オールスター競輪といえば、ファン投票によって出場選手の一部が決まる、競輪界でも特に「人気」が反映されやすいGIです。2026年は、眞杉匠選手が初のファン投票1位を獲得しました。

では、ファン投票で最も支持を集めた「最多得票選手」は、その年のオールスター競輪をどれくらい優勝しているのでしょうか。過去のデータから確認してみましょう。

オールスター競輪ファン投票1位獲得回数ランキング

順位選手最多得票回数最多得票年最多得票年の優勝回数オールスター通算優勝回数
1中野浩一13回1977、1978、1981〜19911回3回
2吉岡稔真10回1992〜1996、1998、2001、2003、2004、20060回0回
3神山雄一郎4回1997、1999、2000、20022回5回
4阿部道3回1973〜19751回1回
4藤巻昇3回1976、1979、19801回1回
4村上義弘3回2010、2011、20130回1回
4深谷知広3回2012、2014、20150回0回
4平原康多3回2017、2021、20220回0回
4脇本雄太3回2019、2020、20230回2回
10小嶋敬二2回2007、20080回0回
10新田祐大2回2016、20180回2回
10古性優作2回2024、20251回2回
13荒川秀之助1回19720回0回
13武田豊樹1回20050回2回
13伏見俊昭1回20090回2回
13眞杉匠1回2026未実施1回

最多得票選手がその年に優勝した回数

1972年〜2025年の54大会で、最多得票選手がその年のオールスター競輪を優勝したのは 6回 です。

つまり、最多得票選手の同年優勝率は、

6回 ÷ 54大会 = 約11.1%

となります。

ファン投票1位は「人気」「期待値」「スター性」の証明ではありますが、実際にその年のオールスター競輪を勝ち切るのはかなり難しいことが分かります。

最多得票選手が優勝した年

優勝者
1974年阿部道
1976年藤巻昇
1988年中野浩一
1997年神山雄一郎
1999年神山雄一郎
2024年古性優作

特に注目したいのは、1999年の神山雄一郎選手以来、2024年の古性優作選手まで「最多得票選手の優勝」が24年間も出ていなかった点です。

近年のオールスター競輪では、ファン投票1位になった選手でも、簡単には優勝できない傾向が強くなっています。

最多得票ランキング上位選手の特徴

1位:中野浩一・13回

最多得票回数で圧倒的な1位はご存じ中野浩一選手です。

1977年、1978年に最多得票を獲得したあと、1981年から1991年まで11年連続でファン投票1位を獲得しています。

まさに「オールスター競輪ファン投票の象徴」といえる存在です。

ただし、最多得票年にオールスター競輪を優勝したのは11年連続の1位期間を含めて、1988年の1回のみ。通算では3回優勝していますが、ファン投票1位と同年優勝が必ずしも直結しないことが分かります。

2位:吉岡稔真・10回

2位は吉岡稔真選手の10回です。

1992年から1996年まで5年連続で最多得票を獲得し、その後も1998年、2001年、2003年、2004年、2006年にファン投票1位となっています。

しかし、意外にもオールスター競輪の優勝はありません。他の5つのG1は制しましたが、これだけは優勝できずグランドスラム達成はなりませんでした。

この結果は、「人気・実力・期待値が高い選手でも、オールスターを勝つのは別問題」ということを象徴しています。

3位:神山雄一郎・4回

3位は神山雄一郎選手の4回です。

最多得票回数は中野・吉岡両選手に次ぐ3位ですが、最多得票年の優勝は1997年と1999年の2回あります。

さらに、オールスター競輪通算では5回優勝しており、今回の集計対象選手の中でも「人気」と「結果」を最も高いレベルで両立した選手といえます。

なぜ最多得票選手はなかなか優勝できないのか

最多得票選手がその年に優勝したのは、54大会中6回のみ。

この数字を見ると、ファン投票1位はかなり大きな注目を集める一方で、オールスター競輪の優勝とは直結していないことが分かります。

理由として考えられるのは、以下のような点です。

1. 人気選手は警戒されやすい

ファン投票1位になる選手は、当然ながら他の選手からも強く意識されます。レースではマークが厳しくなり、勝負どころで簡単に動かせてもらえないケースも増えます。

2. オールスターは出場選手のレベルが高い

オールスター競輪はGIの中でもスター選手が集まる大会です。たとえファン投票1位の選手でも、相手は同じくトップクラスの実力者ばかりです。人気上位だからといって、簡単に勝ち切れるレースではありません。

3. 勝ち上がりと番組構成の影響も大きい

オールスター競輪は、年度によって勝ち上がり方式が変わってきた大会でもあります。

どのレースからスタートするか、どの番組に入るか、準決勝までの消耗度、ライン構成などによって、優勝への難易度は大きく変わります。ファン投票1位は有利な立場でスタートしやすい一方、それだけで優勝が保証されるわけではありません。

近年の傾向

先述の通り、2024年に古性優作選手が最多得票から優勝を果たしました。これは、1999年の神山雄一郎選手以来となる「最多得票選手のオールスター制覇」です。一方で、2010年代以降を見ても、村上義弘、深谷知広、新田祐大、平原康多、脇本雄太各選手といったトップ選手たちが最多得票を獲得しながら、その年のオールスターでは優勝を逃しています。

つまり、「ファン投票1位=優勝候補筆頭」ではあっても、「ファン投票1位=優勝濃厚」とまでは言い切れないことがわかります。

まとめ

今回は、1972年以降のオールスター競輪における最多得票選手を年ごとに集計して紹介しました。

オールスター競輪のファン投票1位は、単なる人気投票ではなく、その時代を代表するスター選手の証です。

しかし、ファンの期待を背負ってオールスターを勝ち切るのは簡単ではありません。

むしろ、最多得票選手が優勝した年が少ないからこそ、「ファン投票1位からの優勝」には大きな価値があると言えそうです。