四日市G3決勝回顧

4月4日に四日市競輪場で行われた、G3「ベイサイドナイトドリーム」決勝。稀に見る熱戦となったこの一戦を振り返る。

決勝出走選手

選手名登録地成績
浅井康太三重❸1①
嘉永泰斗熊本❻2②
新山響平青森❹1①
中田健太埼玉25②
成田和也福島➊2②
渡辺十夢福井15③
守澤太志秋田❷1①
庄子信弘宮城53③
諸橋愛新潟➎2③
並び:3(4・7)58・216・9

決勝展開回顧

残り2周で3新山が上昇も、2嘉永が前受けから突っ張る。打鐘で再度3新山が仕掛けるとマーク競りの両者が共に離れ、2嘉永が番手にハマる。最終2センターから2嘉永が踏み込むが、直線は3番手から外を伸びた1浅井が突き抜けて優勝。2嘉永は中を割った9諸橋を退けて2着を守った。

見せ場①新山を突っ張った嘉永の気合

赤板で上昇した新山を、前受けから突っ張った嘉永。このレースのハイライトといって良い場面で、場内からは地鳴りのような大歓声が上がった。嘉永からすれば一旦引いてのカマシ、もしくは新山番手のもつれを狙っての追い上げマークという策もあったはず。しかし今節の新山の動きは出色で、早めに前に出してはノーチャンスと踏んだか。いずれにしても、嘉永の気合がここで十分に表れた。

見せ場②不利な位置からあくまで番手にこだわった中田

新山後位は守澤と中田で競り。突っ張られた新山が5番手に戻ると、一旦は守澤が番手に落ち着いたが、すぐさま内を突いて中田が競りを戻した。あくまでも自分の主張した位置を奪いに行くスタイルは、「マーク選手」の名に相応しい姿勢。結果として両者離れたが、ここだけでも十分な見せ場はあったといえる。

見せ場③浅井後位を捌いた諸橋の勝負勘

嘉永が突っ張ったことで、単騎の諸橋は4番手。このまま新山の巻き返しを受けると厳しい位置に置かれる危険性があったが、打鐘過ぎで渡辺を捌き、浅井後位に収まる好判断。新山と嘉永が踏み合えば展開を貰うのは無論浅井であり、その後位を奪取すれば直線勝負に持ち込める。この辺りは、諸橋のさすがの勝負勘が光った。

見せ場④自力で追い上げた成田、それを阻んだ渡辺

ここは入着争いの蚊帳の外となるが、東北勢が空中分解した後に成田は自力で追い上げを取った。こうするしかないという状況だったが、勝負を捨てずに何とか活路を見出そうとした。そして、それを阻んだ渡辺の仕事も見事。一旦は諸橋に捌かれたが、成田の逆襲は阻止し、あの場で自分ができる最大限の仕事は果たした。

見せ場⑤嘉永を最後まで信じて突き抜けた浅井

そして、もちろん主役は最後に突き抜けた浅井。嘉永と新山が早くから削り合う展開だっただけに、優勝だけを獲りに行くなら2センターから踏む判断もあった。しかし、早くから突っ張って好位置をキープした嘉永の頑張りに応えるべく、ギリギリまで踏むタイミングを待ち、ゴール前は測ったように差し切り。結果として、嘉永とのラインワンツーに貢献した。ただ勝つだけではなく、前で頑張った先頭選手をしっかりかばう動きは、一流の「競輪選手」に相応しい。

決勝戦結果

選手名登録地
浅井康太三重
嘉永泰斗熊本
諸橋愛新潟
2車単 1-2 1,320円 3連単 1-2-9 9,300円

まとめ

久々に、「競輪らしい競輪」を見たと感じた四日市G3決勝。今後も、グレードレースの決勝はこのような熱戦を展開してもらいたい。特に、浅井のこの勝利は低迷が続く中部地区の起爆剤となるのではないか。

競輪投票するなら、競輪投票サービス『みんなの競輪』

お得に競輪が楽しめる!「みんなの競輪」公式サイトはこちら!