高松宮記念杯決勝 展開

初手の並びは誘導以下、1郡司ー6簗田、9寺崎ー2古性、4山田、3犬伏ー8河端、5眞杉、7新山。赤板で犬伏が抑えるが、引いた寺崎がすぐに巻き返し打鐘で先行態勢。古性が車間を空けて、最終バックで捲る犬伏をけん制。3コーナー~2センターで内を突いた郡司は他選手と接触し落車。直線は番手から古性が抜け出し、中を突いた簗田が2着。寺崎は接触で落車し、犬伏が3着に滑り込んだ。

決勝振り返り

近畿コンビの独壇場だった

初手はほぼ予想通りの形。犬伏が抑えて、引いた寺崎が巻き返すのも、大方のファンが予想した展開だろう。

しかし、寺崎の意志の強さには舌を巻くばかりだ。昨年同様にG1決勝の舞台で鐘から逃げることの意味は重い。もちろん、自分もタイトルが欲しい。だが後ろを固めるのは日本一の選手。逃げれば差される可能性は極めて高い。しかしそれ以上に、「ラインの先頭を務める」ことの意識が、全てを上回っているのだろう。それでも自分と後ろを信じて打鐘から逃げられる思い切りの良さが、今の競輪王国・近畿を支えている。

それに加え、昨年は近畿3車の先頭で逃げて最終バックで番手から出られる形だったが、今年は十分直線勝負ができる形に持ち込んだ。それを考えても、寺崎が1年で大きな成長を見せたのは間違いない。

古性も車間を大きく開け、盤石の態勢。4番手に入った犬伏の捲りは全く伸びず、あとは直線で抜け出すだけだった。こうなれば、古性ほどの選手がチャンスをフイにすることは99%ない。内容としては、近畿コンビの独壇場だったと言って差し支えないだろう。

簗田の乾坤一擲の中割りで波乱

順当なら古性ー寺崎のワンツーで決まりそうなところ、風穴を開けたのが簗田の中割りだった。最終2センター付近でインを急襲した郡司(4コーナーで落車)のスピードをもらい、吸い込まれるように近畿コンビの中へ。ゴール前で接触し寺崎が落車、長い審議の対象となったが判定は失格とはならず、2度目のG1決勝で堂々の表彰台へ上がった。

3年前の競輪祭同様、準決勝は6番車で大波乱を起こして見せた簗田。調子にムラはあるものの、好調時の勝負への嗅覚は何かを巻き起こす力があることを改めて示した。

犬伏の敗因:仕掛けどころの差も位置取りは成長

犬伏は先に切って寺崎を出しての4番手。これがF1やG3開催の決勝戦なら十分な位置だが、G1の決勝、しかも前に構えるのは車間を切った古性。捲りに行っても止められるのは明白な上、そもそも捲りが全く伸びなかった。勝負をするのであれば溜めてのバック過ぎの捲り追い込みか、寺崎がかかり切る、もしくは古性に車間を空けられる前に仕掛けて叩く形だろうが、いずれも難しい話だろう。これまでのG1決勝は後方に置かれて何もできなかったレースが多いことを考えると、勝負権のある位置を確保できただけでも成長と言えるかもしれない。後は勝ちパターンを増やすこと、あるいはラインの厚みでの勝負など、タイトル獲りへの課題を一つ一つこなしていく他はない。

勝負に行った郡司は不運…

郡司は位置を取れず6番手からの勝負。それでも、最終3コーナーから内を突いたスピードは強烈で、コースさえ空けば古性と直線勝負ができる伸びだった。しかし結果として外の山田らと接触し落車。簗田にスピードを与えて上位入着のチャンスをもたらしたのは確かだったが、平塚日本選手権に次ぐG1での落車となってしまったことは不運という以外にない。

単騎勢は見せ場なく

展開のカギを握った単騎の3選手は案外の結果。山田は近畿勢に決め打ちし古性の真後ろという絶好の位置を得たが、勝負所で接触し表彰台のチャンスを逃した。眞杉はコースが空かず、終始外か内かで悩み伸びきれず。新山は終始9番手では多くを望むべくもなかった。