捲り4回、差し2回、逃げ1回となり、最終日はS級6レースが差し3回、捲り3回でした。S級決勝も福永大智が捲りで制しています。

短期間の結果なのでそのまま共同通信社杯に当てはめることはできませんが、「逃げ切りよりも番手差し・捲りが強かった」という直近傾向は見逃せません。

有利な戦法① 番手差し

最も評価を上げたいのは、強力な自力選手の番手を回る追い込み型です。333mバンクでは先行選手が最終バックまで主導権を握れば、番手選手は短い距離で勝負できます。

直近FⅠで差しが55%を占めたことからも、先行ラインの番手は有力。共同通信社杯では各地区のトップクラスがラインを組むため、「誰が逃げるか」と同じくらい「誰がその番手を回るか」が重要になります。

ただし、富山で有利なのは後方から直線だけで追い込むタイプではありません。好位を確保し、4コーナーまで勝負圏内にいる追い込み型を狙うのが基本です。

有利な戦法② 早めの捲り

富山は333mバンクながら、捲りもよく決まります。最大カントは約33度41分で、コーナーの傾斜を利用して加速できるため、トップスピードに優れた自力型には向く走路です。

ポイントは「仕掛けを遅らせすぎないこと」。最終バックでも後方にいる状態から4コーナー~直線だけで全員を抜くのは簡単ではありません。ホーム過ぎからバックにかけてスピードを乗せ、3~4コーナーでは前団へ迫っているタイプが理想です。

共同通信社杯にはトップクラスの自力型が集まります。多少後方でも一気に飲み込めるスピード型は、富山との相性が良いでしょう。

逃げは軽視できない

直近FⅠでは逃げ切りが20レース中2回にとどまりましたが、先行型を簡単に消すのは危険です。富山は1周が短く、先頭に立った選手がペースを作れば後方勢が仕掛ける距離は短くなります。

さらに富山では風がレース傾向を大きく変えるとされます。特に南風が吹く日はバンク内で追い風を受けやすくなり、高速化して先行選手が粘るケースがあります。共同通信社杯当日は、初日の数レースで「先行が残っているか」「捲りが届いているか」を確認したいところです。

富山最大のポイントは「位置取り」

富山はセンター幅員が6.4mと狭く、コーナーで選手が横へ広がりにくい特徴があります。後方に置かれると前に壁ができ、大外を回れば距離ロスも大きくなります。

そのため、自在性があり中団以内を確保できる選手は高評価。脚力が同程度なら、後方一気タイプよりも「位置を取れる自力自在型」を上位に考えたいバンクです。

共同通信社杯は9車立てでライン数も増えるため、7車立て以上に位置取りが重要になります。初手から後方になりやすいラインは、それだけでリスクを抱えることになります。

脚質別の評価

脚質・タイプ評価狙い方
番手型・追い込み強力先行の番手なら最重要
捲り型早めに仕掛けられるスピード型
自在型中団確保+捲り・差しが可能
先行型ラインが強くペースを握れれば粘る
後方追い込み型直線だけでは届かないリスクあり

共同通信社杯2026での車券ポイント

共同通信社杯で最も意識したいのは「先頭の脚力+番手の実力+初手位置」の3点です。強い自力型を先頭に据えたラインなら、番手差しからライン決着まで有力。一方、中団を取れるトップクラスの自力型がいれば、早めの捲りで前団をまとめて飲み込む形も想定できます。

富山は小回りバンクだからと先行一辺倒で考えるのではなく、「先手ラインの番手」と「中団から捲れる自力型」の両方を中心に見るのが基本です。また、開催初日の風向きと決まり手は2日目以降を予想する重要な材料になります。

まとめ

富山競輪場は周長333m、見なし直線約43m、最大カント約33度41分の小回りバンクです。ただし333mとしては直線が比較的長く、逃げだけでなく捲り・差しにも十分チャンスがあります。

2026年9月時点の決まり手データでは1着は差し41%、捲り31%、逃げ28%。さらに直近の富山新聞杯FⅠ・S級20レースでは、差し55%、捲り35%、逃げ10%と、番手・好位勢の強さが目立ちました。

共同通信社杯2026で狙いたいのは、「強い先行選手の番手」「早めに捲れるスピード型」「中団を確保できる自在型」。後方から直線だけに賭けるタイプは展開待ちになりやすいため注意が必要です。初日の風とレース傾向も確認しながら、富山333バンクを攻略していきましょう。