小田原競輪G3概報
小田原競輪G3「北条早雲杯争奪戦」は今日決勝が行われ、神奈川99期の和田真久留が優勝した。和田のG3優勝は、2017年11月の防府記念以来2度目。2着には松井宏佑(神奈川)、3着には松浦悠士(広島)が入った。配当は2車単⑤⑥で16,210円、3連単⑤⑥③で119,160円。
決勝戦詳報&回顧
決勝戦の対戦メンバーは以下の通り。
車番 | 選手名 | 登録地 | 年齢 | 期別 | 今回成績 |
① | 佐藤慎太郎 | 福島 | 43歳 | 78期 | ❷①③ |
② | 郡司浩平 | 神奈川 | 29歳 | 99期 | ❶①① |
③ | 松浦悠士 | 広島 | 29歳 | 98期 | ❸①① |
④ | 東口善朋 | 和歌山 | 40歳 | 85期 | ❺②② |
⑤ | 和田真久留 | 神奈川 | 29歳 | 99期 | ①①② |
⑥ | 松井宏佑 | 神奈川 | 27歳 | 113期 | ②②① |
⑦ | 吉澤純平 | 茨城 | 35歳 | 101期 | ①②② |
初手は⑥松井―②郡司―⑤和田―⑦吉澤―①佐藤―③松浦―④東口。残り3周を過ぎた辺りから③松浦が動き、⑥松井の後ろ、②郡司の位置を狙い追い上げマーク。そのまま⑥松井の先行となり、残り1周で②郡司は③松浦を捌く。隊列が短くなったところを⑦吉澤が捲るが、②郡司が牽制。この時、①佐藤があおりを受けて落車。直線は3番手から中を割って伸びた⑤和田が突き抜け1着。粘った⑥松井が2着に入り、3着には③松浦が流れ込んだ。なお、②郡司は最終バックで①佐藤を落車させたことにより失格となった。
各選手がそれぞれの役割を果たした好レース。それだけに、郡司の失格が非常に悔やまれる一戦となった。
初手は郡司が佐藤を抑えてS取りに成功。この時点で、松井の突っ張り先行はほぼ確定の隊列となった。これは松井の並々ならぬ決意がそうさせた、2段駆け覚悟の作戦だろう。吉澤、松浦はそれによって後方待機。こうなれば、動くのは松浦以外にいなかった。
残り3周からレースは動き、松浦が上昇。取った作戦は追い上げマークだった。早めに切っても、松井のダッシュを受けては飛びつくことはままならない。それに、カントがきつい小田原ならアウト競りでも耐えられる。そう踏んだ松浦は、勝利に最も近い位置である松井の後ろを力ずくで奪い取りに行った。
それでも、郡司にも地元の意地と、松井の気持ちに応える責任がある。イン競りを利して松浦をどうにか捌いた。しかし、今度は後方で脚を溜めていた吉澤の捲りが飛んでくる。前の競り合いをサラ脚で眺めていたことにより、出足は強烈。そのまま前を捕らえる勢いで捲り上げた。
松浦を競り落としたことによりわずかに気持ちに隙が生じたか―郡司ほどの選手にそんなことはなかったかもしれないが―吉澤を牽制した際、すぐ後ろに控えていた佐藤が落車。この時点で、郡司の小田原記念3連覇の夢は潰えた。郡司もそれを悟ったか、最終3コーナー以降は外に膨れながら走り、3番手の和田にコースを空けた。直線は、粘る松井を和田がわずかに捕らえて優勝。結果的に地元ワンツーは決まったものの、何とも喜び難い結果となってしまった。
失格になったとはいえ、松浦を捌き、猛スピードで捲った吉澤をもブロックした郡司の仕事は強烈だった。順当ならば、そのまま番手から抜け出してファンの期待に応えていただろう。地元エースとしての重圧と、松井の気持ちに応えなければという焦りが、ブロックにわずかな狂いを生じさせたのかもしれない。レース評を郡司に付するならば、「仕方ないでは済まされないが仕方ない」という具合になりそうだ。
優勝した和田は3番手からさすがの伸び。また、最終2コーナーで松浦に絡まれるシーンがありながらも何とかこらえており、3番手の仕事をきっちり果たしての優勝は価値がある。2着に逃げ粘った松井は、後ろが絡まれる難しい展開。ペース配分も普段通りとはいかなかったのか、最終バック手前のスピードは明らかに吉澤に劣っていた。郡司が失格となっただけに、昨年の平塚記念の借りを返したとまでは本人も思っていないだろう。だが、最低限自分の仕事を果たし、残り2周から駆けて2着に粘り込んだのだから下を向く必要はない。今後も南関東の先導役として、大いに活躍が期待される。
後方からマーク戦を仕掛けた松浦も、その勝負勘はさすがの一言。アウト競りでは番手を奪うまでには至らなかったが、競り負けてからもズルズル後退せずに中団を確保し、最後まで踏み切って車券に絡んだのはSSの意地というところか。最終バックで見せ場を作った吉澤は、前がやり合う絶好の展開。まともならすんなりと捲りきって、ゴール前で佐藤と勝負できるスピードだった。あの一発で勝負権を失ってしまったが、力のあるところを存分に見せたレースだった。
まとめ&次回記念開催
落車・失格があったものの、選手全員の気持ちが前面に押し出された好レースだった小田原記念決勝。7車立てでも、ここまで面白いレースが出来るのが競輪界最高峰の選手なのだと、改めて思い知らされる一戦だった。
次回の記念開催は9月3日(木)から行われる、京都向日町競輪場開設70周年記念「平安賞」。地元期待の村上義弘、関東最強選手・平原康多を筆頭に、9月6日(日)までの日程で熱戦を展開する。
なお、「みんなの競輪」では、豪華プレゼントを用意したキャンペーンを実施予定。どうぞお楽しみに。
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