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第62回競輪祭決勝戦回顧

第62回競輪祭決勝戦結果

第62回朝日新聞社杯競輪祭は23日決勝が行われ、神奈川99期の郡司浩平が優勝した。郡司はG1・通算5回目の決勝進出で初の優勝となった。2着には平原康多、3着には稲川翔が入った。払戻金は2車単が⑨③で2,200円(8番人気)、3連単が⑨③⑧で26,820円(79番人気)。

決勝戦回顧

初手は①新田⑥鈴木③平原⑤諸橋―②古性―⑧稲川④松井⑨郡司⑦和田。残り2周半から各ラインの牽制合戦となり、赤板で最初に仕掛けたのは②古性。前を切ったところに④松井が襲い掛かり先行態勢を築くが、3番手の⑦和田が離れ、②古性が3番手に収まる。最終ホームで⑥鈴木が中団に追い上げるが、勢いはなく2コーナーで⑨郡司が番手捲り。2番手以降が離れ、自力に切り替えた③平原が前を追う。直線は2人のマッチレースとなったが、⑨郡司③平原をわずかに振り切って先着した。

終わってみれば人気の一角だった郡司浩平と平原康多のマッチレースとなったが、内容は非常に濃い一戦となった。

外枠を引いた南関東勢が初手で後ろに控え、いつでも抑えに行ける展開を築く。前団、中団を取った各ラインもその動きを注視し、残り2周半から牽制合戦となった。そんな中、真っ先に動いたのは古性優作。松井宏佑の抑え方によっては、もちろん番手戦も用意していただろう。先にインを切り、南関東勢の巻き返しを待った。

一方の南関東勢は、古性が前に出た所をさらに叩きに行く。しかし、前2人の強烈なダッシュに、3番手の和田健太郎がたまらず離れた。いくら競輪界有数のマーク選手といえども、40歳を目の前にした選手がナショナルチームクラスのダッシュ力についていくのは容易ではない。再度の追い上げも叶わず、古性に3番手を奪われる形となった。

さらに、最終ホームでは関東勢の先鋒・鈴木庸之が巻き返す。渾身の力を込めた巻き返しで一時は3番手に追い上げたが、松井の掛かりの良い先行の前に中途半端な位置で止まってしまい後退した。一方、郡司は2コーナーの山おろしを利用して一気の番手捲り。この時点で郡司の初タイトルはほぼ確定的なものに思われた。

しかし、郡司の後ろに嵌っていた古性も徐々に離れ始め、2番手以降の車間が空いてしまう。そこに迫ったのが自力に切り替えた平原だった。ギリギリまで脚を溜めての捲りで、空いた車間をみるみる詰めていく。2センターでは、完全に郡司を捕らえる勢いだった。

それでも、そこからの郡司の踏み直しが強烈だった。一旦は完全に並ばれてから、平原もあと1車輪が詰まらない。目標にされた分と、外を回られた分勢いは完全に平原に分があったが、そこは初タイトルを懸けた郡司の意地だったか。ゴール前は1/2車輪平原を振り切り、郡司が悲願のG1タイトルを手中に収めた。

流れを活かし切った郡司、次に目指すは競輪界の頂

デビュー10年目にして、ついに届いたタイトルホルダーの称号。昨年は共同通信社杯を制し、今年も記念競輪で4回の優勝を飾った。G1制覇は時間の問題と言われ続けたが、今年は高松宮記念杯、オールスターで準決勝敗退。決勝進出を果たした全日本選抜、寛仁親王牌でも、中国勢やナショナルチームの圧倒的な力量の前に成す術なく敗れ去っていた。

今回は松浦悠士・清水裕友の中国コンビや、脇本雄太が不在。更に新田祐大も単騎戦と、郡司にとって目一杯有利な条件が揃っていた。まさに「ここで獲らずにどこで獲る」という状況だったかもしれない。それでも、最後は平原康多の意地の力走に脅かされた。最後まで安心できない状況だったが、見事にその逆風を跳ねのけてみせた。

これで、タイトルホルダーとして胸を張ってグランプリに臨むことが出来る。競輪界の頂点に立つには、先述の中国コンビやナショナルチームとの力量をどのように埋めるかが課題となってくる。本番までは残り1カ月。郡司の戦いは、まだ始まったばかりだ。

久々の戴冠逃すも力を見せた平原

平原は3年ぶりのG1タイトルを狙ったが、郡司にわずかに届かず準優勝。それでも、外に浮きかける厳しい展開を自力で打破し、底力を存分に見せつけた。

これで獲得賞金は8,000万円を超え、8年連続のグランプリ出場にも十分弾みが付いたと言える。グランプリは今年も関東単騎。悲願の初制覇へ向けて、今年も厳しい戦いを強いられるが、その底力でどこまで強力メンバー相手に迫れるか。

大阪勢と新田は対照的なレース内容に

真っ先に展開を動かして好位を奪い、大いに見せ場を作った大阪勢。古性は一時2番手に入り、逆転も十分かと思われたが、直線は力尽きた。それでも、2センター付近では諸橋愛を捌きにかかる態勢で最後まで粘り、マークした稲川翔の確定板入りに大いに貢献した。共に逆転でのグランプリ出場は叶わなかったものの、来年以降に大いに望みが繋がるレース内容となった。

一方で、全く見せ場がなかったのが単騎の新田祐大。終始インに詰まる格好で、最終バックでは9番手に置かれて万事休す。やはり単騎戦では多勢に無勢といった格好で、全く存在感を示せなかった。それでも5着で賞金を加算し、6年連続のグランプリ出場を決定させた。本番は佐藤慎太郎―守澤太志との3車連携が濃厚。ラインの力を駆使し、今年こそ優勝を目指したい。

まとめ

これで今年のG1は全て終了。今年のタイトルホルダーは以下の通りとなった。

全日本選抜競輪…清水裕友

高松宮記念杯競輪…脇本雄太

オールスター競輪…松浦悠士

寛仁親王牌…脇本雄太

競輪祭…郡司浩平

また、今年のKEIRINグランプリ出場者は以下の記事を参照。

いよいよ、今年もあと1ヶ月。残すは記念競輪4開催と、KEIRINグランプリシリーズのみとなった。泣いても笑ってもあと1カ月。皆さんも、2020円の競輪を良い形で締めくくっていただきたい。次回のグレードレースは、12月3日(木)から別府競輪場で行われるG3「オランダ王国友好杯」。どうぞお楽しみに。

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輪pedia 編集者兼ライターの「競輪歴15年」です。 長年培った知識を活かし、競輪に関する有益な情報を提供していきます。