逃げる選手は1人、のはずなのに
1月21日の小倉2Rは、1着6松本一志(宮崎117期)、2着5林昴(福岡119期)の決まり手が共に「逃げ」となった。競輪において先頭に立って逃げる選手は1人であることが多いため、1着、2着の決まり手が共に「逃げ」となることは他のケースに比べると珍しい。なぜこのようなことが起こるのか。
「逃げ―逃げ」となるケース
まず決まり手が「逃げ」となるには、ラスト1周に入るホームストレッチを先頭で通過した選手がそのまま1,2着に入る必要がある。しかしそのタイミングが厳密に決まっているわけではなく、それ以前のレース展開によっても決まり手は変わってくる。
どういうことかと言うと、例えば打鐘で前に出た選手がそのまま踏んでホームストレッチ前半を先頭で通過したが、ほぼ同じタイミングで仕掛けた選手が一人で前を叩いてホームストレッチ後半を先頭で通過した場合。この場合は、どちらの選手も逃げたとみなされるため、2人の選手が1,2着に入った場合はどちらにも「逃げ」の決まり手が付く。冒頭の小倉2Rがこれに当たる。
他にも(あまりない話だが)、打鐘から踏み合い、最終ホームを肩を並べて通過した選手がそのまま1,2着でゴールした場合も両者に「逃げ」の決まり手が付く。
このようなケースは、自力型が有利になりやすい333mバンクや、チャレンジレースなどのA級下位のレースで起こりやすい。現に、2023年7月29日の松戸F2では、12R中3Rで「逃げ―逃げ」の決着が発生した。
競輪において逃げる選手は1人だけという考えが頭にあると、なかなかこのような展開は考えにくい。しかしレース数を見ていく中であらゆる展開を観察すると、次第に見えるものが増えてくる。
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